【完全版】メタマスクのエラー対処法一覧イーサリアムやL2、EVM経済圏での接続できない場合どうすればいいのか？

墨汁うまい - 2023年8月18日

コンテンツの概要

文字数 : 約7,000文字

ページ数 : 約20ページ

イーサリアムやL2/zkEVM、EVM経済圏などのイーサリアムエコシステムを使用する場合、必ずといっていいほど必要となるのがブラウザ拡張の”メタマスク（Metamask）”です。このメタマスクはイーサリアムエコシステム上のDeFiやNFTマーケットプレイス、ゲームなどにアクセスするためのブラウザをWeb3ブラウザにすることができる重要インフラとして知られている一方、L2/zkEVM、EVM経済圏が巨大になればなるほど多くのトラブルが出てきており、各種の対処が必要となります。
また大抵の対処法は間違えており、根本的な解決にならないことはあまり知られてないと言えるでしょう。
本稿では実は知られていないメタマスクにおけるトラブルの対処法とそのエラーが出る根本的な原因、解決策について非エンジニア向けにわかりやすく解説を行います。

コンテンツの主題

仕組み

実演

傾向と対策

1 そもそもメタマスク（Metamask）とは？
2 Metamaskの主要EVMチェーン
- 2.1 イーサリアム及びEVMのチェーンID一覧
- 2.2 L2（Optimistic Rollup）のチェーンID一覧
- 2.3 zkEVMのチェーンID一覧
3 免責事項
4 Metamaskでの複数のエラー
5 「アクティビティタブのデータを消去」は間違った対応
6 ブラウザからDeFiやNFTに”接続”できない
7 Metamaskで「Optimismに接続中」などでアクセスできない
8 接続できない場合の対処法
9 Metamask設定の変更
10 避けるべきMetamaskの新規チェーン追加方法
11 Metamaskでキャンセルや高速化できない対照法
- 11.1 TXが通らない場合の２つの対処法
- 11.2 最適な対処方法
12 マニュアル署名の手順
13 Metamask：internal json-rpc error. { “code”: -32603, “message”の対処法
14 Metamask：Nonce too highの対処法
15 墨汁うまいに質問する

そもそもメタマスク（Metamask）とは？

仮想通貨（暗号資産）におけるメタマスク（Metamask）とは

「ChromeやFirFoxなどの既存ブラウザからイーサリアムやL2、EVM経済圏にアクセスするためのWeb3ブラウザエクステンション」

を指します。

2017年まではイーサリアム上のDeFiやNFTマーケットプレイスのようないわゆるDapps（Decentralized Application）にアクセスするには専用の”Web3”ブラウザが必要であり、イーサリアムファンデーションが開発する”Mist”がその役割を担っていました。

一方で2018年のMetamaskがメインWeb3ウォレットとして利用されることでMistの開発が終了、2020年にはいってからはMetamask以外にも”Trust Wallet”などのサードパーティWeb3ウォレットが乱立しており、現在では複数の選択肢があるが最大手であることに変わりはないでしょう。

Metamaskの主要EVMチェーン

Metmaskでは2017年まではイーサリアムのメインネット及びGoerliなどのテストネットのみを利用することが主流でしたが、2021年から2022年にかけてのBNB ChainやPolygon（元Matic）などの”EVM経済圏”ブームと、Arbitrum（アービトラム）やOptimism（オプティミズム）などのRollupを採用したL2により、サポートネットワークは2023年8月現在テストネットを含めて100チェーンを超えるEVMチェーンに対応しています。

下記はLayerZeroやzkEVMを利用する際に使用する主要チェーンの一覧となります。

イーサリアム及びEVMのチェーンID一覧

イーサリアムL1及びEVM経済圏の主要チェーンのチェーンID一覧は下記となります。

ネットワーク	種類	通貨	チェーンID
イーサリアム	L1	ETH	1
BNB Chain(BSC)	EVM	BNB	56
Polygon	EVM	MATIC	137
Abalanche C-Chain	EVM	AVAX	43114
Celo	EVM	CELO	42220
Gnosis Chain	EVM	DAI	100
Fantom Opera	EVM	FTM	250
Core DAO	EVM	CORE	1116

