イーサリアム上のDEXでは気軽にETHやUNI、CRVなどのトークンを売買できる一方、仮想通貨取引所と異なりデータの出力や税金計算を手軽にできないというデメリットがあります。またUniswapやCurve FinanceなどのDEXを使用して売買し、それらの税金計算を行う場合、AMM型のDEXの構造を理解して正しく計算しなければなりません。
本稿ではAMMとLPトークンの仕組みから、DEXを使用した場合の税金の計算を実例とともに、詳しく解説を行います。
- 1 DeFiの税金計算はCryptactかGtaxか?
- 2 UniswapなどのAMM特有の注意点
- 3 手数料計算の理由と利点
- 4 DeFiの手数料を計算する
- 4.1 Uniswapの流動性プールの特性
- 4.2 手数料の変動とその理由
- 5 実際のDeFi税金計算例
- 6 Etherscanのデータ取り込み
- 7 カスタムファイルの仕訳処理
- 8 Uniswap手数料の計算式
- 9 Uniswapの売却価格を算出する
免責事項:地域の税務署によって見解が異なる場合があります。不安な場合や納得できない場合、最寄りの税務署にて見解を尋ねることを推奨します。本講座での解説はあくまでDeFiの仕組みをベースに考慮した仕訳方法であり、税務署側の見解と異なる場合があります。
Uniswapと手数料の仕組みについては墨汁マガジンVol.471「図解で理解するUniswapのわかりやすい仕組みPt.2 Uniswap V2の手数料と利点」を参照してください。
DeFiの税金計算はCryptactかGtaxか?
まず重要となるのは、税金計算を行うためのサービスをどこにするかです。本サロンではCryptactをベースに今まで解説してきましたが、主なサービスにはGtaxとCryptactの2つが存在し、これらの損益計算サービスは2020年に有料化しました。価格としてはGtaxが月額プランを用意しているのに対し、Cryptactは年間ベースの課金となっているため、どうしても割高になってしまうという問題があります。
ですが、GtaxはDeFiに対応しておらず、入力の柔軟性などにも問題があります。対してCryptactはマネーフォワードなどの形式でのデータ出力に対応していないものの、UNIやCRVの時価を取得できるため計算の手間や取引数をさばくにはCryptactを選択すべきでしょう。
UniswapなどのAMM特有の注意点
DeFiの税金処理を行うには、DeFi自体の仕組みや利用するDEXなどを理解しておく必要があります。主にここで理解しておく必要がある点として、UniswapやCurve FinanceなどのAMM型のDEXにおいて