イーサリアムL2の”Base”とは米仮想通貨取引所最大手の”Coinbase(コインベース)”が提供するL2ネットワークを指す。Base ChainはzkSyncなどのzkEVMと個なり、”Optimistic Rollup”がL2のコア技術となっており、Optimismの”OP Stack”を採用している。
Baseの概要
ブロックチェーンの種類:OP Stackを採用したイーサリアム上のL2
チェーンID:8453
ガストークン:ETH
ガバナンストークン:未発行
ローンチ日:2023年8月9日(ジェネシスは2023年6月15日)
公式Twitter(X):@BuildOnBase
Base Chainのローンチ日
Coinbaseはメインネットの公式ローンチを2023年8月9日としていたが、実際にはジェネシスブロックは2023年6月15日であるため、約2ヶ月前からメインネットをローンチしていたということになる。Orbiter Financeなどのブリッジプロジェクトはメインネットローンチ前に既にBaseを統合しており、エンドユーザーへのオープン前からBaseを使用することができた。LayerZeroも既にBaseに対応しており、LayerZeroを統合しているDeFiやNFTでもBaseのメインネットをサポートしているものも多い。
Base上のDeFi/NFTプロジェクト
Baseのメインネットローンチに伴い、UniswapやSuhiswapなどのAMM最大手が既にローンチしており、NFTマーケットプレイスではOpenSeaも同様に対応している。ブリッジでは”Orbiter Finance”やHop Procotol、”LayerZeroのStargate”などでUSDC、ETHのブリッジが可能となっている。
BaseはOP Stackという特性上、ArbitrumやOptimismに対応しているDeFiやNFTは遅くても2023年内には対応すると見られる。
BASEトークンのエアドロップ
Baseはまだガバナンストークンを発行していたないが、公式Twitter(X)では
「We have no plans to issue a new network token(新規Baseネットワークのトークンを発行する予定はない)」
と明記している。
一方でBaseメインネットローンチに伴い、GalxeやLayer3を介して”Onchain Summer “というNFTを発行するイベントを開催しており、このNFTの発行手数料が非常に高額であり、複数回あることからもエアドロップの可能性は0ではないと言えるが現時点では不明な状態となっている。
イーサリアムL2の”OP Stack”とはOptimistic Rollup(オプティミスティック・ロールアップ)を採用したL2”Optimism”を開発するOP Labsが提供している「L2ネットワークを構築することができるデータ構造(Stack)」を指す。OP Stackは簡単にいえばOptimismが提供する”Rollupの構築基準”であると言える。
Coinbaseの”Base(ベース)”やByBit(BitDAO)の”Mantle(マントル)”などがOP Stackを採用しており、イーサリアム上にL2ネットワークとして展開することができる。
OP Stackとは?
OP StackとはOptimismのガバナンストークンである”OP”トークンにより維持されるデータ構造であり、採用することによってイーサリアム上にOptimistic Rollupを採用したL2ネットワークを展開することができるブロックチェーン開発データ構造。LayerZeroが”Bridge as a Service”といえるならば、OP Stackは”Rollup as a Service”としてよりL2への展開のための開発負担を減らすことができるという大きな利点を持つ。
OP Stackと同様にMatter Labsが開発するイーサリアムのzkEVM”zkSync”も”ZK Stack”を2023年6月より提供しており、競合するArbitrum(アービトラム)も同様の”Arbitrum Orbit”を2023年6月に発表している。OP StackではBaseやMantleのようなOptimismと同様のEVMでのコントラクト実行プラットフォームだけでなく、NFTマーケットプレイスの”Zora Network”のような採用方式もある。
OP Stackを採用したイーサリアムL2一覧
2023年8月現在、OP Stackを採用しているイーサリアムL2の一覧は下記のようになっています。
・Base(Coinbase)
・Mantle(ByBit=BitDAO)
・Zora Network
・opBNB(Binance)*テストネット
・Debank Chain(Debank)*テストネット
・Celestia
・Public Goods Network
・Peer Protocol
またEVM経済圏のCeloを開発するcLabsはCelo MainnetをOP Stackを採用したL2への移行を2023年7月に提案している。
イーサリアムの”ホワイトハット”とはDeFiやNFTなどのスマートコントラクトにおける脆弱性をいち早く察知し、プロジェクトを助けるという善意を行動理由としてハッキングを行う善良なハッカーのことを指す。対して悪意を持って攻撃を行うハッカーを”ブラックハット(Black hat)”とも表現するが、日本においてはハッカーと一括りにされる傾向にある。
イーサリアムのホワイトハットの歴史
イーサリアムにおけるホワイトハットの歴史は長く、古くは2016年のThe DAO(ザ・ダオ)ハックまで遡る。DeFiの魁となるThe DAOはコントラクトに脆弱性があることを指摘されていたものの、複雑なコントラクト構成により修正できずに巨額のハッキング被害を受けた。このThe DAOハックの裏側で暗躍したのがホワイトハットであり、悪意あるハッカーは364万ETHを盗むことができたものの、ホワイトハットが735万ETHをドレインしたことで被害を抑えることに成功。
