イーサリアム2.0のステーキングは2020年11月5日にデポジットコントラクトがデプロイされたことで、遂にイーサリアムバリデータ登録が開始されました。ローンチパッドによる32ETHステーキングは当初のテストネット参加より比較的難易度が下がっているものの、ETHステーキング後の難所と言えるBeacon Nodeとバリデータノードの起動はコマンドを打ったことがない非エンジニアには要求知識や難易度が非常に高く、困難であると言えるでしょう。
本稿では32ETHステーキング後の重要手続きであるBeacon Nodeの起動、Gethなどによるよるイーサリアムノードのエンドポイント指定やKeystoreのインポート、バリデータノードの起動やそれらのよくあるミスやエラーなどの対処方について、非エンジニア向けに詳しく解説を行います。
- 1 32ETHステーキングする手順の注意点
- 2 GethでETH1ノードを建てる
- 3 Infura.ioの使い方
- 3.1 Infuraのアカウントを作成する
- 3.2 プロジェクトを作成する
- 4 ETH2クライアントをインストールする
- 5 Beacon Nodeを起動する
- 6 Beacon Nodeが起動できずErrorとなる理由と対処法
- 6.1 ETH1エンドポイントの指定ミス
- 6.2 デポジットコントラクトの参照ミス
- 6.3 Error「Unable to process past logs query returned more than 10000 results」
- 6.4 Error「The filename, directory name, or volume label syntax is incorrect」
- 7 イーサリアム2.0アカウントをインポートする
- 8 イーサリアム2.0ウォレットを作成する
- 9 イーサリアム2.0ウォレットをバックアップする
- 10 バリデータノードを起動する
- 11 Error「could not open wallet: no wallet found」の対処法
*ローンチパッドでイーサリアム2.0のステーキングを行った後のバリデータ登録手続きとなります。まだ32ETHのステーキングを行ってない場合、「イーサリアム2.0ステーキングローンチパッドの使い方完全マニュアルデポジットコントラクトへ32ETHをステーキングする」を先に参照し、ステーキングの手続きを行ってください。
免責事項:ステーキングは自己責任で行ってください。操作ミスやペナルティによるスラッシュなどによるETH紛失などいかなる損失も保証はありません。メインネットで行う前に必ずPyrmontテストネットでの手順確認を行うこと
32ETHステーキングする手順の注意点
ステーキングを円滑にし、ペナルティを受けて32ETHがスラッシュされないためには下記手順で行うことを推奨します。
1.Gethをインストール
2.GethでFast同期 or Infura設定
3.ローンチパッドでデポジットデータとKeystoreを生成
4.Beacon Node起動
5.イーサリアム2.0ウォレット作成
6.バリデータノード起動
7.ローンチパッドでデポジットデータアップロード
8.32ETHステーキング
これらの手順を一度Pyrmontテストネットで行って、円滑にできればメインネットで32ETHをステーキングしましょう。
GethでETH1ノードを建てる
イーサリアム2.0のBeacon Nodeを起動する時、GethなどでETH1ノードを同時に起動しておく必要があります。現在Fast同期で130GBほど必要となり、同期に目安で~4時間ほどかかるので事前にGethの同期を行ってください。
出典:Etherscan – イーサリアムGeth Fast同期の容量
Gethのインストール手順については「イーサリアムKeystoreを安全に管理するGethでアカウントを作成する方法」を参照してください。
Infura.ioの使い方
また推奨されてませんが、イーサリアムノードのAPIを提供するInfuraなどを使用することもできます。ここではInfuraのアカウント発行について解説を行います。(Infuraは無料で使用可)
Infuraのアカウントを作成する
まずInfura公式にアクセスしてアカウントを作成しましょう。
Infura公式:https://infura.io/
アカウント作成にはメールアドレスとパスワードを入力して「Sign Up①」をクリックしましょう。
下記のように表示されたら登録したメールアドレスに届いた認証URLをクリックします。
プロジェクトを作成する
Infuraにログインすると、左のタブの「ETHEREUM②」をクリック、「Create a project③」をクリックします。
次にプロジェクト名を入力して、「create④」をクリック
ここではプロジェクト名をeth2にしました。下記画面をSETTINGで確認できればInfura側の手続きは終了です。ここで重要なのはエンドポイントであり、後のBeacon Nodeの起動で使用します。
ETH2クライアントをインストールする
ここでは簡単にPrysmのインストールスクリプトを使用します。Dockerで行う場合はDockerを事前にインストールしておく必要があり、コマンドなどが変わるの注意してください。Dockerのダウンロードや設定については「イーサリアム2.0 32ETHをステーキングしてETH2テストネットに参加するやり方マニュアル」を参照してください。
ここではWindows10をベースに解説を行いますので、Linuxとはコマンドが異なる点に注意が必要です。ではステーキング時と同様にまずコマンドプロンプトを開きます。Windows10等の場合、左下の検索バーから「cmd」と入力すると検索可能となっています。
まずカレントディレクトリを移動する必要があるので、