- 1 Mango Marketsハッカーの提案
- 2 ガバナンスの疑問
- 3 ハッカーのガバナンス利用時の課題
- 4 ガバナンス可決による実行の強制力
- 5 どの投票力が正しいのか?
- 6 今後のおおきな影響
- 7 まとめ
SolanaのレバレッジDEXであるMango Markets(マンゴーマーケット)はハッカーによる攻撃により149億円を超えるハッキング被害を受けた後、ハッカー自らガバナンスの提案での”交渉”が行われました。
このDAOにおけるガバナンスが物議を醸しており、今後のDeFiやDAO自体に影響を及ぼす大きな事例と言えるでしょう。本稿ではMango Marketsにおけるハッカーのガバナンスの問題点と今後の余波について解説を行います。
Mango Marketsのハッキング概要については墨汁マガジンVol.765「SolanaのMango Marketsのハッキングと攻撃概要 Bad Debtとは?」を参照してください。
Mango Marketsハッカーの提案
Mango MarketsのハッカーはSOLやUSDTの他にもガバナンストークンである”MNGO”を攻撃時にドレインしており、この約3200万MNGOを利用して
「Mango MarketsのTreasuryが有する7000万USDCを利用してBad Debtを返済し、ハッキングでドレインした一部のSOLとMSOL、MNGOを返金して残りをバグバウンティ報酬として要求する。
さらに今回のハッキングにおける犯罪調査と資産凍結を行わないこと」
というものです。
ハッカー自らこの提案を行い、3200万MNGOの投票力を利用して自己的にYESに投票したことが物議を醸している理由となっています。
ガバナンスの疑問
結果的に反対票が3.13億MNGOが入ったことでこのハッカーによる理不尽な提案はガバナンス上で否決されたことになります。
出典:Mango Markets DAO – ハッカーによる返金提案「Reapy bad debt」
一方で今回のMango MarketsはDAOとガバナンスを考えさせる重要な例と言え、
「今後の大きな影響として