このようなホワイトハットによるハッキングがDeFiの被害を抑えることもよくあり、イーサリアムエコシステムを支えているとも言える。
悪意あるハッカーからホワイトハットへ
一方で悪意のある攻撃として行ったハッカーに対し、被害を受けたDeFiプロジェクトが被害額の10%を”ホワイトハットとしてのバグバウンティ報酬”として90%の返金を交渉するケースが定期的に見られる。だが本来のホワイトハットの定義としては善意でのプロジェクトを守る目的であることから、これらをホワイトハットと呼ぶことに関しては疑問が残る
ホワイトハットの必要性
イーサリアム(EVM)におけるスマートコントラクトが誰もがシームレスにいつでも利用できるという性質を維持するため、基本的にコントラクトをメインネットにデプロイしたあとは変更を行うことができない。つまりThe DAOのように脆弱性を知りつつも運営者がセキュリティのために自由にコントラクトを停止することができないというジレンマがあった。
ホワイトハットはこの脆弱性を悪意のあるハッカー(ブラックハット)よりも先に見つけることでプロジェクトの被害を最小限に抑え、イーサリアムエコシステムへのダメージを軽減している。善意で行われているものの、DeFiプロジェクト同氏のデベロッパーの助け合いなどもイーサリアムエコシステムを支えていると言えるだろう。
イーサリアムの”Vyper”とはイーサリアムのスマートコントラクトを開発するためのプログラミング言語を指す。VyperはPythonの構文を採用したプログラミング言語であり、イーサリアムやL2、EVM経済圏で幅広く使われているSolidityとは異なる性質を持つ。
Vyperの概要と発明者
Vyperはイーサリアムがローンチした約2年後となる2017年に”Vitalik Buterin”によって発明されており、Solidityにおけるスマートコントラクトの自由度が起因となるセキュリティ懸念を払拭する目的として提案された。Vyperの特徴としてはシンプルで監査が行いやすく、人間が理解しやすいという大きな利点を持つ。
イーサリアムのマージ(The Merge)が確定する前段階の32ETHをステーキングするデポジットコントラクトなどにVyperが採用されており、イーサリアムファンデーションはそのスマートコントラクトの特性によって開発言語の選択を行っている。
またVyperはSolidityと同様にEVM用のスマートコントラクト開発言語であるため、イーサリアムのOptimistic Rollupを採用したArbitrumやOptimismなどのL2、EVM経済圏でも使用されている。
Vyper脆弱性によるCurve Financeハッキング
2023年7月31日、Vyper公式からv0.2.15、0.2.16及び0.3.0に脆弱性が発見されたことが公表され、The DAOの攻撃方法として広く知られDeFiでも多くの被害を出しているリエントランシー攻撃を受けることが告げられた。
ステーブルコインスワップ最大手のCurve FinanceはこのVyper脆弱性により約64億円以上のハッキング被害を受けており、JPEGd流動性プールのpETH、Metoronome流動性プールのmsETH、Alchemix流動性プールのalETHさらにはCurve Finance公式のCRV/ETHプールが被害を受けた。
仮想通貨(暗号資産)のAPTトークンとはアプトス・ネットワーク(Aptos Network)のネイティブトークンの名称であり、アプトスにおけるガス(手数料)支払いとして使用される仮想通貨のことを指す。
APTの概要
メインネットローンチ:2022年10月18日
APT総発行数:10億APT
APT配布方法:エアドロップ
公式サイト:https://aptoslabs.com/
公式Twitter:https://twitter.com/Aptos_Network
APTの特徴
APTはFacebookが開発したMOVE言語を使用した新興ブロックチェーンの一つであり、2022年に入ってローンチされた”MOVEチェーン”である。
Aptos Networkの仕組みとしてはSUIと同様であり、トランザクションをバッチ処理をし、トップ100バリデータが処理を行う。イーサリアムのEVMを導入しているEVM経済圏とは仕組みが大きく異なるのが特徴。
AptosとLayerZero
Aptos上には2023年7月現在ステーブルコインのUSDCやUSDTは正規方式で発行されておらず、LayerZero(レイヤーゼロ)やWormholeなどのオムニチェーンブリッジプロジェクトを利用する必要がある。LayerZeroは”Aptos Bridge”を早くから提供しており、このAptos BridgeはWeb3ウォレットである”Pontem Aptos Wallet”に公式に統合されている。
LayerZeroは自信のブリッジを介して”lzUSDC”や”lzUSDT”をAptosチェーン上で提供しており、ステーブルコインにシームレスにアクセスすることが可能となっている。
仮想通貨(暗号資産)のSUIトークンとはスイ・ネットワーク(Sui Network)のネイティブトークンの名称であり、スイ・ネットワークにおけるガス(手数料)支払いとして使用される仮想通貨のことを指す。
SUIの概要
開発元Mysten Labs
チェーンタイプMOVEチェーン
メインネットローンチ2023年5月3日
創設年2021
資金調達額3.4億ドル
ティッカーSUI
総発行数100億SUI
公式X(Twitter)@SuiNetwork
配布方法IEO(OKX, KuCoin, ByBit)
SUIの特徴
SUIはFacebookが開発したMOVE言語を使用した新興ブロックチェーンの一つであり、2023年に入ってローンチされた”MOVEチェーンで”ある。
