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墨汁マガジンVol.790「仮想通貨企業はなぜ再建が難しいのにチャプターイレブンを申請するのか?」

目次
  • 1 チャプターイレブンの解説一覧
  • 2 清算型のチャプターセブン(Chapter 7)
  • 3 チャプターイレブンイレブンのメリット
  • 4 チャプターセブンの大きなデメリット
  • 5 チャプターイレブンの例から見る今後
  • 6 チャプターイレブンのMotionとプロセス
  • 7 チャプターイレブンの一番のデメリット
  • 8 まとめ

FTXやBlockFi、さらにはセルシウスのような仮想通貨取引所や仮想通貨レンディング企業は資金繰り悪化により破綻、米国連邦倒産法におけるチャプターイレブンの申請をして破産しています。

一方でこのチャプターイレブンは「再建型の破産方法」であり、FTXのような巨額の資金整理が必要な例や、セルシウスのような杜撰な管理による巨額損失、BlockFiのようにFTXに対する巨額エクスポージャーのようにどのケースも「再建してビジネスを続けることが難しい」にもかかわらず、チャプターイレブンを申請しているという疑問が浮かぶでしょう。

本稿ではなぜ再建が難しい仮想通貨企業がチャプターイレブンを申請するのか、チャプターイレブンを申請するとどのような利点があるのかについてわかりやすく解説を行います。セルシウスの再建が難しい理由については墨汁マガジンVol.787「BlockFi/Voyager Digital/セルシウスのチャプターイレブン破産申請後の現状と違いを理解する」を参照してください。

チャプターイレブンの解説一覧

 

Vol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」

Vol.786「First Day Motionとは?BlockFi破産後初のチャプターイレブン破産審理の重要ポイント」

Vol.790「仮想通貨企業はなぜ再建が難しいのにチャプターイレブンを申請するのか?」

Vol.803「チャプターイレブンのクローバック(Clawback)とは?Preferencesとコード547節」

Vol.809「チャプターイレブンのProof of Claim(債権証明/債権届出)とは?」

 

清算型のチャプターセブン(Chapter 7)

日本において”破産”といえば所有する事業の売却や資産価値のあるものを清算し、株主などの債権者に対して公平に配当される「清算型」の倒産手続きを連想するでしょう。対して再建型もあり、

 

・清算型倒産(破産)

・会社更生(再建)

・民事再生(再建)

 

と主に3つあります。

米国における清算型の倒産手続きはチャプターセブン(Chapter 7)と呼ばれる連邦倒産法第7章があるのです。つまり日本における企業の倒産ではチャプターセブンが連想されるということですが、FTXやBlockFiはたまた再建が不可能に近いセルシウスもチャプターイレブンを申請しており、”清算しないという選択肢を意図的”にとっているのです。

チャプターイレブンについては墨汁マガジンVol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」にてわかりやすく解説しています。

 

チャプターイレブンイレブンのメリット

まずチャプターイレブンのメリットとして

 

「ビジネスを継続できるため雇用を守れる」

 

というのが債務者(Debtors)の大きなメリットでしょう。また仮想通貨企業はチャプターイレブンとある種相性がいいと言える一番の理由として

 

「チャプターイレブン

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