仮想通貨(暗号資産)における世界初のステーブルコインはテザー社が発行しているUSDT(テザードル)であり、仮想通貨推進派のトランプ政権によってステーブルコインに追い風となっている現在、ステーブルコインは決済手段としての新たなユースケースの段階へと突入しています。
本稿ではUSDTにフォーカスしたステーブルコインチェーン「Plasma(プラズマ)」の特徴と概要について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
Plasmaとは?
Plasmaとはドルステーブルコイン(USDT)にフォーカスしたEVMチェーンであり、ネイティブPlasmaトークンとなるXPLトークンのTGEとともに2025年9月25日にメインネットローンチしました。
DeFillamaのデータによるとPlasmaは2026年1月現在、仮想通貨全体のDeFiにおけるTVLでHyperliquidを超える8位となっており、30.88億ドル(約4,841億円)を誇るステーブルコインチェーン最大手となっているのです。このTVLの高さはイーサリアムL2のArbitrumの32.67億ドルに次ぐ驚愕の規模であると言えるでしょう。
PlasmaのTVL:https://defillama.com/chains
Plasma概要
Plasmaのプロジェクト概要は下記の通りとなる。
| 項目 | プロジェクト詳細 |
|---|---|
| 公式X(Twitter) | @Plasma |
| 資金調達額 | 9275万ドル |
| 開発元 | Plasma |
| ティッカー | $XPL |
| メインネットローンチ | 2025年9月25日 |
| 関連技術 | ステーブルコイン |
| 関連プロダクト | Plasma One(クリプトカード) |
| 秒間TX(TPS) | 1000TPS~ |
| チェーン種類 | EVMチェーン |
Plasmaの仕組み
ここでは簡単にPlasmaが1000TPS~という高速チェーンを実現するための仕組みについてみていきましょう。
Plasmaの構成
Plasmaはイーサリアムが定義した目的レイヤーごとにチェーンを分割するモジュラーブロックチェーンであり、
コンセンサスレイヤー(CL):PlasmaBFT(HotStuff)
実行レイヤー(EL):Rethベースのクライアント
が行います。
このRethはプログラミング言語のRustで実装されたイーサリアムで最も高速なクライアントであり、イーサリアム発明者のVitalik氏が提案したRISC-Vベースの高速zkEVM環境に移行することを提案したのもRethのパフォーマンスが根拠の1つとなっているのです。
Plasmaの構造
すなわちイーサリアムと同じ構造で
「PlasmaBFTはブロック生成とファイナリティのようなコンセンサスを担当し、RethはUSDTの送金のような”状態遷移(State Transition)”やトランザクション実行、EVMを扱う」
ということになります。
このモジュラーブロックチェーンを採用する利点としては
「PlasmaはイーサリアムのELアップデートをRethで100%の互換性を持ち、開発コストがかからずにイーサリアムメインネットと同様の環境を常に利用できる」
ということです。
USDT決済のフォーカス
Plasma上ではUSDTにフォーカスしたステーブルコインチェーンというコンセプトの元、USDTの送金は無料となっているのが大きな特徴です。またイーサリアムが提唱したAccount Abstraction(アカウントの抽象化)により、ガスの支払いはXPLがベースとなっていますが、今後Paymasterによりガス支払いのトークンをカスタムが可能になる予定となっています。
ビットコインネイティブブリッジ
またPlasmaの大きな特徴としては「ネィティブビットコインブリッジ」を提供しており、Bridge-as-a-Service(BaaS)の最大手であるLayerZeroのOFT(オムニチェーン・ファンジブル・トークン)を準拠しているのです。
これはビットコインのチェーンにおいて検証可能であり、renBTCのようなMPC(マルチパーティ計算)ベースでの署名引き出しを可能とすることで1:1のビットコイン裏付けを持つpBTC(Plasma Bitcoin)を分散性を損なわずに提供しているのです。
この背景には同様にLayerZeroを導入した複数チェーンへネイティブブリッジが可能なUSDT0をさらにPlasmaにアドバンス導入している
Check
Plasmaはなぜステーブルコインチェーンに取り組むのか?
2026年1月現在、Token TerminalによるとUSDTの発行数は1897億ドル(約29.81兆円)でステーブルコイン最大のシェアとなっており、実に64.4%ものシェアを獲得していることがわかります。
USDTの市場供給量:https://tokenterminal.com/explorer/markets/stablecoin-issuers/metrics/outstanding-supply
トランプ政権は大統領令として「ステーブルコインを介したドル支配を強める」という目的のもと、国家によるステーブルコインのCBDCを禁止してステーブルコインビジネスをサポートしているのです。
その結果がジーニアス法であり、この5年で約300倍にも増えたステーブルコインの市場供給量からみても追い風となり、決済というこの圧倒的な流動性を利用したユースケースを獲得することが次のトレンドであると言えるでしょう。
すなわち
「Plasmaはこれらの流れをステーブルコインがマジョリティに普及した世界」
を描いており、USDTとともに成長することに取り組んでいるということです。
Plasma上のDeFi
Plasmaではイーサリアムエコシステムにおけるレンディング最大手「Aave(アーべ)」がローンチしており、その他にも下記表の通り多くのDeFi選択肢があります。
| No | DeFi名 | 種類 |
|---|---|---|
| 1 | Uniswap | AMM |
| 2 | Balancer | AMM |
| 3 | Curve Finance | AMM |
| 4 | Pendle | イールドデリバティブ |
| 5 | Aave | レンディング |
| 6 | Fluid(by Instadapp) | レンディング |
| 7 | Veda | レンディング |
| 8 | Euler | レンディング |
| 9 | KyberSwap | DEXアグリゲーター |
| 10 | Jumper | ブリッジアグリゲーター |
まとめ
・Plasmaではモジュラーチェーンアプローチを取ることで、実行レイヤーではイーサリアムのEVMの完全互換を実現している
・ステーブルコインのUSDT決済特化型チェーンであり、USDTの送金はガスが不要
・USDTの発行数は1897億ドル(約29.81兆円)でステーブルコイン最大のシェアとなっており、実に64.4%ものシェアを獲得
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