そのためSui Networkの仕組みとしてはAptosと同様であり、トランザクションをバッチ処理をし、トップ100バリデータが処理を行う(詳細はAptosの仕組みを参照)。イーサリアムのEVMを導入しているEVM経済圏とは仕組みが大きく異なるのが特徴。
SUIのIEO価格
SUIは当初AptosのAPTトークンと同様にNFTマーケットプレイス利用者に対してエアドロップされる予定だったものの、途中で計画を変更。OKXやBybitなどの仮想通貨取引所でIEOを行った。SUIのIEO価格は下記のようになっている。
OKX:2.25億SUI = 0.1ドル/SUI
KuCoin:2.25億SUI = 0.1ドル/SUI
ByBit:9400万SUI = 0.03ドル/SUI
またBinance(バイナンス)ではTUSDとBNB保有者を対象としたローンチパッドでのファーミングを提供した。
仮想通貨(暗号資産)や株の”夏枯れ”とは、7月から9月にかけての第3四半期において相場のボラティリティや出来高が他の四半期に比べて極端に下がる相場のことを指す。
夏枯れの語源
金融市場において”夏枯れ相場”と呼ばれる語源とされているのは「植物が夏の暑さにより生気を失うこと」などを意味する”夏枯れ”を相場に当てはめたものだと考えられる。夏枯れ自体の意味には小売業などでも2月と8月に客足が遠のいて売上が減少すると言われている夏のことを指す。
夏枯れ相場の理由
仮想通貨が夏枯れ相場に陥る理由としては米国などの市場をリードする国が長期休暇に入ることで大口投資家や機関投資家がポジションを清算、あるいは相場から中期的に離れることによることが理由と考えられている。
夏枯れはある種”セル・イン・メイ(Sell in May)”のようなアノマリーに近い用語であり、明確な定義などはない。仮想通貨におての夏枯れは強きの上昇トレンド時にはあまり見られず、出来高の減少等が確認できないこともある。
イーサリアムの”LayerZero(ZRO)”とは”オムニチェーン・インターオペラビリティ・プロトコル(Omnichain Interoperability Protocol)”であり、イーサリアムの巨大エコシステムにおける”複数チェーン総合運用性プロトコル”を指す。LayerZeroの主な特徴としては直接的なCross-Rollupブリッジなどのサービスも提供しているが、主に”Bridge as a Service”として20を超えるDeFiやNFTプロトコルに統合されている。
LayerZero概要
LayerZeroはLayerZero Labsによって開発されており、主にイーサリアムL2及びPolygonやAvalancheなどのEVM経済圏間のブリッジを提供するStargate(スターゲート)やRadiant CapitalやSuhisSwap、OmniBTCなどの中間プロトコルとして多くのプロジェクトに統合されている。
LayerZeroのプロジェクト概要詳細は下記の表の通りとなる。
項目プロジェクト詳細
開発元LayerZero Labs
公式X(Twitter)@LayerZero_Core
メインネットローンチ2020年第1四半期
資金調達額2.93億ドル(449.19億円)
トークンシンボル$ZRO
関連プロダクトOFTスタンダード
種類ブリッジ
コア技術OFT, ONFT
創設年2021年
トークン配布方法エアドロップ及び寄付
ガスETH, APTその他対応チェーン
LayerZeroの公式ブリッジ
公式サービスとしては
・アプトスブリッジ(Aptos Bridge)
・ビットコインブリッジ(Bitcoin Bridge=BTC.b)
・テストネットブリッジ(Testnet Bridge=ETH Goerli Bridge)
・USDCブリッジ (LayerZero x Circle)*2023年7月現在デモサービス終了
を提供している。
2023年7月現在、LayerZeroはA16ZやParadigm(パラダイム)、Binance(バイナンス)などから1.71億ドルを資金調達している。
LayerZeroの仕組み
LayerZeroの仕組みとしてはrenBTCを発行するrenVMのようなミドルチェーン方式ではなく、Orbiter Financeのようなライトノード形式を採用しており、”Bridge as a Service”としてライトノード方式の欠点をクリアしDeFiやNFTプロジェクトが統合しやすいようにUltra Lite Node(ウルトラ・ライト・ノード=ULN)方式を独自に採用している。
LayerZeroのZROトークン
*詳細は「ZRO」を参照
2024年6月20日、LayerZero FoundationはZROトークンのTGEを開始した。一方でZROトークンはエアドロップではなく、
「付与権利があるLayerZeroユーザーが1ZROトークンにつき0.1ドルを寄付するという事実上のICOとなった」
として多くの避難を受けている。
イーサリアムにおける”ブリッジ”とは1つのブロックチェーンからEVM経済圏やRollupを採用したL2、またはAptosのようなイーサリアムエコシステム外の異なるブロックチェーンへETHやERC20トークン、NFTなどのトークンを送金することを指す。
イーサリアムにおける”Cross-Rollup”とは、L2のコア技術の1つ”Rollup(ロールアップ)”を採用したArbitrum(アービトラム)やzkSync(ジーケーシンク)などの異なるRollupネットワーク間の”ブリッジ送金”を行うことを表す。異なるRollup間のブリッジであることから、Cross-Rollup(クロス・ロールアップ)と呼ばれている。
イーサリアムにおける”クロスチェーンスワップ”とはEVM経済圏やRollupを採用したL2間での異なる2つのブロックチェーン間でのETHからUSDCのような異なるトークンへのスワップ(売買)をすること、またはETHなどの仮想通貨を異なるブロックチェーンへ送金する”トークンブリッジ”を指す。
