- 1 司法省バイナンスと司法取引
- 2 バイナンス帝国の衰退は確定
- 3 バイナンス・グローバルの今後
- 4 BNBへの影響
- 5 BNBチェーンのデータが示す今後
- 6 バイナンス帝国陥落の予兆
- 7 運命の分かれ道
- 8 まとめ
2023年11月22日、リーク通りに仮想通貨取引所最大手であるバイナンスとCEOであるチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao=CZ)に対しての司法取引が行われ、一夜にしてバイナンス帝国が陥落しました。CZは最大で18ヶ月の投獄の可能性も浮上しており、バイナンスの危機的状態でもあるといえるでしょう。
本稿ではバイナンス及びBNBチェーンがこのCZの逮捕と巨額の罰金支払いでどうなるのかについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
司法省バイナンスと司法取引
2023年11月21日に行われたリークでは仮想通貨取引所世界最大手であるバイナンス(Binance.com)に対して米司法省が起訴ではなく司法取引を行う予定であると報道、バイナンスの罰金額は6000億円になると見られ、CEOであるCZに対しても刑事告訴する可能性があるとされていました。
その後日本時間早朝に米司法省が最大手仮想通貨取引所に対する執行措置を発表するとし、結果的にバイナンスであることが判明。訴追延期合意(または起訴猶予合意)となるDPA(Deferred Prosecution Agreement)をCZが受入れ、
1.CZがCEOを退任
2.バイナンスが罰金として約6400億円を支払い
3.外部コンプライアンス機関から3年間の監視
4.最大18ヶ月の投獄の可能性
5.個人で89.7億円の罰金と関連事業で得た利益支払い
という非常に重い内容となりました。
結果的にバイナンスショックは回避されたものの、起訴されない代わりとなるDPA特有の内容は、事前の解説内容通りとなったと言えます。DPAについては墨汁マガジンVol.883「仮想通貨のバイナンスショックは起きるのか?米司法省の司法取引(DPA)から見る仮想通貨市場への影響」を参照してください。
バイナンス帝国の衰退は確定
CZはこれらの条件を呑む代わりにバイナンスの運営を継続させることを発表し、CEOの退任を正式に表明しました。
これらはDPAの内容を考慮すると
「バイナンスショック