- 1 イーサリアムDeFiの歴史
- 2 ビットコインが約3万BTCイーサリアム上にロック
- 3 加速する2020年のDeFiとリスク
- 3.1 bZxフラッシュローン事件
- 3.2 Maker DAOブラックサーズデー
- 3.3 Uniswapハック
- 4 流動性マイニングとガバナンストークン
- 5 まとめ
イーサリアム上での金融の総称DeFi(非中央集権金融)は日々進化しており、その仕組を理解して最新のDeFi動向を追うのは至難の業と言えるでしょう。本稿では一旦技術的な話を抜きにして、現在のイーサリアム上で起きているDeFiバブルについての状況をキャッチアップすることを目的に、約2年前からはじまったDeFiの歴史及び最新の動向とガス高騰の理由について詳しく解説を行います。
イーサリアムDeFiの歴史
では簡単にDeFiのメインストリームの歴史と事件についてみてみましょう。下記チャートはDeFiの歴史で重要となるエコシステム形成の履歴です。一部の極端な例やベースプロトコルなどの動向は省略しています。
主なDeFiの初動としては2017年12月のMaker DAOローンチであったと言え、2018年中旬にはUSDCやGUSDなどのステーブルコインローンチブームが起こり、UniswapやdYdXなどのメジャーDEXが揃ったことで、イーサリアム上での売買環境が整ったのです。さらに2019年1月にはCompoundがローンチされ、ETHやERC20トークンをオンチェーン上でレンディングすることができるようになり、Maker DAOのETH担保で発行するDAIとは異なり多彩な借入が可能となりました。
ビットコインが約3万BTCイーサリアム上にロック
2019年1月にローンチされたWBTCはイーサリアム上のビットコインでWrapped BTCの略で、
1WBTC = 1BTC
としてUSDCと同様の手順で発行されています。2020年8月現在、イーサリアム上でのWBTCは26,000BTC約3.1億ドルものビットコインがロックされています。また同様の仕組みでイーサリアム上にはビットコインがロックされており、約3万BTCがイーサリアム上で運用されているのです。
出典:DeFi Pulse イーサリアム上のWBTC数の推移
ビットコインのライトニングネットワーク上にロックされているBTC数はわずか1000BTCであり、イーサリアム上の30分の1にとどまっています。理由は非常にわかりやすく