ビットコインにおける”ビットコイン先物”とは決められた決済日に向けて取引が行われるビットコイン現物のデリバティブ(派生商品)取引を指す。ビットコイン市場においてビットコイン先物は主にCMEグループのビットコイン先物を指す事が多く、ビットコイン先物ETFの運用先である。
ビットコイン先物の歴史
ビットコイン先物の歴史は古く、ビットコインがかつて取引の9割以上が中国で行われていた時代から存在しており、中国三大取引所だったOKCoin(オーケーコイン=現OKX)が提供していた四半期ビットコイン先物が2017年まで最大の出来高を誇っていた。
2017年12月に米商品先物取引委員会(CFTC)により承認されたことでCMEグループとCboeがビットコイン先物を正式に米国市場で開始。現在ではBinanceやbitFlyer、多くの仮想通貨(暗号資産)取引所でビットコイン先物が提供されている。
2021年10月にSECはビットコイン先物をベースとする”ビットコイン先物ETF”を米国初のビットコインETFとして承認した。
ビットコイン先物の取引期間
CMEグループにおけるビットコイン先物は主に2つの取引期間が存在する。主な取引となるのは四半期先物となっており限月は「3月、6月、9月、12月」となっており、四半期先物はCMEの上場サイクルから取引期間は6ヶ月となる。
四半期外の取引では限月が「1月、2月、4月、5月、7月、8月、10月、11月」となっていることから、CMEの上場サイクルから取引期間は3ヶ月となっている。
ビットコインにおける”ビットコインETF”とはビットコイン現物(BTC)をファンドが運用する上場投資信託のことを指す。ビットコインETFを米国のCboeやNasdaqなどの証券取引所が上場するには米国証券取引委員会(SEC)による承認が必要となる。
ビットコインETFの歴史
このビットコイン現物の歴史は古くは2014年から”Geminiで知られるウィンクルボス兄弟”が申請しており、2017年3月11日にSECにより否決された。その後2019年にVanEck(ヴァンエック)がSolidXとともにビットコインETFを申請、米政府閉鎖の影響を理由に2019年1月にビットコインETF上場の申請を取り下げ、その後再申請をしたものの同年9月に再度取り下げを行った。
先物型ビットコインETFの承認
度重なる否決により多くのファンドはCMEのビットコイン先物をベースとするビットコイン先物ETFの申請に切り替えた。2021年10月15日のリーク報道によると、「SECはビットコイン先物をベースとしたビットコイン先物ETFの許可する準備ができている」とし、翌10月16日にSECにより承認を受けてビットコイン価格は715万円を記録した。
現物型ビットコインETFの承認
2023年6月15日に世界最大手の資産管理会社”ブラックロック(BlackRock)”がビットコインETFの申請準備をしているとリーク、その後正式に申請を行った。6月20日には”Invesco Galaxy Bitcoin ETF”、6月21日には”Valkyrie Bitcoin Fund”が続けて申請された。
2024年1月11日、SECはついに現物型ビットコインETFの承認を行い、公式に声明を発表した。2024年11月現在ブラックロックを筆頭に12の現物型ビットコインETFがローンチしており、1日の取引高は50億ドル日本円にして7500億円にものぼる。
現物型ビットコインETFの承認と取引開始によりビットコイン価格はドル建てで10万ドル目前、日本円では1ビットコインで1544万円を記録した。
現物型ビットコインETF一覧
NoETF運用会社シンボルETF名AUM(運用額)BTC保有数
1ブラックロックIBITiShares Bitcoin Trust7.20兆円500,938BTC
2グレースケールGBTCGrayscale Bitcoin Trust ETF3.13兆円217,917BTC
3フィデリティFBTCFidelity Wise Origin Bitcoin Fund2.86兆円198,646BTC
4アークARKBARK 21Shares Bitcoin ETF7,098.39億円49,375BTC
5ビットワイズBITBBitwise Bitcoin ETF5,975.22億円41,563BTC
6グレースケールBTCGrayscale Bitcoin Mini Trust ETF5,376.20億円37,396BTC
7プロシェアーズBITOProShares Bitcoin ETF4,253.04億円29,583BTC
8ヴァンエッグHODLVanEck Bitcoin ETF1,946.82億円13,542BTC
9コインシェアーズBRRRCoinshares Valkyrie Bitcoin Fund Common Shares of Beneficial Interest1,351.00億円9,397BTC
10インベスコBTCOInvesco Galaxy Bitcoin ETF1,288.61億円8,963BTC
11フランクリン・テンプルトンEZBCFranklin Bitcoin ETF1,082.10億円7,527BTC
12ウィズダムツリーBTCWWisdomTree Bitcoin Fund544.66億円3,789BTC
*AUM及びBTC保有数は2024年11月末時点
先物型ビットコインETF一覧
No.ETF運用会社シンボルETF名AUM(運用額)
1グローバルXBITSGlobal X Blockchain & Bitcoin Strategy ETF59.41億円
2ビットワイズBITCBitwise Bitcoin Strategy Optimum Roll ETF32.41億円
3アークARKAARK 21Shares Active Bitcoin Futures Strategy ETF24.78億円
4ハッシュデックスDEFIHashdex Bitcoin ETF21.56億円
