目次
- 1 グレースケールのイーサリアムETFの禊
- 2 仮想通貨投資信託からETF移行
- 3 ETF移行時の問題点を理解する
- 4 グレースケールの禊は計画されたもの
- 5 適格投資家のETH売却インセンティブ
- 6 グレースケールの禊の進み具合
- 7 イーサリアム価格の今後
- 8 まとめ
ビットコイン(BTC)が史上最高値を超える一方、イーサリアム(ETH)価格は2024年から2025年にかけては4000ドルまでしか上昇できず、X(旧Twitter)などではFUDが多く散見されます。これはグレースケールのGBTCと同様のETHEの禊が原因となっているためです。
本稿ではなぜイーサリアム価格の上値が重く割安状態になっているのかについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。グレースケールについては墨汁マガジンVol.800「グレースケールのGBTCとETHEのマイナスプレミアム問題はなぜ起きる?」を参照してください。
グレースケールのイーサリアムETFの禊
仮想通貨におけるグレースケール(Grayscale)とは老舗の仮想通貨投資信託運用会社であり、ビットコインETFの$GBTCとイーサリアムETFの$ETHEなどを有することで知られています。
このグレースケールはイーサリアムETF以外にもソラナ($SOL)を運用するGrayscale Solana Trust($GSOL)やイーサリアムのL2としては初となるOptimismのGrayscale Optimism Trustなど数多くの仮想通貨投資信託を運用しているのです。
仮想通貨ファンド名 | 運用仮想通貨 | 分類 |
---|---|---|
Grayscale Optimism Trust | OP | L2 |
Grayscale Sui Trust | SUI | MOVEチェーン |
Grayscale Aave Trust | AAVE | DeFi |
Grayscale MakerDAO Trust | MKR | DeFi |
Grayscale Chainlink Trust | LINK | DeFi |
Grayscale Lido DAO Trust | LDO | LST |
Grayscale Solana Trust | SOL | Solana |
Grayscale Decentralized Finance (DeFi) Fund | UNI, AAVE, MKR, LDO, SNX | DeFi |
Grayscale Bittensor Trust | TAO | DePIN |
Grayscale Decentralized AI Fund | FIL, NEAR, RNDR, LPT, TAO | DePIN |
Grayscale Filecoin Trust | FILE | DePIN |
Grayscale Livepeer Trust | LPT | DePIN |
Grayscale Basic Attention Token Trust | BAT | ERC20トークン |
Grayscale Avalanche Trust | AVAX | EVMチェーン |
Grayscale Near Trust | NEAR | Near |
Grayscale Decentraland Trust | MANA | NFT |
Grayscale Stellar Lumens Trust | XLM | Stellar |
Grayscale Stacks Trust | STX | ビットコインL2 |
Grayscale Bitcoin Cash Trust | BCH | ビットコインフォーク |
Grayscale Litecoin Trust | LTC | ライトコイン |
Grayscale XRP Trust | XRP | リップル |
Grayscale Zcash Trust | ZEC | 匿名 |
グレースケールはこれらの仮想通貨投資信託を仮想通貨ETFへと変換して上場しており、これらの仮想通貨ETFは必ず売り込まれる性質を持っていることから、イーサリアムETFはビットコインETFと同様に「禊」が必要となるということです。
これはどの仮想通貨投資信託でも避けられず、必ず上場後に問題となるという点が注意が必要です。
仮想通貨投資信託からETF移行
ではなぜこれが問題なのかについて見ていきましょう。
まずグレースケールの仕組みは
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