仮想通貨(暗号資産)の「ハウィーテスト」とは米国証券取引委員会(SEC)がその仮想通貨または証券性があると同規制当局が判断する時に用いられる過去の判例をもとにした証券テストを指す。
ハウィーテストでは主に「投資契約」に該当するかを前提とし、1946年のアメリカ証券取引委員会対W. J. Howey社事件を判例としている。仮想通貨では2020年12月23日にリップル社に対する訴訟が大きな事例であり、2025年に74.9億円の罰金支払いで和解している。
ハウィーテストでステーキングの証券性を満たさない
米国証券取引委員会(SEC)は2025年5月30日、イーサリアム(ETH)を筆頭にしたPoSのステーキング及びLidoのLSTやEigenLayerのリステーキングなどの関連プロジェクト、コインベースのcbETHに代表される仮想通貨取引所のステーキングサービスはハウィーテストにおける投資契約基準を満たさないと発表した。
これはイーサリアムのCasper FFGのようなパーミッションレスの一定の仮想通貨に限るものの、「ネットワークに参加してバリデータとしての役割をはたした対価としてステーキング報酬が支払われる」ため、投資契約には該当しないとしている。
イーサリアムの「zkVMs」とはZero-knowledge Virtual Machineの略であり、つまりゼロ知識証明(ZKP)のProofs(証明)の演算との互換性を持つバーチャルマシン、またはそれらを採用したネットワーク、プロジェクトを指す。
zkSync($ZK)に代表されるようなzkEVMはzkVMsのカテゴリに含まれ、StarkWareの開発するStarknetなどはzkEVMではないがzkVMsの分類となる。
イーサリアムのzkVMsプロジェクト一覧
Noプロジェクト名zkVMs公式X(Twitter)トークンシンボル資金調達額(億ドル)ISA
1zkSyncBoomjum 2.0@zksync$ZK4.58億ドルRISC-V
2StarknetStarkV@Starknet$STRK2.83億ドルRISC-V
3Polygon zkEVMZisK@0xPolygon$POL(MATIC)4.57億ドルRISC-V
4ScrollEuclid(OpenVM)@Scroll_ZKP$SCR0.80億ドルRISC-V
5LineaLinea EVM@LineaBuild$LINEA7.25億ドルEVM
6SuccinctSP1@SuccinctLabs*TBA0.55億ドルRISC-V
7RISC ZeroR0VM@RiscZeroN/A0.52億ドルRISC-V
8a16zJolt@a16zcryptoN/AN/ARISC-V
9KakarotKeth@KakarotZkEvmN/A非公開Cairo ISA
10NexusNexus zkVM 3.0@NexusLabsN/A0.27億ドルRISC-V
11ArgumentIx@argumentxyzN/AN/ALean 4
12IrreduciblePetra@IrreducibleHWN/A0.39億ドルPetra ISA
13BrevisPico@brevis_zkN/A0.08億ドルRISC-V
14LigeroLigetron@ligero_incN/A0.01億ドルWASM
15MidenMiden VM@0xMidenN/A0.25億ドルMiden ISA
16ZorpNock VM@ZorpZKN/A0.05億ドルNock ISA
17O(1) Labso1VM@o1_labsN/AN/ARISC-V
18AxiomOpenVM@axiom_xyzN/A0.20億ドルRISC-V
19powdrpowdrVM@powdr_labsN/AN/ARISC-V
20LitaValida@lita_xyzN/AN/AValida ISA
21ICMEzkEngine@icme_appN/AN/AWASM
22ZKMzkMIPS@ProjectZKMN/AN/AMIPS
23DelphinuszkWASM@DelphinusLabN/A非公開WASM
ZKPのProver
各zkVMsは独自のゼロ知識証明のProofs(証明)を生成するProverを開発しており、RISC Zeroはリアルタイム証明が可能な次世代Proverを発表、Starknetもその後にRISC Zeroよりも早く、従来のSNARK証明の100倍の速度となるS-Twoを発表している。
イーサリアムの「Prover」とは主にzkEVMやzkVMsにおいてZKP(ゼロ知識証明)のProofs(証明)を生成するサブシステムを指す。このProverはzero-knowledge ProverやzkProverなどとも呼ばれることがある。
Proverは各zkVMsプロジェクトが開発を競っており、RISC ZeroやStarknetなどがリアルタイム証明が可能なProverを発表している。
仮想通貨(暗号資産)の「イーサリアム準備金」とは、上場企業やイーサリアムエコシステム上のプロジェクトがETHを準備金として保有すること、またはそのムーブメントを指す。
