- 1 BlockFiのチャプターイレブン一覧
- 2 破産したBlockFiのウォレット引き出し開始
- 3 BlockFiウォレットの引き出し対象は一部
- 4 セルシウス(Celsius)の和解と異なる点
- 5 ウォレットを債権とするClawbackは可能か?
- 6 BlockFiとUCCの真意は?
- 7 ウォレットと債権者のこれからの展望
- 8 まとめ
破産したBlockFi(ブロックファイ)は米連邦破産法11条”チャプターイレブン”におけるFirst Day Motionで発表した” BIAではないウォレットアカウントの仮想通貨引き出し”について2023年夏の対象者の引き出し開始を発表しました。ここではウォレットアカウントユーザーであっても特定の条件に該当する場合はPreference(優先)によるClawback(払い戻し/クローバック)の可能性があるため対象外になるとされています。
本稿ではBlockFiのウォレット引き出しの問題点とCelsius(セルシウス)との異なる点、今後のウォレットユーザーとBIAの債権者への影響についてわかりやすく解説を行います。
BlockFiのチャプターイレブン一覧
Vol.784「チャプターイレブンとは?FTXやBlockFiが申請した再建型の破産を理解する」
Vol.786「First Day Motionとは?BlockFi破産後初のチャプターイレブン破産審理の重要ポイント」
Vol.787「BlockFi/Voyager Digital/セルシウスのチャプターイレブン破産申請後の現状と違いを理解する」
Vol.794「FTX/BlockFi/Voyager/セルシウス債権者はどれだけ仮想通貨の返済を受けられるのか?」
Vol.798「BlockFiの破綻理由を破産裁判資料から理解する 仮想通貨企業が抱える共通リスク」
Vol.801「BlockFiのBIAからWalletへの引出し無効に対する反対申立ての根拠と現状は?」
Vol.803「チャプターイレブンのクローバック(Clawback)とは?Preferencesとコード547節」
Vol.825「BlockFiから債権者への書類郵送 今後の対応と住所やアドレス変更をするには?」
Vol.833「【2023年3月最新】破産したBlockFi(ブロックファイ)の再建状況 SVB破綻影響やProof of Claim締切など」
Vol.836「BlockFi(ブロックファイ)BIA→ウォレット引き出し論争の現状 和解は可能か?」
Vol.852「BlockFiのチャプターイレブン再生計画を理解する チャプターセブンと(清算)との比較と問題点とは?」
破産したBlockFiのウォレット引き出し開始
破産したBlockFi(ブロックファイ)は破産財産として債権者となるBIA(BlockFi Interest Account)や仮想通貨ローンの利用者ではない”BlockFiウォレットアカウント”の引き出しの申し立てがニュージャージー州破産裁判所に認可されたことにより、2023年夏にウォレットアカウントの引き出しを開始するとユーザーに通知しました。
このウォレット引き出しはBlockFiがチャプターイレブンに移行して最初の破産処理となる”First Day Motion”から提案されていた申立であるため約9ヶ月近くウォレットユーザーはBlockFiに資金拘束されていたということになります。
この背景にはBlockFiの非常に深い闇があり、
「Twitterで発表した出金停止をタイムスタンプとし、それ以降のBIAからウォレットへの引き出しを無効にし、ウォレットからBIAへ送金しなおして破産財産の債権とする」
という申立が認可されたことにより進展したことになるのです。
BlockFiウォレットの引き出し対象は一部
ではここからはBlockFiウォレットの引き出し対象者、つまりBlockFiの債権者とならずに仮想通貨を全額返金されるユーザーについて見ていきましょう。今回の引き出しで対象となるユーザーは
1.債務者または関連する内部者ではないユーザー
2.90日間BIAやローンから仮想通貨を受け取っていないユーザー
となっているのです。
出典:Kroll – BlockFiのウォレット引き出し認可
セルシウス(Celsius)の和解と異なる点
このBlockFiのウォレット引き出しは同じく破産したCelsius(セルシウス)のカストディアカウントとは大きく異なる取り扱いとなっているのです。
BlockFiのウォレットは基本的にセルシウスと同じ扱いですが
「債務者