イーサリアム上での金融”DeFi”では、ETHやステーブルコインなどのERC20トークンを運用することで、高配当ETFの年間利回りを有に超える不労所得を得ることができます。一方でDeFiは2020年に入り、イーサリアム2.0のステーキングや流動性マイニング、イールドファーミングや担保、レンディングなど多岐にわたる運用をすることが可能となりました。
その一方、年利100%を超える超ハイリスク・ハイリターンなものが乱立しており、なかでは年利1000%を超えるものもあります。それらの多くはバグや脆弱性、攻撃を受けています。さらに価格変動やインパーマネントロスによる損失など、ハイリスクでもあるためDeFi上の運用は注意と知識が必要といえるでしょう。
本稿ではDeFi上でローリスク・ハイリターンを実現する墨汁うまいが考える運用戦略について、実例と図解を用いて詳しく解説を行います。
- 1 イーサリアムでの不労所得
- 2 DeFi上のリスクとリターン
- 3 流動性マイニングはローリスク・ハイリターンか?
- 4 ベストなDeFi運用方法
- 5 DeFiでの根本的なリスクとはなにか?
- 6 市場の歪みの鞘取り
- 7 運用戦略のポイント
- 8 実質利回りとかかるコスト
- 9 運用選択肢は好きに選べる
- 9.1 安定した複利
- 9.2 イールドファーミング
- 9.3 レンディング
- 10 ポイントは”低リスク”
イーサリアムでの不労所得
イーサリアム上の金融、通称”DeFi”では、ETHやERC2oトークン、USDCやDAIなどのステーブルコインをDeFiコントラクトで運用することで、高い年間利回りを持つ不労所得を得ることができることが特徴です。
さらに2020年12月1日にイーサリアム2.0のBeacon Chainが開始したことで、32ETHをステーキングすることでバリデータ報酬を得ることができます。イーサリアム上での運用にはほかのアルトコインではできない下記のように幅広い選択肢があることになります。
・レンディング
・流動性マイニング
・イールドファーミング
・コントラクト投資信託
・レバレッジDEX
・担保の借入
・イーサリアム2.0ステーキング
イーサリアム2.0ステーキングのやり方についてはリサーチレポート「イーサリアム2.0ステーキングのやり方 ローンチパッドの使い方完全マニュアル」を参照してください。
DeFi上のリスクとリターン
ではイーサリアム上で運用を行う場合、ローリスク・ハイリターンとなる運用方法はどれでしょうか?イーサリアム2.0では現時点では得られたバリデータ報酬を引出して売却することができないため、長期的な運用ということになるためここでは省きます。
まず最もリスクが高いものとしてはレバレッジDEXなどでのトレードだと言えるでしょう。これは単純にトレードでの勝率をあげていく必要があり、誰もができる再現性が高いものではないため、”安全な運用”という側面から見ると選択肢には入らないことがわかります。
またMaker DAOやCompoundによる借入はYearn FinanceのyETHのような戦略を取る場合に利用することは選択肢の一つでありますが、マニュアルの場合はガス代の推移との戦いであるため、”ローリスク”ではないと言えるでしょう。
yETHとガス代の問題については墨汁マガジンVol.479「図解で理解するYearn Financeのわかりやすい仕組みPt.3 yETHのリスクを理解する」を参照してください。
流動性マイニングはローリスク・ハイリターンか?
これはYESでありNOとなります。なぜかというとDeFiは現状あふれるプロジェクト数に対し、売買需要(出来高)が低いという問題があります。この例としてUniswapのETHUSDCなどのステーブルペアの流動性マイニングがあります。
このペアではETHとUSDCを同価値分デポジットし、市場価格の変動に合わせてトレーダーがプールを使用してETHとUSDCをスワップすることで、そのとき支払う手数料を報酬として得るというものです。
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