- 1 チャプターイレブンの解説一覧
- 2 4月19日にウォレット論争の話し合い
- 3 債務者とUCC、Ad Hoc Committeeで分かれる意見
- 4 考えられるBlockFiのウォレット論争の結末は?
- 5 BlockFiの和解は可能か?
- 6 論争の経緯
- 7 Section 541 – Property of the estate
- 8 BlockFiは情報を開示せず
- 9 まとめ
破産した仮想通貨レンディング企業のBlockFi(ブロックファイ)はAd Hoc CommitteeとUCC(無担保債権者委員会)とBIA(レンディングアカウント)とウォレットへの引き出しにおける「プラットフォーム停止時間(Platform Pause)」について依然として意見が分かれており、クローバック(Clawback)の可能性が残されている状態です。
本稿では今後のBlockFiの再建において2022年11月11日のBlockFiの主張する「プラットフォーム停止」後にBIAからウォレットへ引き出したユーザーがどうなるのかの現状と考えられる具体的な解決についてわかりやすく解説を行います。
チャプターイレブンの解説一覧
Vol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」
Vol.786「First Day Motionとは?BlockFi破産後初のチャプターイレブン破産審理の重要ポイント」
Vol.790「仮想通貨企業はなぜ再建が難しいのにチャプターイレブンを申請するのか?」
4月19日にウォレット論争の話し合い
債務者であるBlockFiは2022年11月28日に破産申請後に
「ウォレット残高は破産財産ではなく債権者にならない」
とし、出金の許可を求める申請を年末年始にかかる際どい期間に提出。この件について数多くの反対申し立てが提出され、意見が大きく分かれている状態です。これに伴いBlockFiは2023年4月19日にこのウォレット問題についての話し合いを行うことを2023年3月8日に発表しています。
出典:Kroll – BlockFiからのウォレット引き出しに関するステートメント
債務者とUCC、Ad Hoc Committeeで分かれる意見
ここで現在BlockFiの問題となっているのは債務者が
「2022年11月11日にTwitter上で発表した引き出し停止は全てのプラットフォーム停止しており、その後にBIAからウォレットに引き出しても無効」
という主張です。
対してAd Hoc Committeeではチャプターイレブンにおいて債権を確定するのは破産申請の28日であり、Deferred 1031の状況からみてもBlockFiが嘘をついている可能性が高く、このようなBlockFiの主張は無効であるという反対申し立てをしている状態です。対してUCC(無担保債権者委員会)はこれらの「BlockFi停止時間」ではなくクローバック(Clawback)で引き出しされたものを破産財産とみなすと主張しているのです。
BlockFiの矛盾とDeferred 1031については墨汁マガジンVol.801「BlockFiのBIAからWalletへの引出し無効に対する反対申立ての根拠と現状は?」を参照してください。
考えられるBlockFiのウォレット論争の結末は?
従って4月19日にはこれら3者の主張がどうなるかをニュージャージー破産裁判所がヒアリングをするということになります。
現状でBlockFiのウォレット論争の結末は予想することができ、
「BlockFi