5アークARKCARK 21Shares Active On-Chain Bitcoin Strategy ETF3.89億円
ビットコインの”ビットコイン先物ETF”とはビットコイン先物を運用する上場投資信託(Exchange Traded Funds)のことを指し、CMEグループが提供しているビットコイン先物をベースとしているETFのことである。
ビットコイン先物ETFは2021年10月に米国で初めて米国証券取引委員会(SEC)により承認され、ProShares Bitcoin Strategy ETF(BITO)が米国初の”ビットコインETF”として認可された。
米国のビットコイン先物ETF一覧
2023年6月現在、ビットコイン先物ETFは主に下記となっている。
・ProShares Bitcoin Strategy ETF(BITO)
・Valkyrie Bitcoin Strategy ETF(BTF)
・VanEck Bitcoin Strategy ETF(XBTF)
・Bitwise Bitcoin Strategy Optimum Roll ETF(BITC)
・Simplify Bitcoin Strategy PLUS Inc ETF (MAXI)
・Hashdex Bitcoin Futures ETF(DEFI)
ビットコインレバレッジETF
米国証券取引委員会(SEC)は2023年6月24日に米国初となる”ビットコインレバレッジETF”の「Volatility Shares 2x Bitcoin Strategy ETF(BITX)」を承認した。これによりビットコインETFは
・ビットコイン先物ETF
・ビットコイン先物インバースETF
・ビットコイン2倍レバレッジETF
の3種類が米国において取引することができるということになる。
ビットコイン”現物”ETF
ビットコイン先物ETFに対して、ビットコイン現物を運用する”ビットコイン現物ETF”は2023年6月現在SECにより承認されていない。
イーサリアムDeFiにおける”Bad Debt”とは日本語で”不良債権”を意味し、主にDeFiではAave(アーベ)やCompound(コンパウンド)などのレンディングプロトコルにおいてハッキングやフラッシュローンでの悪意ある攻撃、または流動性欠如によるデフォルトで清算ができずに貸し倒れとなったことを指す。
イーサリアムL2のOrbiter Financeとは次世代Cross-Rollupを提供するブリッジプロジェクトを指す。従来のHop ExchangeやCellarのcBrdige、Multichain(元Anyswap)のようなAMM型の流動性をベースとしたブリッジと異なり、保証金型のインセンティブとペナルティによるEOAアカウントを介した新たなモデルを採用しているという特徴を持つ。
Orbiter Financeの仕組み
Orbiter FinanceではCross-Rollupを提供するノードの”Maker”がEOAアカウントをベースにしているため、非常にブリッジが早いという大きな利点を持つ。仕組みとしてはMDCがMakerの保証金を預かり、EBCやSPVCなどのコントラクトで独自の検証可能なネットワークを構築することでシームレスにCross-Rollupブリッジを可能としている。
Orbiter Finance対応のRollup一覧
Orbiter FinanceではCross-Rollupだけでなく、イーサリアムL1やEVM経済圏、Validium(StarkEx)などにも対応しており、2025年1月現在ブリッジ対応は68チェーンにも上る
チェーン名チェーン種類サブカテゴリガス
EthereumL1EVMETH
Arbitrum OneL2Optimistic RollupETH
OptimismL2Optimistic RollupETH
BaseOP StackイーサリアムL2ETH
BlastOP StackイーサリアムL2ETH
MantleOP StackOptimiumMNT
FraxtalOP StackOptimiumETH
World ChainOP StackイーサリアムL2ETH
TaikoOP StackイーサリアムL2ETH
opBNBOP StackBNB
ZoraOP StackイーサリアムL2ETH
InkOP StackイーサリアムL2ETH
LiskOP StackイーサリアムL2ETH
ModeOP StackイーサリアムL2ETH
MantaOP StackETH
UnichainOP StackイーサリアムL2ETH
Arbitrum NovaArbitrum OrbitイーサリアムL2ETH
ApeChainArbitrum OrbitイーサリアムL2APE
zkSync ErazkEVMzk-RollupETH
LineazkEVMzk-RollupETH
ScrollzkEVMzk-RollupETH
Polygon zkEVMzkEVMzk-RollupETH
BNBEVMチェーンBNB
Polygon PoSEVMチェーンMATIC
SonicEVMチェーン元FantomS
ZetaChainEVMチェーンZETA
CoreEVMチェーンCORE
SophonZK StackValidiumSOPH
X LayerPolygon CDKzkEVMOKB
SolanaSVML1SOL
EclipseSVMイーサリアムL2ETH
SuiMOVEチェーンL1SUI
StarknetCarioVMzk-RollupETH
ZircuitAVSEigenLayerETH
過去にはdYdXやMetis、Bobaなどにも対応していたが、現在は使用することができない。
OBTトークンのエアドロップ
Orbiter Financeは2024年12月にポイントプログラムとなるOポイントをローンチ、2025年1月16日にスナップショットを取り1月20日にTGEを予定している。トークン名は「$OBT」となっており、詳細は下記の通りとなる。
項目詳細
シンボル$OBT
