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墨汁マガジンVol.891「BlockFiのチャプターイレブン再生プランに投票すべきか?プランの変更点とポイントを理解する」

目次
  • 1 BlockFiのチャプターイレブン解説一覧
  • 2 BlockFiの再生プランを裁判所が認可
  • 3 BlockFiの再生プランに投票すべきか?
  • 4 BlockFi再生プランの変更点を理解する
  • 5 自己清算と保有仮想通貨の分配
  • 6 返金される仮想通貨はいつのものか?
  • 7 Preference Waiversとウォレット引出し
  • 8 Avoidance Actionsの適応
  • 9 DIPの終了及びWind Down Trusteeの任命
  • 10 UCCがBlockFiと和解した理由
  • 11 まとめ

破産した仮想通貨レンディングのBlockFiは米連邦破産法11条、通称チャプターイレブン(Capter 11)を脱するための再生プランと公開声明(Disclosure Statement)が米ニュージャージー州連邦破産裁判所により認可されました。これによりBlockFiの債権者はこの再生プランを受け入れるかの投票を9月11日までに行う必要があります。

本稿ではBlockFiの提案された再生プランの詳細と債権者が受け入れの投票を行うべきなのかについてわかりやすく解説を行います。

 

BlockFiのチャプターイレブン解説一覧

 

Vol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」

Vol.786「First Day Motionとは?BlockFi破産後初のチャプターイレブン破産審理の重要ポイント」

Vol.787「BlockFi/Voyager Digital/セルシウスのチャプターイレブン破産申請後の現状と違いを理解する」

Vol.794「FTX/BlockFi/Voyager/セルシウス債権者はどれだけ仮想通貨の返済を受けられるのか?」

Vol.798「BlockFiの破綻理由を破産裁判資料から理解する 仮想通貨企業が抱える共通リスク」

Vol.801「BlockFiのBIAからWalletへの引出し無効に対する反対申立ての根拠と現状は?」

Vol.803「チャプターイレブンのクローバック(Clawback)とは?Preferencesとコード547節」

Vol.825「BlockFiから債権者への書類郵送 今後の対応と住所やアドレス変更をするには?」

Vol.833「【2023年3月最新】破産したBlockFi(ブロックファイ)の再建状況 SVB破綻影響やProof of Claim締切など」

Vol.836「BlockFi(ブロックファイ)BIA→ウォレット引き出し論争の現状 和解は可能か?」

Vol.852「BlockFiのチャプターイレブン再生計画を理解する チャプターセブンと(清算)との比較と問題点とは?」

Vol.870「破産したBlockFi(ブロックファイ)が抱える大きな問題と再生プランへの影響」

Vol.872「BlockFiウォレットアカウントの引き出し開始の条件とClawback問題 妨害するUCCの真意は?」

Vol.891「BlockFiのチャプターイレブン再生プランに投票すべきか?プランの変更点とポイントを理解する」

Vol.893「Convenience Claimとは?注意が必要なBlockFiのEBallotを使用したチャプターイレブン再生プランの投票」

 

BlockFiの再生プランを裁判所が認可

2023年8月2日、ニュージャージー州連邦破産裁判所はBlockFiが二度目に提出した再生プラン(Recovery Plan)及び公開声明(Disclosure Statement)を条件付きで承認しました。この背景には清算となるチャプターセブンへの移行を強く示していたUCC(無担保債権者委員会)との”合意”が元となっており、仲介者(Midiator)を入れた交渉が決裂した後に両者合意したという形となっています。

 

出典:Kroll – BlockFiの再生プランと公開声明の条件付き認可

 

この破産裁判所の認可によりBlockFiの債権者はウォレット残高を持つユーザー以外の対象のユーザーはこの”チャプターイレブン再生プランを受け入れるかの投票”を9月11日までにする必要があるのです。

BlockFiの再生プランに投票すべきか?

まず結論から言うと、

 

「BlockFi債権者はこの再生プランに反対するとさらなる損失と資産引出しのさらなる時間を被ることになるため、必ず支持する方に投票すべきである」

 

といえるでしょう。

これは反対していたUCCも支持する方に投票をするように促している通り、再生プランが否決されると債権者は損をする一方だからです。その理由としては

 

「再生プランが否決された場合、

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