目次
- 1 JPモルガンアナリストの勘違い
- 2 Sharding実装=スケーリングではない
- 3 The Mergeでのロードマップ大幅変化
- 4 EVMのコピーはあくまでコピー
- 5 まとめ
JPモルガンはイーサリアム2.0のSharding実装が2023年以降になるという推測から、イーサリアムDeFiのマーケットシェアが奪われていくという指摘をレポートで発表。一方で現在のイーサリアムの開発ロードマップはThe Mergeによって実装の順序が変更されて元のフェイズ1やフェイズ2と異なり細分化されており、さらに元の開発ロードマップを考慮してもJPモルガンの指摘は間違えて認識していることがわかります。
本稿ではJPモルガンが勘違いしているイーサリアム今後の開発ロードマップについてわかりやすく解説を行います。
イーサリアムDeFiドミナンス(マーケットシェア)のデータについては墨汁マガジンVol.651「イーサリアムのDeFiマーケットシェアは将来的に減少する?データから見るJPモルガンのミスとドミナンス」を参照してください。
JPモルガンアナリストの勘違い
前回見たDeFiドミナンスの比較の問題と合わせて、JPモルガンアナリストはイーサリアムのロードマップ及び仕組みを理解していないか、意図的なポジショントークをしていることがわかります。
JPモルガンのアナリストは
「イーサリアム2.0のShardingによるフルスケーリングに2023年~まで時間がかかる」
という点を指摘していますが、Shardingを実装するだけではスケーリングができないためこの時点で大きな勘違いをしています。さらに既にThe Mergeからイーサリアムの開発ロードマップは大きく変更もされているのです。
Sharding実装=スケーリングではない
JPモルガンの指摘するShardingによるフルスケーリングはすなわち
「イーサリアム2.0の完成を示している」
ということになります。
なぜなら当初の予定では
「Shardingを実装