チェーン・イーサリアム
・Arbitrum
・Base
総発行数100億$OBT
TGEエアドロ割当22%(22億$OBT)
VC割当10%(10億$OBT)
イーサリアムL2のzkSync Liteとは非zkEVMのzk-Rollupを採用したzkSyncのネットワークを指す。zkEVMを導入してイーサリアムのEVMと同様のコントラクト実行をすることができるzkSync Eraに対し、簡易版のzk-Rollupとして考えることができる。
zkSync Lite上のDEX
zkSync Liteは非zkEVMチェーンだが、ZigZagというレバレッジDEXが利用することができる。
zkSync LiteからzkSync Eraへのブリッジ
zkSync LiteとzkSync Eraは平行した別々のzk-Rollupとなっており、zkSync LiteからzkSync Eraへの直接のCross-Rollup(クロス・ロールアップ)のブリッジをすることは2023年6月現在できない。そのためOrbiter Finance(オービターファイナンス)やLayer Swap(レイヤースワップ)などの次世代Cross-Rollupブリッジプロジェクトを使用する必要がある。
イーサリアムL2のzkSync Eraとは世界初のzkEVMを導入したzkSyncのメインネットを指す。zkSync Eraは2023年3月28日にイーサリアムメインネット上にローンチしており、非zkEVMのzkSync Liteとは平行した別のイーサリアムL2ネットワークとなっている。
zkSync Eraはローンチ後にArbitrum(アービトラム)に次ぐトランザクション数を記録しており、zk-Rollupの中でも2023年6月時点で最も使用されているzkEVMとなっている。
イーサリアムzkEVMの「zkSync」とはコア技術にzk-Rollupを採用しているイーサリアムのL2(レイヤー2)ネットワークの1つを指す。zkSyncには2023年6月現在zkEVMを持たない”zkSync Lite(ジーケーシンク・ライト”とzkEVMを導入した”zkSync Era(ジーケーシンク・エラ)”の2つのネットワークが提供されている。
zkSyncの概要
zkSyncのプロジェクト概要は以下の表の通りとなる。
開発元Mater Labs
公式X(Twitter)@zksync
メインネットローンチ2023年3月28日
資金調達額4.58億ドル(698.22億円)
トークンシンボル$ZK
プロダクトZK Stack
種類zkEVM
コア技術zk-Rollup
創設年2018年
トークン配布方法エアドロップ
総発行数210億ZK
ガスETH
コントラクト(zkSync Era)0x5A7d6b2F92C77FAD6CCaBd7EE0624E64907Eaf3E
世界初のzkEVM
”zkSync Era”は2023年3月28日にイーサリアムメインネット上にローンチし、世界初のzkEVMを導入したzk-RollupのL2ネットワークとなっている。対してzkSync Lite上ではZigZagのようなパーペチュアルコントラクトを提供するレバレッジDEXなどを使用でき、StarkNetの提供する非zkEVMのStarkExに似たような位置づけとなっている。
zkSyncのトークン
zkSyncは2024年6月10日にZKトークンを発表し、6月15日にTGEを行った。エアドロップにおけるZKトークンの割当は1アカウント最大10万ZKとなっており、高額エアドロップとなったことで知られている。
*詳しくは仮想通貨(暗号資産)の「ZKトークン」を参照。
DeFiの対応状況
zkSync上ではゼロ知識証明の演算と互換性を持つEVMである”zkEVM”を独自開発しており、2024年12月現在レンディング最大手のAaveなどが既にzkSync上で利用することが可能となっている。またブリッジではほとんどのメジャークロスチェーンブリッジを使用することが可能であり、LayerZeroのStargateなどもEigenLayer($EIGEN)のLRTであるrsETHやweETHなどのブリッジが可能だ。
またスワップアグリゲーターのKyerberSwapや1inchもzkSync Era上で使用が可能となっており、AMMでは最大手であるUniswapの他にもPancakeswapやSushiswapといった主要DeFiを利用することができる。
zkSync上のDeFi一覧
zkSync Eraで利用できるメジャーDeFi/NFTの一覧は下記表となる。
プロジェクト名公式X(Twitter)DeFi分類トークンシンボル
Uniswap@UniswapAMM$UNI
PancakeSwap@PancakeSwapAMM$CAKE
SushiSwap@SushiSwapAMM$SUSHI
SyncSwap@SyncSwapAMMN/A
Aave@aaveレンディング$AAVE
Zerolend@zerolendxyzレンディング$ZERO
KyberSwap@KyberNetworkスワップアグリゲーター$KNC
1inch@1inchスワップアグリゲーター$1INCH
Rabby Swap@Rabby_ioスワップアグリゲーターN/A
Odos@odosprotocolスワップアグリゲーター
OpenOcean@OpenOceanGlobalスワップアグリゲーター
Circle@circleステーブルコイン$USDC
Tether@Tether_toステーブルコイン$USDT
MakerDAO(Sky)@SkyEcosystemステーブルコイン$MKR(SKY)
Satori@SatoriFinanceパーペチュアルDEXN/A
Lido Finance@LidoFinanceLST$stETH
Ether.fi@ether_fiLRT$weETH
KelpDAO@KelpDAOLRT$wrsETH
Element@ElementNFTマーケットプレイスN/A
