最新の墨汁マガジン

Arbitrumの使い方完全マニュアルMetamaskの設定とArbitrumOne(L2)でDeFiを使用するやり方

コンテンツの概要
文字数 : 約6,000文字
ページ数 : 約25ページ

イーサリアムは今後ETH2とL2(Layer2)を活用したスケーリングによりさらに巨大なエコシステムを形成していきます。イーサリアムエコシステムの一つであるOptimistic Rollupを採用したL2のArbitrum Oneがベータローンチし、UniswapやCurve Financeなどの多くのDeFiを実際に利用することができるようになりました。
本稿ではイーサリアムメインネットであるL1からL2であるArbitrum OneへETHやERC20トークンをデポジットしたり、Arbitrum One上のDeFiを実際に触るためのArbitrum Bridgeの使い方、Metamaskでの設定のやり方や使い方について詳しく解説を行います。

コンテンツの主題
仕組み
実演
開発
目次
  • 1 Arbitrumとは?
  • 2 Arbitrum One上のDeFiプロジェクト一覧(追記)
  • 3 対応ERC20トークン
  • 4 Arbitrumに今後対応するDeFi一覧
  • 5 ArbitrumのICOと資金調達
  • 6 UIのアップデート(追記)
  • 7 Arbitrumの仕組み
  • 8 Arbitrum Bridgeに接続する
  • 9 ETHをArbitrumにデポジットする
  • 10 L2ETHデポジットを確認する
  • 11 ERC20トークンをArbitrumにデポジット
    • 11.1 Approve
    • 11.2 ERC20トークンの入金コントラクト
  • 12 MetamaskにArbitrumを追加する
  • 13 MetamaskでArbitrsum Oneに切り替える
  • 14 ArbitrumでDeFiを使用するには?
    • 14.1 Curve Financeの場合
    • 14.2 Arbitrum Oneに切り替え
    • 14.3 Uniswapの場合
  • 15 墨汁うまいに質問する

*2021年9月28日に本Arbitrum使い方マニュアルは最新UIに対応しました

 

Arbitrumとは?

Arbitrumとは2021年9月にイーサリアムメインネットにローンチしたL2(Layer 2)プロジェクトで、L2のコア技術としてPlasmaやState Channelと異なる”Rollup”を使用したイーサリアムのスケーリングソリューションです。ArbitrumはRollupのなかでもOptimistic Rollupという技術を採用しており、UniswapがデプロイしたOptimismと同様の技術ということです。

ArbitrumはBSCやPolygon(Matic Network)と異なり、L2となっているためArbitrumが安全であることを前提としますが、ガスの安さやL1(イーサリアム)のコントラクトをそのまま使用できるという利点があります。

 

Arbitrumが使用しているL2技術のRollupについては墨汁マガジンVol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組み イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」を参照してください。

 

Arbitrum One上のDeFiプロジェクト一覧(追記)

Arbitrum Oneはイーサリアムメインネットにローンチしていますが、ベータ版となっている点に注意が必要です。一方でArbitrum Oneには数多くのDeFiプロジェクトがデプロイリクエストを行っており、すでに大半のL1にあるDeFiを使用できる状態となっています。

現時点でArbitrumで使える主要DeFiプロジェクトは

 

・Uniswap

・Curve Finance

・Balancer

・1inch(追加)

・Maker DAO(追加)

・Zapper

 

となっています。

 

対応ERC20トークン

またDeFiに必須となる各ERC20トークンのコントラクト対応状況は

 

・WBTC

・USDC

・USDT

・DAI

・CRV(Curve Finance)

・UNI(Uniswap)

・COMP(Compound)

・YFI(Yearn Finance)

・BAL(Balancer)

 

 

などとなっており、ほとんどの主要トークンはArbitrum上でUniswapなどを介して売買できる状態です。

 

Arbitrumに今後対応するDeFi一覧

現時点でまだコントラクトがデプロイされていないものの、今後近いうちに対応するDeFiプロジェクトは下記のものがあります。

 

・Compound

・Aave

・Instadapp

・Renbridge(renVM)

 

などで、今後も増えていくことになるでしょう。

 

ArbitrumのICOと資金調達

Arbitrumを開発するのはOffchain Labsというチームによって行われてろい、現時点でArbitrumのICOは行われていません。これはArbitrumはEVMをそのまま導入しているため

 

「コントラクトを動かすのに使用するのはL1と同じETH」

 

だからです。

Offcain LabsはレンディングのCompoundやCoinaseベンチャー、パンテラキャピタルなどからすでに1.2億ドル以上を資金調達しています。そのためArbitrumを使用するにはガスのためのETHとERC20トークンを別々にデポジットする必要があります。

 

UIのアップデート(追記)

2021年9月24日前後にArbitrum BridgeのUIが大幅に変更されました。これによりERC2oトークンのブリッジなどがよりわかりやすくなり、Arbiscanやメインネットとテストネットなどのエクスプローラーにアクセスしやくなっています。

一方でArbitrum Oneの追加やイーサリアムメインネットからArbitrumへの切り替えが若干面倒になっています。

 

Arbitrumの仕組み

ArbitrumはRollupの中でもOptimisitc Rollupという技術を採用しています。Arbitrumの仕組みは図解で詳しく解説しているので、下記マガジンを参照してください。

 

墨汁マガジンVol.565「L2の3つのコア技術RollupとPlasma、ステートチャンネルの利点と欠点を理解する」

墨汁マガジンVol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.1 イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」

墨汁マガジンVol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」

 

Arbitrum Bridgeに接続する

まずArbitrum上でDeFiを使用するにはETHを先にデポジットする必要があります。Arbitrumの使用にはArbitrum Birdge

*ここから先はオンラインサロン会員専用です