- 1 BlockFiのこれまでの経緯解説一覧
- 2 BlockFiとFTXの合意
- 3 BlockFiとFTXの合意の内容を理解する
- 4 BlockFi返金は100%になる?
- 5 3回目の返金と今後のスケジュール予想
- 6 まとめ
当時仮想通貨取引所最大手の1つであったFTXの連鎖倒産で破産したBlockFi(ブロックファイ)は約1年と半年かけてFTXと合意に至りました。これはBlockFi債権者側に大きなアドバンテージとなり、またFTXの債権者にも非常に大きなニュースであり資産返金の大きな一歩と言えるでしょう。
本稿ではBlockFi債権者向けに今後の返金と考えられるスケジュールについてわかりやすく解説を行います。
BlockFiのこれまでの経緯解説一覧
Vol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」
Vol.786「First Day Motionとは?BlockFi破産後初のチャプターイレブン破産審理の重要ポイント」
Vol.787「BlockFi/Voyager Digital/セルシウスのチャプターイレブン破産申請後の現状と違いを理解する」
Vol.794「FTX/BlockFi/Voyager/セルシウス債権者はどれだけ仮想通貨の返済を受けられるのか?」
Vol.798「BlockFiの破綻理由を破産裁判資料から理解する 仮想通貨企業が抱える共通リスク」
Vol.801「BlockFiのBIAからWalletへの引出し無効に対する反対申立ての根拠と現状は?」
Vol.803「チャプターイレブンのクローバック(Clawback)とは?Preferencesとコード547節」
Vol.825「BlockFiから債権者への書類郵送 今後の対応と住所やアドレス変更をするには?」
Vol.833「【2023年3月最新】破産したBlockFi(ブロックファイ)の再建状況 SVB破綻影響やProof of Claim締切など」
Vol.836「BlockFi(ブロックファイ)BIA→ウォレット引き出し論争の現状 和解は可能か?」
Vol.852「BlockFiのチャプターイレブン再生計画を理解する チャプターセブンと(清算)との比較と問題点とは?」
Vol.870「破産したBlockFi(ブロックファイ)が抱える大きな問題と再生プランへの影響」
Vol.872「BlockFiウォレットアカウントの引き出し開始の条件とClawback問題 妨害するUCCの真意は?」
Vol.891「BlockFiのチャプターイレブン再生プランに投票すべきか?プランの変更点とポイントを理解する」
Vol.893「Convenience Claimとは?注意が必要なBlockFiのEBallotを使用したチャプターイレブン再生プランの投票」
BlockFiとFTXの合意
破産した仮想通貨レンディングのBlockFiはFTXと複雑な関係によりチャプターイレブン処理が難航した仮想通貨企業の一つでもあると言えます。そんな両社は2023年末からMediation(仲介)を行っており、訴訟へと発展していた6.9億ドル(1041億円)の担保となっていたロビンフッド株やFTXからBlockFiに対する債権(Proof of Claim)、その他争いとなっていた請求などの話し合いが重ねられてきました。
基本的にMediationは失敗することが多かった中、BlockFiとFTXは1年半後に合意へと至り、
・FTXのBlockFiに対する全請求の棄却
・BlockFiのFTXに対する債権請求
というBlockFiのほぼ全面勝利という形式で合意に至ったのです。
これはFTXが理由で倒産したBlockFiにとって破産後初のポジティブなニュースであるといえ、FTXの債権額が全額払われる予定であることからBlockFi債権者にとって債権額100%の返金の可能性が浮上しているということになります。
BlockFiとFTXの合意の内容を理解する
ではこれらの合意がどのような影響を与えるのかについて見ていきましょう。まずこの合意における重要なポイントはBlockiFiの主張がほぼ全面的に認められたということであり、大きなポイントとしては
1.Alameda