zkSyncへのブリッジ方法
zkSyncへのブリッジ方法は主に下記が主流となっている。
プロジェクト名公式X(Twitter)DeFi分類トークンシンボル
Stargate@StargateFinanceブリッジ$STG
Orbiter Finance@Orbiter_FinanceブリッジN/A
LayerSwap@layerswapブリッジN/A
WooFi@_WOOFiブリッジ$WOO
Jumper@JumperExchangeブリッジアグリゲーターN/A
Bungee@BungeeExchangeブリッジアグリゲーターN/A
Interport@InterportFiブリッジアグリゲーター$IP
Symbiosis@symbiosis_fiブリッジアグリゲーター$SIS
イーサリアムのProto-DankshardingとはELのETH1エンジンで導入される新たなトランザクションフォーマットを実装する技術を指し、EIP-4844として知られている。イーサリアムの開発ロードマップでいう”The Surge(サージ)”に値する。
EIP-4844としてデンクン(Dencun)デンクンで実装
Proto-Dankshardingは2023年4月13日に行われた上海アップデートの次の大型実装となるデンクン(Dencun)で実装されることが決定しており、2023年後半から2024年前半にかけてイーサリアムに実装されると予想される。
Sharding実装への布石
Proto-Dankshardingはイーサリアムチェーンを分割し、並列でEVMによるコントラクト実行を可能とするSharding(シャーディング)とは異なる実装となっている。一方でProto-Dankshardingで実装する新たなトランザクションフォーマットのBlobs(ブロブ)はSharding実装のさら先のDASと後方互換を持つため、将来のイーサリアムの実装へ大きく貢献することにもなる非常に重要な実装となっている。
イーサリアムの事実上のスケーラビリティが増加
またProto-DankshardingにはRollup(ロールアップ)のL2ネットワークの拡張という利点の他にも、「Blobsによる事実上のブロック拡張」が行われるため従来のL2よりさらなるスケーリングが可能となるという大きな利点がある。ArbitrumのTVLの成長やzkSyncやStarkNet、ConsensysのzkEVMである”Linea”などが2023年にイーサリアムメインネットにローンチされることを考慮すると、イーサリアムのブロックはRollupに圧迫されているという現状がある。
そのためProto-DankshardingではRollupでのガス代削減効果の他、CALLDATAによるイーサリアムネットワークへの圧迫を避けることができる。
イーサリアムL2のzkEVMとはRollup(ロールアップ)の中でもzk-Rollupを採用したL2ネットワークで実装するイーサリアムL1のEVM互換を持つzk-Rollupネットワーク上のバーチャルマシン、またはzkEVMチェーン自体を指す。
世界初のzkEVMはzkSyncがローンチしたzkSync Eraであり、2023年3月28日にローンチした。
zkEVMの一覧
L2プロジェクト名公式X(Twitter)トークンシンボル資金調達額(円換算)
zkSync@zksync$ZK707.60億円
Linea@LineaBuild$LINEA1,004.23億円
Scroll@Scroll_ZKP$SCR124.37億円
Polygon zkEVM@0xPolygon$POL(MATIC)697.56億円
*プロジェクト別の資金調達額などのデータはこちら
zkEVMとは?
zkEVMはイーサリアムL1のEVMと同様にコントラクトを実行するバーチャルマシンで、zk-Rollupを採用しているL2ネットワークが利用するゼロ知識証明の演算と互換性を持つという特徴を持つ。
Optimistic RollupでのEVM実装は早い段階で行われたものの、ゼロ知識証明をベースとする複雑なzkEVMは2023年3月まで約2年遅れでのローンチに時間を有した。一方でzkEVMではOptimisitc Rollupが実現する500TPSというスケーラビリティを大きく超える2,000TPSを超えるスケーラビリティを持ち、将来的には20,000TPSを超えるとされている。
仮想通貨企業が破産時に申請しているチャプターイレブンとは、米国破産法における「再建」を目的とした破産手続きを指し、米連邦破産法11条のこと。英語ではCH11やChapter 11と表記されることもある。
チャプターイレブンの内容
チャプターイレブンはDIP(Debtor-in-Possession)として知られており、雇用を守りつつ債権者の資産を守る目的で申請が行われる。日本における民事再生に当たると表現されることも多いが、特徴として会社更生とも同様の特徴を持つため基本的にどちらにも属さない。
広く知られていることはチャプターイレブン申請後に原則120日以内に再建計画を提出するという点だが、再建には非常に複雑な手続きを有し、細かな手続きでも破産裁判所の認可が必要である一方、透明性が保たれるという利点を持つ。またチャプターイレブンの申請は債務者(経営陣)が申請する任意的申立(Voluntary Petition)が一般的だが、支払いを受けられていない債権者が申請する非任意的申立(Involuntary Petition)も資産を保全するために行われることがある。
仮想通貨企業のチャプターイレブン申請
2022年の仮想通貨暴落により多くの仮想通貨レンディング企業が連鎖倒産を起こし、チャプターイレブンを申請した。最大手のBlockFiなどもFTXのチャプターイレブン申請による連鎖倒産となっており、他にもセルシウスネットワークがDeFiでの巨額の損失により同様に申請を行っている。
