イーサリアムは今後ETH2とL2(Layer2)を活用したスケーリングによりさらに巨大なエコシステムを形成していきます。イーサリアムエコシステムの一つであるOptimistic Rollupを採用したL2のArbitrum Oneがベータローンチし、UniswapやCurve Financeなどの多くのDeFiを実際に利用することができるようになりました。
本稿ではイーサリアムメインネットであるL1からL2であるArbitrum OneへETHやERC20トークンをデポジットしたり、Arbitrum One上のDeFiを実際に触るためのArbitrum Bridgeの使い方、Metamaskでの設定のやり方や使い方について詳しく解説を行います。
- 1 Arbitrumとは?
- 2 Arbitrum One上のDeFiプロジェクト一覧(追記)
- 3 対応ERC20トークン
- 4 Arbitrumに今後対応するDeFi一覧
- 5 ArbitrumのICOと資金調達
- 6 UIのアップデート(追記)
- 7 Arbitrumの仕組み
- 8 Arbitrum Bridgeに接続する
- 9 ETHをArbitrumにデポジットする
- 10 L2ETHデポジットを確認する
- 11 ERC20トークンをArbitrumにデポジット
- 11.1 Approve
- 11.2 ERC20トークンの入金コントラクト
- 12 MetamaskにArbitrumを追加する
- 13 MetamaskでArbitrsum Oneに切り替える
- 14 ArbitrumでDeFiを使用するには?
- 14.1 Curve Financeの場合
- 14.2 Arbitrum Oneに切り替え
- 14.3 Uniswapの場合
- 15 墨汁うまいに質問する
*2021年9月28日に本Arbitrum使い方マニュアルは最新UIに対応しました
Arbitrumとは?
Arbitrumとは2021年9月にイーサリアムメインネットにローンチしたL2(Layer 2)プロジェクトで、L2のコア技術としてPlasmaやState Channelと異なる”Rollup”を使用したイーサリアムのスケーリングソリューションです。ArbitrumはRollupのなかでもOptimistic Rollupという技術を採用しており、UniswapがデプロイしたOptimismと同様の技術ということです。
ArbitrumはBSCやPolygon(Matic Network)と異なり、L2となっているためArbitrumが安全であることを前提としますが、ガスの安さやL1(イーサリアム)のコントラクトをそのまま使用できるという利点があります。
Arbitrumが使用しているL2技術のRollupについては墨汁マガジンVol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組み イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」を参照してください。
Arbitrum One上のDeFiプロジェクト一覧(追記)
Arbitrum Oneはイーサリアムメインネットにローンチしていますが、ベータ版となっている点に注意が必要です。一方でArbitrum Oneには数多くのDeFiプロジェクトがデプロイリクエストを行っており、すでに大半のL1にあるDeFiを使用できる状態となっています。
現時点でArbitrumで使える主要DeFiプロジェクトは
・Uniswap
・Curve Finance
・Balancer
・1inch(追加)
・Maker DAO(追加)
・Zapper
となっています。
対応ERC20トークン
またDeFiに必須となる各ERC20トークンのコントラクト対応状況は
・WBTC
・USDC
・USDT
・DAI
・CRV(Curve Finance)
・UNI(Uniswap)
・COMP(Compound)
・YFI(Yearn Finance)
・BAL(Balancer)
などとなっており、ほとんどの主要トークンはArbitrum上でUniswapなどを介して売買できる状態です。
Arbitrumに今後対応するDeFi一覧
現時点でまだコントラクトがデプロイされていないものの、今後近いうちに対応するDeFiプロジェクトは下記のものがあります。
・Compound
・Aave
・Instadapp
・Renbridge(renVM)
などで、今後も増えていくことになるでしょう。
ArbitrumのICOと資金調達
Arbitrumを開発するのはOffchain Labsというチームによって行われてろい、現時点でArbitrumのICOは行われていません。これはArbitrumはEVMをそのまま導入しているため
「コントラクトを動かすのに使用するのはL1と同じETH」
だからです。
Offcain LabsはレンディングのCompoundやCoinaseベンチャー、パンテラキャピタルなどからすでに1.2億ドル以上を資金調達しています。そのためArbitrumを使用するにはガスのためのETHとERC20トークンを別々にデポジットする必要があります。
UIのアップデート(追記)
2021年9月24日前後にArbitrum BridgeのUIが大幅に変更されました。これによりERC2oトークンのブリッジなどがよりわかりやすくなり、Arbiscanやメインネットとテストネットなどのエクスプローラーにアクセスしやくなっています。
一方でArbitrum Oneの追加やイーサリアムメインネットからArbitrumへの切り替えが若干面倒になっています。
Arbitrumの仕組み
ArbitrumはRollupの中でもOptimisitc Rollupという技術を採用しています。Arbitrumの仕組みは図解で詳しく解説しているので、下記マガジンを参照してください。
墨汁マガジンVol.565「L2の3つのコア技術RollupとPlasma、ステートチャンネルの利点と欠点を理解する」
墨汁マガジンVol.604「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.1 イーサリアムL2としてRollupが重要視されている理由」
墨汁マガジンVol.606「図解で理解するL2″Rollup”の仕組みPt.2 zkRollupとOptimistic Rollupの違いと利点」
Arbitrum Bridgeに接続する
まずArbitrum上でDeFiを使用するにはETHを先にデポジットする必要があります。Arbitrumの使用にはArbitrum Birdge