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dYdXのL2パーペチュアル取引の使い方RetroactiveMiningRewardsを得る手順

コンテンツの概要
文字数 : 約6,000文字

イーサリアム上のレバレッジDEXであるdYdXはUniswapから遅れること約1年、ガバナンストークンのDYDXをローンチしました。これまでのガバナンストークンと異なり、DYDXは給付金と呼ばれる“初期割当のRetroactive Mining RewardsをL2の広告費として使用しており、L2のパーペチュアル取引を利用することが前提となっているのです。
本稿では英語に不慣れ、またはdYdXやL2(レイヤー2)をはじめて使うユーザー向けに、L2パーペチュアルの使い方からDYDX報酬を得るまでのやり方について詳しく画像を用いて解説を行います。

コンテンツの主題
ポジション
仕組み
実演
目次
  • 1 レバレッジDEX”dYdX“とは?
  • 2 DYDXガバナンストークン
  • 3 L2パーペチュアル取引への移行
  • 4 Retroactive Mining Rewardsとは?
  • 5 DYDX給付金を確認するには?
  • 6 Trezorで署名する場合
  • 7 dYdX L2アカウントを作成する
  • 8 dYdX L2の事前準備
  • 9 Approveする
  • 10 証拠金をL2にデポジットする
  • 11 L2パーペチュアルでトレードする
    • 11.1 手数料に注意
    • 11.2 注文の切替
    • 11.3 注文をキャンセルする
    • 11.4 ポジションを清算の注意点
  • 12 DYDX報酬を確認する
  • 13 Retroactive Mining Rewardsの注意点
  • 14 Trading Rewardsとは?
  • 15 dYdX L2からUSDCを引き出す
    • 15.1 FastとSlowの違い
    • 15.2 Fast引出しの場合
    • 15.3 Slowの場合
  • 16 L2引出し状況を確認する

レバレッジDEX”dYdX“とは?

イーサリアムDeFiにおけるdYdXとはUniswapやCurve FinanceなどのAMM型とは異なる、DEX(非中央集権取引所)の一つで、DEX上でレバレッジをかけられることが特徴の一つです。

またUniswapとの違いは、流動性マイニングによってスワップ環境が成り立っているのに対し、dYdXでは仮想通貨取引所と同様に板取引で成り立っているという違いがあります。これはDeFiでレバレッジをかける場合には、FLI-ETH2のようなCompoundを活用する必要があるものの、気軽にレバレッジ取引ができるのです。

ETH2X-FLIについては墨汁マガジンVol.568「図解で理解するETH2X-FLIの仕組み レバレッジトークン発行と焼却手順」を参照してください。

 

DYDXガバナンストークン

dYdXはdYdX Trading Incが提供する、いわばイーサリアム上の仮想通貨取引所のようなものです。今回dYdXは新たにdYdX Foundationを設立、この設立に伴い流行りのガバナンストークンによる投資家への還元や収益としてガバナンストークン”DYDX”をローンチしました。

DYDXの使い道として、

 

ガバナンス

取引手数料の割引

 

です。

手数料の割引率は保有量で変動し、3%から最大で50%の割引を受けられるとされています。

出典:dYdX – dYdXにおけるDYDX保有割合での手数料割引

 

L2パーペチュアル取引への移行

dYdXにおけるネックだった点はそのガスの高さと署名です。2020年のDeFiブーム以降、フロントランニングにおけるMEV問題でガス代が高騰し、デポジットや引出しに非常に高いガスが必要となりました。

これは気軽に利用するのには問題があり、UniswapやCurve Financeのようなガスが高くても気軽にスワップできるDEXと異なり、ワンステップ必要で利便性が非常に悪かったと言えます。

またトレードの際に必要な署名も利便性を悪くした理由であり、これらを解決しつつブームに乗るためにL2パーペチュアルへの移行を推進しているのです。DYDXはL2パーペチュアルの取引量でClaimできる段階性となっていることから、L2移行促進の広告費であると言えるでしょう

Retroactive Mining Rewardsとは

DYDXはUniswapのUNIなどから遅れること1年、ついにガバナンストークンのDYDXをローンチしました。このローンチは他のガバナンストークン同様に、利用ユーザーに対して初期割り当てとなる“Retroactive Mining Rewards”が設定されています。

このRetroactive Mining Rewardsとは、2021年7月26日までにdYdZ Foundationが定める取引量を達成しているユーザーに対してDYDXを割あて、さらにL2への移行広告費として段階的に得られるDYDXを増やすという独自手法が取られています。

例えば4249.63DYDXの割り当ての場合、5000ドル以上の取引量をL2でしなければならず、8月末までに達成しない場合は没収されてコミュニティファンドへ送金されることになっているのです。

 

出典:dYdX Foundation – DYDX給付金の付与条件

 

DYDX給付金を確認するには?

ではDYDXの給付金が対象になっているか確認してみましょう。確認はL2アカウントを作成などが必要ですが、

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