他にはVoyager Digitalなどのレンディング企業が仮想通貨ヘッジファンドのThree Arrows Cpital=3ACの破産によってチャプターイレブン申請したことも知られている。他にもNasdaqに上場していたビットコインマイナーのCore Scientificや顧客資産の使い込みで流動性危機に陥った仮想通貨取引所のFTXなどもチャプターイレブンを申請している。
イーサリアムの”The Scourge”とはマージ(The Merge)後の5つの開発ロードマップの1つであった「The SplurgeからPBSを独立させた開発ロードマップ」を指す。2022年11月にVitalikによって提案されたMEV関連の開発となり、ブロック提案とトランザクションのピックアップを分離するためのPBS(プロポーザー/ビルダーセパレーション)が主な実装となる。
The Scourgeの分離によりThe SplurgeではVDFとAccount Abstractionがメインの実装予定となる。
イーサリアムの「The Splurge」とはマージ(The Merge)後の今後10年の開発ロードマップの1つで、イーサリアムのセキュリティと分散性を大幅に向上させる開発フェイズを指す。
The Splurgeの開発内容
The Splurgeでの主な実装予定はMEVや中央集権、リスクを避けることができるPBSやより完璧なRandomness Beaconを可能にするためのVDFの導入、EOAアカウントとコントラクトアカウントという分類をなくすAccount Abstractionなどになる。
PBSをThe Scourgeとして独立
2022年11月にイーサリアムの発明者であるVitalikは「PBSをThe Splurgeから独立するThe Scourge」を新たに発表。というのもPBSの他にもVDF、Account Abstractionともに非常に複雑な実装であるため、優先順位やそもそものロードマップの細分化が必要となるということを示す。
イーサリアムのMEV-Boostとはフロントランニング防止とBase Feeの高騰を抑制するための独自実装されたプロジェクト「Flashbots」が提供するイーサリアムバリデータ向けのツールを指す。
イーサリアムはMEV-Boostのブロックが9割
2022年11月現在、イーサリアムのブロック生成をマイナーの代わりにバリデータ(プロポーザー)が行うようになり、Beacon Chainに提案される約9割のブロックがMEV-Boostを介したブロックとなっている。MEV-Boostでは通常のブロック提案報酬でプロポーザーが得られるのはEIP-1559のPriority Feeだが、フロントランニングを防止するためのトランザクションでは巨額のETHが支払われることが多く、MEV-Boostでの高い収益性が期待できる。
イーサリアムに標準でPBSの実装提案
MEV-BoostはいわばPBS(プロポーザー/ビルダーセパレーション)であり、2022年11月にVitalikによってPBSを導入するためのイーサリアムの開発ロードマップ「The Scourge」が新たに提案された。
イーサリアムのRandomness Beaconとはイーサリアム2.0のBeacon Chainで得る乱数を生成するRANDAOのような「誰にも予想ができず、操作もできない乱数を定期的に生成するサービス」を指す。乱数の生成は一見平等に見えるが実は非常に複雑な問題を抱えており、この平等な”Randomness Beacon”をブロックチェーン上で実現するのは非常に難しい。
イーサリアムの開発ロードマップの一つであるThe SplurgeではRANDAOが提供しているRandomness BeaconをVDFを導入することでより分散されたセキュリティの高い乱数を得ることで、バリデータのコミッティ選出やShardingへのアサイン問題などを解決する。
イーサリアムのVDFとは”Verifiable Delay Function”の略でその名前の通り「検証可能な遅延関数」を指す。VDFは2018年10月に提案された関数の1つで、予想や操作ができない乱数を定期的に生成する「Randomness Beacon」などの使用に適している。
The SplurgeでVDFをイーサリアムに導入予定
イーサリアム2.0として新たなネットワーク開発ロードマップが考えられた2018~2019年にこのVDFを導入すると決定し、2022年11月現在では大きく変更されてThe Merge後の開発ロードマップであるThe SplurgeでVDFをイーサリアムBeacon Chainに導入する予定となっている。
SolanaはVDFを採用
VDFはSolana(ソラナ)が「Proof of History」を提供するために採用しており、イーサリアムではバリデータのコミッティのランダム選出などの公平性を出すための利用など、セキュリティを大幅に向上させるための重要な関数となっている。イーサリアムファンデーションはこのVDFを開発研究しており、専用のVDF-ASICを開発するとしている。
イーサリアムのプロポーザーとはThe Merge後にマイナーの代わりとなってブロックを生成するバリデータのことを指す。32ETHをステーキングしたバリデータはCasper FFGのコンセンサスに参加し、ブロックをBeacon Chainに提案したバリデータのことをプロポーザーと呼ぶ。
プロポーザーとアテスターの違い
アテステーションとしてファイナライズのための投票を行うバリデータはプロポーザーではなくアテスター(Attester)となり、プロポーザーはコミッティにランダムで選出される必要がある。
PBSで変わるプロポーザー
The Scourgeで実装される予定となっているPBS(プロポーザー/ビルダーセパレート)では、2022年11月現在のプロポーザーが行っているトランザクションのピックアップとそれらを取り込んだブロックをスロットに提案する一連の動作をプロポーザーとビルダーに別けることでMEVにおける弊害やフロントランニングの防止をイーサリアムプロトコル内で行う。