- 1 イーサリアム「Pectra」を5月7日実装へ
- 2 Pectraで実装されるEIPの一覧
- 3 イーサリアムPectraにおける重要なEIPは?
- 4 EIP-7251はサードパーティへの影響が大きい
- 5 Rollup Centricのイーサリアムスケーリング加速
- 6 イーサリアムへの簡易AA導入
- 7 Pectraにおけるイーサリアムユーザーへの影響
- 8 まとめ
イーサリアム(ETH)はこれまでのアップデートの中で最も多いEIPを採用した次期大型アップデート「Pectra(ペクトラ)」を2025年5月7日にメインネット実装を行うことが決定しています。本稿ではイーサリアムのPectraアップデートの細かい内容について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
Pectraアップデート前のDencun(デンクン)アップデートで実装されたEIP-4844 Proto-Dankshardingについては墨汁マガジンVol.789「EIP-4844 Proto-Dankshardingとは?図解で理解するイーサリアムへの影響」を参照してください。
イーサリアム「Pectra」を5月7日実装へ
イーサリアムファンデーションは次期大型アップデート「Pectra(ペクトラ)」のメインネット実装を2025年5月7日、イーサリアムのCLである「Beacon ChainのEpoch 364032」での実装を正式にアナウンスしました。
また「ポストPectraアップデート」として次に予定されている大型アップデートのFusaka(フサカ)は2025年末に実装が予定されています。
Pectraで実装されるEIPの一覧
イーサリアムのPectraアップデートで実装される「イーサリアム改善提案」は全部で11EIPとなっており、これまでの大型アップデートで最も多い変更なることになります。
Pectra EIP一覧 | EIPの詳細 | |
---|---|---|
1 | EIP-2537 | BLS署名に採用されているBLS12-381のプリコンパイル |
2 | EIP-2935 | ブロックハッシュの履歴をステートに保存 |
3 | EIP-6110 | バリデータのETHステークをELに記録 |
4 | EIP-7002 | バリデータExitをELで実行 |
5 | EIP-7251 | ステーキング最大値を32ETHから2048ETHへ |
6 | EIP-7549 | コミッティインデックスを署名したアテステーションの外側へ移動 |
7 | EIP-7623 | 最大ブロックサイズを削減するためCALLDATAのコスト増加 |
8 | EIP-7685 | コントラクトトリガーリクエストの保存 |
9 | EIP-7691 | Blobsのスループット増加 |
10 | EIP-7702 | EOAアカウントコードを設定(簡易AA) |
11 | EIP-7840 | ブロックごとのターゲット及び最大Blobsのリストカウントをファイルとして追加 |
各EIPの詳細はEIPナンバーのリンクを参照(英語)
Check
イーサリアムPectraにおける重要なEIPは?
ではイーサリアムのPectraアップデートでの変更内容について詳しく見ていきましょう。主な変更内容はイーサリアムのCLとELにおける仕様の変更であり、これはイーサリアムがThe Mergeでモジュラーアプローチを取ったことでチェーンがBeacon ChainとETH1エンジンの2つに別れているため、EIPではこれらのどのクライアントからの実行を加えるかなどの整理が行われているものが多いということです。
例えば
・EIP