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墨汁マガジンVol.219「Nightfallの技術詳細とzk-SNARKsの仕組み」

目次
  • 1 イーサリアム上での送金と検証方法を考える
  • 2 ERC20トークンコントラクトでの匿名
  • 3 zk-SNARKsとその仕組み
  • 4 まとめ

EYが公開したNightfallは、Zcashのzk-SNARKsを使用しています。前編ではイーサリアム上の匿名送金の問題と、利点について解説をしましたが、本稿では技術面について解説。今後イーサリアム上でNightfallやzk-SNARKsがどのように応用されるかについて詳しく見てみましょう。

 

 

イーサリアム上での送金と検証方法を考える

イーサリアム上の既存の送金を見てみると、匿名でないトランザクションやERC20トークンなどは、イーサリアムチェーン上でのコントラクトのTransfer関数を使用し、送信者と受信者のトークンバランスを更新します。このTransfer関数は、送信先のアドレスを必要とする”to”と、送金する値である”value”を公に演算へとインプットされます。

 

 

これらの情報は、各ノードが検証でき、さらにブロックチェーンエクスプローラーなどのサービスで誰もが確認できるのです。したがって、匿名送金を考慮したい場合には、この送金先アドレスである”to”と送金額の”value”をブロックチェーン上で秘匿にすることで、匿名送金が事実上可能ということになるでしょう。

ERC20トークンコントラクトでの匿名

ですが、この点を改善するというのは困難であるとも言えます。現在普及しているERC20コントラクトやスマートコントラクトでは、全てのノードが

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