仮想通貨の投資家にとって、利益を出すだけではなく税金対策までできてこそ一流と言えると私は考えています。税金は知識のある人ほど有利となるものであり、トレードやファンダメンタルとはまた別の能力を必要としてます。本稿では、墨汁うまいが今までの会社経営で得たノウハウや知識、実際に行った決算の仕訳内容や節税の裏話などを例とともに詳しく解説。
脱税ではなく、合法的に企業や個人事業主が行っている租税回避の例について解説するだけでなく、後編ではマイニングの仕訳例やインターネット上では見られない話などを学べます。
約7,000文字 約13ページ
- 1 1.確定申告と決算の基礎知識
- 1.1 1-1.確定申告を行うには?
- 1.2 1-2.確定申告もフィンテックの時代
- 2 2.仮想通貨取引上の経費計上
- 2.1 2-1.領収書がない場合も計上可能
- 2.2 2-2.仮想通貨で経費計上できるもの
- 2.2.1 2-2-1.減価償却と特例
- 2.2.2 2-2-2.一部計上
- 3 3.法人における利点
- 3.1 3-1.給料計上と各種税金
- 3.2 3-2.事業所得と雑所得
- 3.2.1 3-2-1.事業所得と赤字繰越という”穴”
- 3.2.2 3-2-2.経費計上面
- 3.2.3 3-2-3.車を購入する際の注意点と減価償却
- 4 4.法人の欠点
免責事項:本講座は企業や投資家が行っている租税回避や節税の手法を紹介しており、租税回避を勧めるものではありません。実際に行う場合はあくまで参考としてということ、自己責任という点に事前に了承ください。
1.確定申告と決算の基礎知識
まず、税金対策をするには基礎知識が必要となるので、わかりやすく紹介します。まず第一に知るべきことは、法人と個人の差です。基本的に日本の税方針として、
「企業の税負担は安く、個人は高く」
という風になっており、法人では維持費がかかるものの税率や経費面において有利であり、税理士を通すことである程度の融通が効くものとなっています。
1-1.確定申告を行うには?
まず確定申告には2種類あり、複式簿記で帳簿をつける青色申告と白色申告があります。前者は白色より手間はかかるものの節税という面において有利ですが、今期で行うには2018年3月15日までに申請が必要であるため(一度目のみ)、今年から確定申告をする場合には注意が必要です。
確定申告の詳しいやり方についてはネット上で多く公開されているので、ここでは墨汁の会社で使用しているソフトについて軽く触れていきたいと思います。現在はフィンテックの時代であり、俗にいう取引の分類を行う「事業仕分け」もクラウド化により、簡単に行うことができる時代になっています。
例えば、今までは経費に計上するための領収などは手打ちであり、項目はまだいいにしても数字の入力ミスをすると最終的な残高が合わないなどの大きな時間ロスがあったものの、現在はデータが取れるものは企業として提携しており、自動化が大幅に進んでいます。
1-2.確定申告もフィンテックの時代
私の使用しているソフトはクラウドベースのMFクラウド会計です。クラウド会計ソフトは数多く存在しますが、インターフェイスの使いやすさや価格の安さなどにより使用しています。50件以内の取引は無料で、それ以上仕分けしたい場合は月800円となります。例えば、1~2ヶ月で一気に済ませる場合は1600円で済むことになります。(法人で取引量が多い場合は年間契約で1ヶ月無料)
例えば、経費の支払いはほとんどがクレジットで行うことができ、クレジットでまとめることですべての支払情報が仕分け項目として読み込まれます。実際の画面を見てみましょう。