L2（Optimistic Rollup）のチェーンID一覧

Optimistic Rollupを導入したL2とOptimismのOP StackチェーンのID一覧は下記となります。

ネットワーク	種類	通貨	チェーンID
Arbitrum One	L2	ETH	42161
Base	L2	ETH	8453
Mantle	L2	MNT	5000
Metis Andromeda	L2	METIS	1088
Optimism(OP Mainnet)	L2	ETH	10
Zora	L2	ETH	7777777

zkEVMのチェーンID一覧

zk-Rollupを採用したzkEVMチェーンの一覧は下記となります。

ネットワーク	種類	通貨	チェーンID
Linea	zkEVM	ETH	59144
zkSync Era	zkEVM	ETH	324
Polygon zkEVM	zkEVM	ETH	1101

免責事項

下記は慎重にリサーチしたものですが、コントラクト署名時には自信で責任を持って行ってください。また下記エラー対処手順における秘密鍵やニーモニックフレーズのロストは自己責任となるため慎重に行ってください。公式サイトやなりすましにおけるフィッシング、ハッキング等にセキュリティ対策で十分注意するようお願いします。

DeFiやNFTのセキュリティ対策のやり方についてはリサーチレポート「【セキュリティ対策】99%が知らないイーサリアムDeFiやNFTのコントラクト検証と確認方法~前編~フィッシングを避ける安全な署名方法とは？」を参照してください。

https://bokujyuumai-salon.ethereum-japan.net/archives/15549

Metamaskでの複数のエラー

Metamaskでは仮想通貨投資家や一般のエンドユーザーに向けて使いやすいインターフェースを兼ね備えているものの、原因特定が困難なエラーが複数存在します。

主なエラーとしては

・Optimismなどに接続できない

・トランザクション生成ができない

・DeFiやNFTマーケットプレイスに接続できない

・トランザクション署名時に失敗する

・Internal JSON-RPC ErrorとなりTXを生成できない

・署名しても失敗する

など多岐にわたります。

「アクティビティタブのデータを消去」は間違った対応

このようなエラーに対してよく見られる対処方法としては

「設定からアクティビティタブのデータを消去するか、Metamaskを再インストールする」

という回答や、ブラウザの更新、クッキーなどの消去という対処をよくみかけます。

ですがこれは間違った対処法であり、Metamaskの各エラーには内部的なデータのやり取りやメトリックにおける根本的な原因があり、それらに対処しない限り永遠にエラーが続くのです。このエラーに関しては詳しい理由が記載されていないため、根本的に解決するにはMetamaskの仕組みを理解して対処する必要があります。

ではよくあるエラーの種類別に正しい対処方法についてみていきましょう。

ブラウザからDeFiやNFTに”接続”できない

Metamaskの再インストールで対処できるのは限定的なエラーになりますが、

「DeFiやNFTに最初の段階で接続できない」

というような場合には有効な対処手段となっています。

例えばMetamaskでDeFiを利用する場合、例えばイーサリアムのレンディング最大手であるAave（アーベ）の例では「Connect wallet」からMetamaskなどのWeb3ウォレットを選択し、「接続」を行わなければレンディング市場のステータスを見ることができません。

ですが環境次第では今まで使用できていたDeFiも「Error connecting. Try refreshing the page.」のようにして、署名どころかそもそもAaveのサイト自体に接続できないような事例もあります。墨汁うまいの例でいうとAaveやCurve Financeなどはこのような事象がよく起こることがありました。

このようなそもそも接続できない場合の対処法としては

１．Metamaskを消去し再インストールする

２．別のブラウザでMetamaskをインポートして利用する

という２つの方法で対処が可能なのです。

ハードウェアウォレットのTrezor（トレザー）やLedger（レジャー）、Keystoreや秘密鍵をインポートしている場合には不要ですが、Metamask上でEOA（ウォレット）を作成した場合にはこの手順を行う前にニーモニックフレーズのバックアップまたは個別のEOAごとに秘密鍵のバックアップを撮らなければ永遠にアクセスできなくなるの注意

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