場合によっては「Strategic Ethereum Reserve」、つまり戦略的イーサリアム準備金と表現されることが多い。2025年5月現在、米最大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)を筆頭に98.1万ETHが上場企業などによって保有されている。
イーサリアム準備金保有一覧
企業/プロジェクトシンボル上場ETH保有数
1イーサリアム財団N/A264,378ETH
2PulseChainPLS166,303ETH
3コインベースCOINNASDAQ137,334ETH
4Golem FoundationGLM100,848ETH
5Gnosis DAOGNO66,587ETH
6アメリカ政府N/A59,965ETH
7Lido DAOLDO37,500ETH
8Ethereum Name ServiceENS34,801ETH
9Bit DigitalBTBTNASDAQ27,623ETH
10Arbitrum DAOARB20,000ETH
11BTCS Inc.BTCSNASDAQ12,500ETH
12Onchain Foundation10,220ETH
13Intchains GroupICGNASDAQ7,025ETH
14Aave DAOAAVE6,255ETH
15KR1 plcKROEFOTC5,505ETH
16Kleros非上場4,031ETH
17State of Michigan4,000ETH
18Api3 DAO3,758ETH
19Nouns3,606ETH
20ExodusEXODNYSE2,550ETH
21UNCX Network非上場1,700ETH
22kpk1,036ETH
23Obol800ETH
24Bankless非上場700ETH
25BalancerBAL630ETH
26ブータン政府495ETH
27Fluid非上場324ETH
28Moss EthereumMOSSCSE317ETH
29Freysa312ETH
30Ekubo ProtocolEKUBO300ETH
31The DeFi Collective170ETH
32Octav非上場159ETH
*2025年5月末時点
戦略的イーサリアム準備金のムーブメント
米NASDAQ上場の「SharpLink Gaming」は戦略的イーサリアム準備金を構築するために自社株売りを介して612億円(4.25億ドル)を調達したことを発表。この資金調達はWeb3ウォレット最大手のMetamaskやイーサリアムzkEVMのLineaを開発するConsensys(コンセンシス)を筆頭に、Pantera CapitalやGalaxy Digital、Electir Capitalなどの複数のヘッジファンドから行われている。
仮想通貨(暗号資産)のコンバーチブルノートとは「転換社債」のことを指し、MicroStrategy社など企業がビットコイン購入資金などを捻出するために利用する資金調達方法の一種。
ハイブリッド転換社債
コンバーチブルノートは将来的に株式、またはそれに相当する現金に転換することを前提にした債券(Bond)であり、他にもコンバーチブルボンド(Convertible Bond)、コンバーチブルデット(Convertible Debt)などと呼ばれることもある。
このコンバーチブルノートは負債と株式と似た特徴を持つハイブリッド証券であり、19世紀半ばから用いられるようになった資金調達方法である。
スタートアップはSAFT
上場企業などがコンバーチブルノートを使用して資金調達をするのに対し、仮想通貨スタートアップは株式とは別にトークンを発行することが多いため、SAFTで開発費用などの資金調達を行うことが多い。
イーサリアムの「Espresso」とはEigenLayerのAVSであり、Aligned Layerと同様のミドルウェアRollupプロジェクトを指す。Espressoはグローバルコンファーメーションレイヤー(Global Confirmation Layer)であり、ArbitrumやPolygon zkEVM、ブリッジではAcrossなどが統合している。
Espresso概要
Espressoのプロジェクト概要は下記表の通りとなる。
項目プロジェクト詳細
公式X(Twitter)@EspressoSys
創設年2020年
資金調達額6000万ドル
チェーンEigenLayer, Arbitrum他
開発元Espresso Systems
トークンシンボルTBA
コア技術クロスチェーン
関連技術Rollup, EigenLayer
Espressoエコシステム
Noプロジェクトシンボル種類
1Arbitrum$ARBL2/Rollup Stack
2Optimism$OPL2/Rollup Stack
3Polygon zkEVM$POLzkEVM/Rollup Stack
4Cartesi$CTSIRollup Stack
5SpirezkEVM L3/Rollup Stack
