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テクニカル分析講座Vol.2 ビットコイン市場構造を理解し、チャート分析力を向上する

コンテンツの概要

ビットコインでテクニカル分析を行う際、株やFXとは違う”仮想通貨の特性”を考慮する必要があります。そのため、ファンダメンタルとテクニカルを融合したトレード分析は大きなアドバンテージを生むことになり、ビットコイン市場を理解することは仮想通貨投資において、短期も長期も重要な戦略となっています。
本稿では基本的な取引の概念を理解し、市場の群衆心理を理解することでテクニカル分析のスキルを向上させることを目的に解説。

目次
  • 1 1.市場の構造を理解する
    • 1.1 1-1.信用取引と限られた現物の重要な関係
    • 1.2 1-2.”清算”を考慮する
    • 1.3 1-3.現物需要を推測する
  • 2 2.市場のトレンド転換点をデータから予測する
    • 2.1 2-1.需要と供給で成り立つ市場
    • 2.2 2-2.実戦利用とテクニカルの基礎を理解する
  • 3 3.ビットコイン特有のファンダメンタルを考慮する
    • 3.1 3-1.ビットコインの実需要
    • 3.2 3-2.取引所が困っている現物問題

1.市場の構造を理解する

信用取引はゼロサム(合計が0)取引です。bitFlyerを例に考えるのが最もわかりやすいでしょう。

bitFlyerは左から順に

 

①現物:BTC/JPY

②信用:BTC-FX/JPY

③先物:BTC/JPY-24AUG2018

 

となっています。資産としてウォレットや他取引所に送金できるのは①の現物のみで、残りの②と③はbitFlyerに資産を預けることで、その資産以上の取引を行える”信用取引”となります。③の先物は決められた日付に①の現物価格で強制決済されるものの、通常の先物はビットコイン現物をそのまま買うことができるのに対し、bitFlyerの場合はポジションが清算されるだけのため、FXと同じ差金決済取引(CFD)となります。

FXは決済日が存在しない取引で、差金決済を行うビットコインの”金融派生商品”になります。

通常USD最大の取引所Bitfinexでは、①の現物取引で信用取引を行えるものの、bitFlyerは全く別の取引を提供しているため、②のbitFlyer FXはビットコインではありません。

つまり①の現物取引は必ずビットコイン現物が

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