イーサリアムやZcashのマイニングの確定申告or決算は非常に複雑であり、その構造を理解していないと取られている手数料を計上できないことになります。これは本来計上できる経費を計上しないことになるので、税金面において損をすることになります。対して、インターネットで調べてもほとんどは自分で確定申告をしたことがないアフィリエイト記事が目にはいってくるでしょう。
本稿では、実際にイーサリアムマイナーである墨汁うまいが行う経費計算や計上について、詳しく解説し、手数料計上漏れのないようにイーサリアムとZcashを例に解説。
また、考え方の難しいプール手数料やマイニングツールのClaymore手数料やZEC特有のものなども触れています。本稿に関する疑問は本サロン専用Slackの #税金と規制雑談 にて受け付けています。
- 1 1.マイニングの決算または確定申告
- 1.1 1-1.マイニングの税金対策の利点 GPUやPSUの売却
- 1.2 1-2.課税対象の計算
- 2 2.マイニング報酬の決算または確定申告
- 2.1 2-1.Etherscanからデータをダウンロード
- 2.2 2-2.ExcelがないPCでcsvファイルを開く方法
- 2.3 2-3.ExcelでUTCから日本時間への変換
- 3 3.必要なトランザクション情報を記入
- 3.1 3-1.マイニング報酬の計上
- 3.2 3-2.データをソートする
- 4 4.マイニングプール手数料を計算して経費として計上
- 4.1 4-1.Ethermineの1%プール手数料を追加する
- 4.2 4-2.手数料計算
- 5 5.Claymore Dual Minerの手数料の計上
- 5.1 5-1.ClyamoreのDevfeesの考え方
- 5.2 5-2.手数料計算
- 5.3 5-3.ClaymoreでDualマイニングしている場合の手数料に注意
- 5.4 5-4.経費計上
- 6 6.1ETH以下のペイアウト手数料0.001ETH
- 7 7.ZECの場合の手数量
- 8 8.マイニングの電気代
1.マイニングの決算または確定申告
イーサリアムマイニングは節税対策と相性がよく、大幅な価格下落とコンスタンティノープルのマイニング報酬減少となるEIP-1234により国内では撤退が相次ぐことになるでしょう。税金講座のVol.2で紹介したマイナーの取るべき行動を前提に、ここでは仕分けや考え方について解説を行います。
1-1.マイニングの税金対策の利点 GPUやPSUの売却
まずマイニングの撤退の場合には、中古売却価格の安定しているGPUやPSU(電源)は売却して初期投資分を回収することができます。実はこの売却は税金対策にとって非常に重要な役割を果たし、この場合個人や法人では大きな差がでることになります。
例えば、ETHマイニングで一般的であったGTX1060 6GBを30,000円で購入したとし、20,000円で30枚中古売却したとします。
その時
30,000 * 30 – 20,000 * 30 = -300,000円
つまり、初期投資の90万円に対して60万円を回収できるので、34%の資産の”マイナス”となります。
この30万円は