6AltLayer$ALTRollup-as-a-Service
7CalderaRollup-as-a-Service
8GelatoRollup-as-a-Service
9AnkrRollup-as-a-Service
10EtherScaleRollup-as-a-Service
11KarnotRollup-as-a-Service
12LumozRollup-as-a-Service
13StackrRollup-as-a-Service
14TrueZKRollup-as-a-Service
15InjectiveINJEVMチェーン
16HyperlaneBridge-as-a-Service/ AVS
17TaikoL2
18RariRollup/NFT
19AcrossACXブリッジプロトコル
20Socketブリッジプロトコル
21Catalystブリッジプロトコル
22Automataブリッジプロトコル
23Composable Financeブリッジプロトコル
24Decentブリッジプロトコル
25Ikaブリッジプロトコル
26IoTeXブリッジプロトコル
27Machブリッジプロトコル
28Sideブリッジプロトコル
29Synonymブリッジプロトコル
仮想通貨(暗号資産)の「サークル」とはイーサリアム(ETH)エコシステム上やソラナ(SOL)、MOVEチェーンのAptos(APT)やSui(SUI)上などでドルと1:1で裏付けを持つステーブルコイン「USDC」の発行元。イーサリアムメインネットに2018年にローンチしており、ライバルとなるテザー社のUSDTに次ぐ2番目のステーブルコイン発行規模を持つ。
*USDC概要及び対応ネットワークについては「USDC」のページを参照
サークル社概要
項目プロジェクト詳細
社名Circle Internet Financial, Inc.
上場市場NYSE(2025年5月27日IPO申請)
ティッカー$CRCL
公式X(Twitter)@circle
創設年2013年
メインネットローンチ2018年8月3日
チェーンイーサリアム, zkSync, Sui, ソラナ他
トークンシンボル$USDC
関連プロダクトCCTP(Layerzero/Wormhole)
コア技術1:1裏付けステーブルコイン
サークル社のIPO
サークル社は仮想通貨推進派のドナルド・トランプ氏が大統領選で勝利する前の段階からIPOを画策しており、最終的に2025年5月27日に正式にNYSEにIPO申請を行った。
サークル社のIPOではクラスA、2400万株で予想価格は24~26ドルとなっており、ティッカーは$CRCLとなっている。
イーサリアムの「Farcaster」とはOP Stack採用のBaseチェーンを中心にした分散型ソーシャルネットワーク(SNS)であり、NFTのコントラクトなどと連携などが可能。コントラクト実行はできないものの、OP Stackをベースとしている。
アップルストアなどから年間課金が必要であり、ガス代はその課金から捻出される。2025年5月24日にFarcasterのインターフェイスクライアントであったWarpcastがリブランドし、Farcasterとして統合された。
Farcaster概要
Farcasterのプロジェクト概要は下記表の通りとなる。
項目プロジェクト詳細
開発元Farcaster
公式X(Twitter)@farcaster_xyz
チェーンBase, ソラナ
資金調達額1.8億ドル
トークンシンボルTBA
プロトコルトークン$WARPS
コア技術OP Stack
創設年2020年
競合DeBank
ガスガスレス(*アプリストアから年間課金)
ソラナに新たに対応
2025年5月24日にWarpcastをFarcasterにリブランドする際、ソラナ(Solana)にも新規対応している。
イーサリアムの「Rollup Stack」とはRollup-as-a-Serviceが提供するイーサリアムのRollupを採用したL2の構築パッケージの提供開発元を指す。Rollup StackではOptimismが提供するOP StackがBaseチェーンなどを筆頭に最も採用されている。
Rollup Stack一覧
Rollup Stackを提供するイーサリアムL2プロジェクトの一覧は下記表の通りとなる。
L2プロジェクト名L2 Stack公式X(Twitter)トークンシンボル資金調達額(円換算)コア技術
ArbitrumArbitrum Orbit@arbitrum$ARB188.76億円Optimistic Rollup
OptimismOP Stack@Optimism$OP408.24億円Optimistic Rollup
StarknetStarknet Stack@Starknet$STRK436.46億円CarioVM
zkSyncZK Stack@zksync$ZK707.60億円zkEVM
LineaLinea Stack@LineaBuild$LINEA1,004.23億円zkEVM
