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墨汁マガジンVol.883「仮想通貨のバイナンスショックは起きるのか?米司法省の司法取引(DPA)から見る仮想通貨市場への影響」

目次
  • 1 米司法省”バイナンスショック”を懸念
  • 2 DPA(訴追延期合意or起訴猶予合意)とは?
  • 3 司法取引が与えるバイナンスへの影響
  • 4 バイナンスが受ける大きなダメージ
  • 5 バイナンスショックの可能性
  • 6 まとめ

仮想通貨(暗号資産)取引所最大手のバイナンス(Binance)及びCEOのチャンポン・ジャオ氏(Changpeng Zhao)氏は米司法省による詐欺罪での起訴に直面していると長年言われているものの、最新のリークでは司法省がいわゆる”バイナンスショック”を懸念しているとされているのです。またステーブルコインのUSDTのが1ドルからデペッグしており、バイナンス売りであるとされています。

本稿ではバイナンスショックが起きるのか、現在何が起きているのかについて投資家向けにわかりやすく解説を行います。

米司法省”バイナンスショック”を懸念

リーク報道によると米司法省はバイナンス及びCEOのCZに対してマネーロンダリングに関与したとして起訴することを検討しているとされています。このリーク報道は2022年にも同様の内容となっており、事前の報道では

 

「2018年より約5年かけてバイナンス/CZのマネーロンダリングへの関与及び刑事制裁違反を捜査しており、刑事告訴するための十分な証拠を掴んでいる」

 

とされていました。

 

 

またバイナンスの弁護士と司法取引の可能性について話し合うともされており、今回のリーク報道では司法省自体がバイナンスを刑事告訴することでFTX破産時と同様の取付騒ぎによる”バイナンスショック”を懸念しているとされているのです。

つまり内容的にはより具体的となっており、バイナンスショックを回避するための司法取引(DPA)を行う意向であることを司法省は示しているとリーク者は述べています。

 

 

DPA(訴追延期合意or起訴猶予合意)とは?

この司法取引では罰金やDPAを米司法省が考えているとされており、DPAとは「Deferred Prosecution Agreement」の略で、

 

「被疑者が罪を認め、司法省と合意した条件を守れば起訴を見送るという司法取引」

 

です。

つまりこれは当初のリーク報道と概ね同じであり、より内容が具体的になっているということになるのです。バイナンスショックを考えるにはこのDPAをよく理解する必要があるでしょう。

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