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墨汁マガジンVol.381「イーサリアム上のDeFiフラッシュローンはハッキングなのか?攻撃が起きた理由と詳しい概要」

目次

    イーサリアム上のDeFiにおいて、フラッシュローン(Flash Loan)という言葉をよく聞き、”DeFiのハッキング”という誤った認識があります。本稿ではDeFiのフラッシュローンと、今回レバレッジDEXのFulcrum(bZx)がどのような形でフラッシュローンを利用されたのかについて解説し、対策と今後についても詳しく解説を行います。

     

    フラッシュローン(Flash Loanとは?)

    フラッシュローンとは、簡単に言えばイーサリアム上の1つのトランザクションで借入と返済を同時にし、レンディングで生じる金利を一切支払わずに完結することでガス代のみを消費したデフォルトリスク0のローンを指します。これはハッキングではなくイーサリアムの特性とDeFiのカウンターパーティーリスクを利用したスマートな市場操作であり、一連の動きはコントラクトによって行われたことが下記トランザクションでわかります。

     

     

    出典:https://etherscan.io/tx/0xb5c8bd9430b6cc87a0e2fe110ece6bf527fa4f170a4bc8cd032f768fc5219838

     

    ここではトランザクションからわかるようにbZx(Fulcrum)とCompound、Uniswap、Kyberを利用、つまりDeFi全体を利用したフラッシュローンの攻撃となります。フラッシュローンでのポイントはイーサリアムの特性を利用したものです。順を追って見ていきましょう

    イーサリアム上でのフラッシュローンの利点と特性

    フラッシュローンでは、

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