- 1 PeerDASとは?
- 2 PeerDASのコンセプト
- 3 Proto-DankshardingとBlobsの課題
- 4 PeerDASの仕組みを理解する
- 5 PeerDASのセキュリティとETH
- 6 PeerDASの利点とL2スケーリング
- 7 まとめ
イーサリアムのフサカ(Fusaka)アップデートで新たに導入されるEIP-7594「PeerDAS」はイーサリアムのDAレイヤーとしての大きな変更点となり、フサカアップデートの最も重要なEIPとなっています。
本稿ではPeerDASの仕組みとCelestia(TIA)などに代表されるDAレイヤーと大きく差がつき、イーサリアムの本質的価値が上がる理由について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。フサカのEIPとアップデートの影響については墨汁マガジンVol.1195「イーサリアム次期大型アップデート「フサカ(Fusaka)」の影響を理解する」を参照してください。
PeerDASとは?
イーサリアムのPeerDASとは
「Peer-to-Peer Data Availability Samplingの略で、BlobsとしてイーサリアムにRollup(書き込み)されるデータを分割し、ノードが保有するデータ量を減らすことでネットワーク帯域には負担をかけず最大で8倍のスケーリングする方式」
を指します。
このPeerDASの方式ではデータ可用性(Data Availability)すなわちArbitrum($ARB)やOptimism($OP)のようなL2、zkSync($ZK)やStarknet($STRK)のようなzkVMsが書き込みを行うRollupのデータをノードが検証するための効率を上げつつスケーリングを可能にするというものであり、イーサリアムのDAレイヤーとしてのセキュリティを活用する素晴らしい実装であると言えるでしょう。
Blobsについては墨汁マガジンVol.789「EIP-4844 Proto-Dankshardingとは?図解で理解するイーサリアムへの影響」を参照してください。
PeerDASのコンセプト
では順を追ってみていきましょう。
PeerDASというコンセプトは既存のデータ保全方式を採用したものであり、
「