Polygon zkEVMPolygon CDK@0xPolygon$POL(MATIC)697.56億円zkEVM
イーサリアムの「Bridge-as-a-Service」とはLayerZeroに代表されるイーサリアム及びL2やzkSyncのようなzkEVM、またはイーサリアムエコシステム外のAPTやSUIなどのMOVEチェーン、ソラナ(Solana)へのブリッジをネィティブプロトコルレベルで提供するサービスを指す。
またRollup-as-a-Service(RaaS)と同様名称が長いため「BaaS」と略されることがある。
Bridge-as-a-Serviceの一覧
Noプロジェクト名公式X(Twitter)トークンシンボル資金調達額(ドル換算)EVM外サポート
1LayerZero@LayerZero_LabsZRO29,300万ドルAptos
2Wormhole@wormholeW22,500万ドルソラナ,SUI
3Axelar Network@axelarcoreAXL6,400万ドルCosmos
4Hyperlane@hyperlane_xyzHYPER1,850万ドルCosmos
仮想通貨(暗号資産)のDMMSとは「Dynamic-Membership Multi-Party Signature」を指し、イーサリアムのバリデータやビットコインのマイナーなどの「Dynamic-Membership 」ネットワーク参加者に制限がなく、ノードを含む誰も「Multi-Party」が署名できる「Signature」であることを指す。
例えばDPoSのような特定の委託(Delegate)における加重でネットワーク参加を制限するものではなく、32ETHのバリデータのステーキングやASICによるハッシュレートによって行われ、シビル攻撃のリスクにさらされないものでもある。
仮想通貨(暗号資産)の「ハッキングは買い」とは仮想通貨独自の投資格言であり、大元は2016年8月に起きた香港の仮想通貨取引所「Bitfinex(ビットフィネックス)」が11万9756BTCの巨額ハッキングを受け、ビットコインが大暴落したものの年末には大幅な高騰を見せたことから言われている。
ハッキングが原因でビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨が暴落した場合、その原因は仮想通貨のプロトコルなどが理由ではない場合が99%であり、一時的なハッカーの投げ売りやリスクオフとはなるものの程なくしてV字回復。むしろハッキング前より高騰することから「ハッキングは買い」と言われるようになった。いわゆる事実売り、噂で買うなどと同様の投資格言。
イーサリアムの「シングルスロットファイナリティ」とはBeacon Chainのスロットにおけるファイナリティを現在の32スロット1Epochから1スロットごとにファイナリティのコンセンサスを行う実装を指す。
Beam Chainの開発ロードマップでは最終的にスロットタイムを3倍となる4秒まで短縮する予定であり、SNARKificationによりスロット単位でブロックの検証を可能になればシングルスロットファイナリティにより3GBのブロックガスリミットが可能となる。
イーサリアムのAPSとは「Attestor-Proposer Separation」の略であり、Beam Chainの開発ロードマップで導入されるコンセンサスレイヤー(CL)のプロトコルを指す。APSではMEV問題を解決するためにBeacon Chainのスロットにブロック提案を行うプロポーザーとフォークチョイスルールのアテステーション(署名)を行うアテスターの役割を分離する。
似たような実装ではPBSがあり、FOCILの実装が検討されていることからThe Scourgeで予定されていたPBSは廃止されAPSの実装となると考えられる。
イーサリアムのFOCILとは「Fork-Choice enforced Inclusion Lists」の略で、Beam Chainで導入が予定されている新たなプロトコルを指す。ブロック提案を行うプロポーザーがMEVにより意図的にトランザクションの検閲を行う問題に対応するものであり、「インクルージョンリスト」により一定のトランザクションを強制でプロポーザーがトランザクションをブロック提案に含めるという方式。
バリデータはインクルージョンリストコミッティとしてランダムに選出され、ブロックプロポーザーはそのインクルージョンリストからブロック提案を行う。
仮想通貨(暗号資産)のイーサリアムとは2015年にローンチしたプルーフ・オブ・ワークであるコンセンサスアルゴリズム「Ethash」を採用した世界初のコントラクト実行プラットフォームを指す。イーサリアムのネィティブトークンである「ETH」はイーサリアム上またはL2ネットワークにおいてDeFiやNFTなどのコントラクト実行の手数料(ガス)として支払いに使われ、EVMの実行に使用される。
イーサリアムはビットコインに次ぐ、時価総額2位となっており、仮想通貨で最も巨大なエコシステムを形成している。
