- 1 コインベースの歴史と概要
- 2 BaseトークンとCOIN株
- 3 ガバナンストークンと株式の大きな違い
- 4 直接的または間接的なマネーフロー
- 5 バイナンス帝国陥落からより動きは顕著に
- 6 まとめ
米最大手仮想通貨取引所のコインベース(Coinbase)はOP Stackを採用したイーサリアムのL2となるBase(ベースチェーン)を2023年8月9日にメインネットローンチしました。コインベースはBaseがガバナンストークンとなるBASEを発行する可能性を示唆しており、もしBASEが発行される場合コインベース関連の投資資産として株のCOINとガバナンストークンのBASEの2つが存在することになります。
本稿ではコインベースがBASEトークンを発行する際の株価への影響とCOIN株とBASEトークンへ投資する場合の違いやエクスポージャーについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
コインベースがBASEを発行し、エアドロップする可能性についての解説は墨汁マガジンVol.892「コインベースのイーサリアムL2”Base”がエアドロップをする可能性は?」を参照してください。
コインベースの歴史と概要
コインベースは2021年4月14日、仮想通貨(暗号資産)取引所として米国初となる上場を果たしました。コインベースの主な概要は下記となっています。
名称 | コインベース・グローバル |
英語読み | Coinbase Global |
テイッカー | COIN |
上場日 | 2021年4月14日 |
資金調達 | 7.26億ドル |
設立 | 2014年1月 |
市場 | NASDAQ |
本社所在地 | デラウェア州 |
独自チェーン | Base Chain(イーサリアムL2) |
コインベースは老舗仮想通貨取引所で、2016年まではイーサリアム(ETH)、ビットコイン(BTC)、ライトコイン(LTC)のみを取り扱う仮想通貨取引所でした。2017年に無国籍仮想通貨取引所として一気に勢力をあげた中国系仮想通貨企業のバイナンス(Binance)に触発され、コインベースも複数の仮想通貨銘柄の上場を開始。2021年4月にIPOを行わずにNASDAQ(ナスダック)に直接上場を行い話題となりました。
また2021年9月にはコインベースがレンディングサービスを開始しようとすると、米国証券取引委員会(SEC)から証券に当たるため訴訟を行うと警告を受けたことをCEOのBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏が不満をX(旧Twitter)で漏らしたことも話題となりました。同年年9月9日、コインベースはstETHなどで知られるLido Finance(ライド・ファイナンス)を参考にしたLiquid Staking(流動性ステーキング)のcbETH(Coinbase ETH)を発表。
2023年6月に入って米国証券取引委員会(SEC)はコインベースに対して証券取引法違反の疑いで提訴したことは記憶に新しいでしょう。2023年8月9日にイーサリアムのL2を開発するOptimismが提供するOP Stackを活用したBaseチェーンを発表し、ガバナンストークンのBASEトークンが発行される可能性を示唆している状態です。
レンディングが証券に当たる理由については墨汁マガジンVol.608「仮想通貨レンディングは証券?証券の定義から考える今後の影響」を参照してください。
BaseトークンとCOIN株
ここでもしコインベースがBaseチェーンでガバナンストークンのBASEを発行し、Baseチェーンがこのままメインストリームに残り続けた場合に株であるCOINとBASEトークンの違いはどうなるのかについてみていきましょう。
まず大きな枠組みではどちらも証券として捉えることができますが、両者には明確な違いがあり
1.効力を及ぼすエンティティの違い
2.