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墨汁マガジンVol.603「DeFiで問題化するBribeとは?ガバナンスの欠点とその影響」

目次
  • 1 ブロックチェーンの分散と賄賂
  • 2 エコシステム上のミクロとマクロ経済
  • 3 ガバナンスの問題と実例
  • 4 賄賂とDeFi
  • 5 まとめ

ブロックチェーン上ではしばしSteemの賄賂攻撃が話題に上がることがあります。現在のイーサリアム上でのガバナンスでも同様に”Bribe”つまり賄賂問題が深刻化しています。本稿ではDeFiのガバナンスにおけるbribe(賄賂)について詳しく解説を行います。

ブロックチェーン上の賄賂と攻撃については墨汁マガジンVol.385「STEEMのBribe Attack(買収攻撃)問題 ETH2 Casperでは起こらない理由」を参照してください。

 

ブロックチェーンの分散と賄賂

ブロックチェーンにおける分散はセキュリティにおける最重要科目であり、イーサリアム2.0で専用設計した”Casper FFG”ではバリデータが分散してステーキングするようにインセンティブ設計しています。これは現状のマイニングを必要とするイーサリアムやビットコインではマイナーが結託し、マイナーに都合のいいアップデート内容や51%攻撃による抗議という愚かな行為がProof of Workで見られます。

一方でブロックチェーンエコシステムではデベロッパーや投資家、利用するユーザーなど多くの参加者の利害関係が存在しており、例えばイーサリアムの開発や将来的な使われる未来、ETHの価格はマイナーの動向だけで支持されずにエコシステム全体に依存します。すでにイーサリアムクラシックやビットコインキャッシュの例で証明されているように、マイナーの利益のみを追求したフォークでは価値がつかないことから、これらの結託したネットワーク攻撃は意味をなさないことがわかるでしょう。

 

エコシステム上のミクロとマクロ経済

いわばイーサリアムというブロックチェーンは

 

・NFTマーケット

・ゲーム

・DeFi

・L2

 

などから構成する巨大エコシステムであり、マクロ経済を形成しているといえます。一方でDeFiの中の一つのプロジェクトであるUniswapやCurve Financeはミクロ経済であると分類することができるでしょう。このイーサリアムにおけるミクロ経済ではTVLは高くても実際のガバナンスに参加するユーザー数は少ないと言えるため、分散性に関わらず賄賂攻撃がマクロに比べて容易になるという問題があるのです。

 

ガバナンスの問題と実例

現在のDeFiガバナンスには問題があります。それはガバナンスにおける提案内容がプロトコル上での変更など難易度の高いものほど、「パーキンソンの凡俗法則」が成り立ってしまいガバナンスがある種昨日しなくなるという問題です。

このような問題の対策にはYearn Financeが導入した”Multi DAO”のガバナンス2.0

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