イーサリアムのブロック提案とはBeacon Chainのスロットにコミッティとして選ばれたバリデータがブロックを提案(プロポーズ)することを指し、実質的なブロック生成を行う行動を指す。
このスロットにブロック提案がされることでトランザクションが取り込まれたことになり、EVMでのコントラクト処理が実行される。このブロック提案を行うバリデータを「プロポーザー」と呼ぶ。
イーサリアムの「スロットタイム」とはBeacon Chainのブロックタイムに相当し、プロポーザーがブロック提案をできないスキップブロックなどの可能性もあるため、イーサリアム2.0においてはブロックタイムではなくスロットタイムがベースとなる。
イーサリアムのスロットタイム
イーサリアムのスロットタイムは2025年5月現在、1スロット12秒で進んでいく設定となっている。これはBeacon Chainローンチ当初、イーサリアムという巨大エコシステムがThe MergeでのCasper FFGというPoS移行においてセキュリティを重視した結果となっており、Beam Chainの開発ロードマップでは最終的にスロットタイムを3倍となる4秒への短縮が予定されている。
すなわちイーサリアムはスロットタイムだけで見て現在の約15TPSを4倍の60TPSにすることが可能。
イーサリアムにおける「スロット」とはBeacon Chainにおける12秒に1つずつ進むコンセンサスレイヤー(CL)におけるブロック高に相当するものを指す。Beam Chainにおいてスロットタイムを短縮することでイーサリアムのTPSを大幅に改善することが可能。
Beam Chainにおけるスロットタイム
Beacon Chainにおけるスロットは2025年5月現在32スロットを1Epochとしており、Beam Chainの開発ロードマップはSNARKificationによりシングルスロットファイナリティを実現し、スロットタイムを3分の1にする4秒を予定している。
イーサリアムのSNARKificationとはBeam Chain(ビームチェーン)の開発ロードマップで提案されたプルーフ・オブ・ステーク(PoS)のCasper FFGからzk-SNARKsベースの新世代ブロックチェーンへの移行におけるイーサリアムのSNARK化を指す言葉。
主にスロットに提案されたブロックの検証をzk-SNARKsなどのゼロ知識証明をベースにした検証を行い、イーサリアムのスケーリングの加速を可能とする。
イーサリアムの「Beam Chain」とはDEVCON2024でイーサリアム財団によって発表されたイーサリアム3.0とも言える2029年にかけての開発ロードマップであり、現在のコンセンサスレイヤー(CL)であるBeacon Chainの大幅アップデートバージョンを指す。
Beam Chainでは2022年のThe Mergeから始まったThe Surge, The Purge, The Verge, The SplurgeとThe Scourgeをパッケージとし、さらに追加したものとなる。
Beam Chainのコア技術一覧
No開発目的実装
1ブロック提案検閲耐性FOCIL
2ブロック提案バリデータ分離APS
3ブロック提案スロット高速化12秒→4秒
4ステーキングバリデータ閾値引き下げ32ETH→1ETH
5ステーキングETH発行数の変更インセンティブ付け
6ステーキングシングルスロットファイナリティ32スロット→1スロット
7暗号法バリデータ要求スペック引き下げSNARKification
8暗号法量子耐性新たな証明の実装
9暗号法Randomness Beacon強化VDFs
イーサリアムL1で300倍以上のTPSを可能に
Beam ChainではFOCILやPBSに似たコンセプトを持つAPSなどを含め、さらにzk-SNARKsなどをブロック検証に応用するSNARKificationによりブロックガスリミットを100倍にし、Beacon Chainで32スロットを1EpochとしたCasper FFGのファイナリティをシングルスロットファイナリティにすることでスロットタイム(ブロック)を2倍に高速化を可能とする。
これによりイーサリアムはブロックチェーンで最も分散されたままスケーリングが可能な次世代ブロックチェーンとなり、3GBのブロックにも対応が可能となる。
仮想通貨(暗号資産)における「シャミアの秘密分散」とはzk-SNARKsが採用しているゼロ知識証明に通ずる暗号法であり、複数の個人が秘密に関する秘密情報を保持することなく分散することができる方式であり、設定した閾値を超える分割されたデータを持ち寄った場合にのみその秘密を再構築できるというものを指す。
主に仮想通貨ではTrezorのシャミアバックアップやイーサリアムバリデータのDVTなどで使用されている。
イーサリアムの「LRT」とは「Liquid Restaking」のことを指し、主にEigenLayer(アイゲンレイヤー)に代表されるイーサリアムのリステーキングプロトコルにLidoのようなLSTと同様の「流動性ステーキング」を可能とするEther.fiやRenzoのようなプロジェクト等を指す。
