- 1 Gitcoin(ギットコイン)とは?
- 2 OSSは年間で4000億ドルの価値を生み出している
- 3 Quadratic Funding(二次ファンディング)とは?
- 4 公共財の非競合性と非排除可能性
- 5 公共財におけるファンディングの問題
- 6 Quadratic Fundingの仕組みと利点
- 7 Quadratic Fundingの例
- 8 Gitcoinで寄付する利点
- 9 シビルアタック問題
- 10 まとめ
イーサリアムの創りだした既存インターネットとブロックチェーンの融合である”Web3”は、利用者のインセンティブで作り出すDAOという止まらないネットワークという大きな特徴を持ちます。
一方でこのWeb3にはOSS(オープンソース開発)がベースとなっているものの、開発者は資金調達面で不利になっているのが現状です。本稿ではこれらの問題を解決するGitcoin Grants(ギットコインの許可)とユニークなQuadratic Funding(クアドラティックファンディング)とOptimism(オプティミズム)のOPトークンの付与で話題となったGitcoinで寄付する利点についてわかりやすく解説を行います。
OptimismのOPトークンのエアドロップについては墨汁マガジンVol.700「まだ間に合う?イーサリアムL2の”エアドロップ給付金”獲得戦略 期待できるL2プロジェクトと今後」を参照してください。
Gitcoin(ギットコイン)とは?
Gitcoin(ギットコイン)とは
「2017年11月にローンチしたWeb3プロジェクトを中心としたOSS(オープンソース開発)開発者やエコシステムの資金調達をイーサリアムのETHやDAIなどのERC20トークンで支援する仮想通貨プラットフォーム
を指します。
なぜGitcoinの支援が必要かというと、Web3におけるOSS開発ではコードを不特定多数のデベロッパーとGitHubなどで共有し、コミュニティで改善や監査を行っていくことでイーサリアムのスマートコントラクトのような利点を持つ一方で、マネタイズ面で非常に不利となっているからです。
OSSは年間で4000億ドルの価値を生み出している
OSSで生み出すデジタルパブリックグッズは年間で4000億ドル、日本円にして約53.7兆円ものバリエーションを生み出していると言われています。
一方で開発に携わる開発者達はその恩恵を享受できておらず、例えば優秀なDeFiの開発者がいたとしても、実際の資金調達やそれこそ生活面での収入さえ即座にはままならないというのが現実であり、それこそICOでは開発計画のみで資金調達を行ったLUNAやTRON、EOSなどもありますが成功例はごく一部となっているのです。
Gitcoinの目的としてこの不平等さや開発者のインセンティブ支援を行うことをゴールとしているのです。
Quadratic Funding(二次ファンディング)とは?
Gitcoinでは非常にユニークなQuadratic Funding(クアドラティックファンディング)という手法を採用しています。このQuadratic Fundingは日本語で”二次ファンディング”と意味するように、
「1ドルの寄付が1ドル以上のファンディングとなる」
という仕組みを採用した、その名前の通り二次ファンディングというメカニズムです。
順をおってみていきましょう。
公共財の非競合性と非排除可能性
まずはQuadratic Fundingを理解するために重要となる公共財(Public Goods)の定義についてみてみましょう。
公共財は
1.Non-Rivalrous