LRTプロジェクトの一覧
データシンボルLRTシンボル対応リステーキングチェーン
@ether_fiETHERFIeETHEigenLayer, Symbiotic, Karak, BybylonETH, ARB, OP, Base, ZK, LINEA, MODE, BLAST, SCR. BSC
@puffer_financePUFFERpufETHEigenLayerETH,SCR, ZETA, ZKLink
@RenzoProtocolREZezETHEigenLayer, Symbiotic, JitoETH, ARB, OP, Base, LINEA, MODE, ZRC, BLAST, TAIKO, BSC, SEI, FRAX
@KelpDAON/ArsETHEigenLayerETH, ARB, OP, Base, ZK, LINEA, MODE, ZRC, BLAST, SCR, MANTA
イーサリアムの「Ether.fi」とはイーサリアムのリステーキングプロトコルEigenLayer(アイゲンレイヤー)やビットコインステーキングのBabylon(バビロン)などの流動性リステーキング(LRT)を可能とするプロジェクトを指す。2025年5月時点でEther.fiはLRTにおいて最も高いシェアを獲得しており、Renzo Protocolとは約7倍の差がある。
Ether.fi概要
Ether.fiのプロジェクト概要は下記の表の通りとなる。
項目プロジェクト詳細
開発元Gadze Finance SEZC
公式X(Twitter)@ether_fi
チェーンイーサリアム, Linea, Base他
メインネットローンチ2023年5月3日
資金調達額3230万ドル
トークンシンボルETHFI
関連プロダクトEigenLayer, Babylon, Lido
種類LRT
創設年2022年
トークン配布方法エアドロップ
仮想通貨(暗号資産)のトランプ砲とは2025年3月2日に仮想通貨推進派のドナルド・トランプ氏がSNSで「ビットコインとイーサリアムが好きだ。仮想通貨準備金(ビットコイン準備金)の中心はビットコインとイーサリアムになる」と発言してビットコインが一時8000ドル上昇した原因を指す。
またソラナ($SOL)、リップル($XRP)、カルダノ($ADA)を名指し、大統領令として署名した戦略的仮想通貨備蓄(仮想通貨準備金)に含むと発言したことを含む。一方でメディアのPoliticoによるとこのソラナなどの名指しはフロリダの有力ロビイスト、Braian Ballard(ブライアン・バラード)氏のクイラアントであるリップル社のXRPが含まれていることに気づき「使われた」と激怒、Ballard氏を出禁にしたという。
仮想通貨(暗号資産)のDeribitとは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の世界最大手の仮想通貨オプション取引所を指す。Deribitはパナマを拠点としており、2015年3月にオランダで創設された老舗仮想通貨オプション取引所として知られている。
Derbit概要
項目プロジェクト詳細
親会社コインベース(*買収)
拠点パナマ
公式X(Twitter)@DeribitOfficial
資金調達額4000万ドル
種類オプション取引所
創設年2015年
コインベースによる巨額買収
資金調達額は1.4億ドルであるのに対し、2025年5月8日に米最大手仮想通貨取引所であるコインベース(Coinbase=$COIN)によって4194億円(29億ドル)という仮想通貨市場最大の金額で買収された。
仮想通貨の「セル・イン・メイ」とは金融における投資格言の一つ。正しくは、「Sell in May and Go Away, Don’t come back until St Leger day.」という。夏枯れによる第3四半期前半は相場が動かないことにより”St Ledger day”これはイギリスにおける9月第二土曜日に開催される最古の競馬レースまで戻って来るなという格言を指す。
現代ではセル・イン・メイはアノマリーの1つとして認識されており、5月に下落する場合によく用いられる。
仮想通貨におけるOCCとは「Office of the Comptroller of the Currency 」の略で、つまり米国における米通貨監督局または米通貨監督庁を指す。OCCは米財務省管轄の機関であり、米国における銀行の監督を行う金融当局となる。
仮想通貨においては銀行におけるビジネスの規制をOCCが行っており、バイデン政権下には監督通知義務を課していた。対して仮想通貨推進派のドナルド・トランプ氏の第二次トランプ政権下においてはFRBがこれらの監督通知義務を「仮想通貨イノベーションの推進」を理由に取下げ、これを受けてOCCは2025年5月に8日に「銀行が顧客の代わりに仮想通貨の売買、カストディまたはそれらの委託を許可する」という通知を行った。