- 1 SBV破綻によりUSDCのペッグが崩壊
- 2 シリコンバレー銀行の破綻理由
- 3 Circle社もSVBと同様のリスクを有する
- 4 Circle社の損失を推計する
- 5 Circle社は破産するか?
- 6 まとめ
ステーブルコイン最大手の1つであるUSDC(USD Coin)はシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻による影響を受けて1ドルのペッグを保てずに一時0.9ドルを割る暴落となり、DeFiユーザー含め超広範囲に影響を及ぼすことから仮想通貨(暗号資産)投資家間で懸念が広がっています。
USDCを発行するCircle(サークル社)の行動次第では既にステーブルコインが規制の波にさらされているにもかかわらず、さらに厳しい立場となることになるでしょう。本稿ではシリコンバレー銀行の破綻によるUSDCへの影響と重要な今後についてわかりやすく解説を行います。
ステーブルコイン規制問題については墨汁マガジンVol.819「SEC(米証券取引委員会)が考える仮想通貨の証券定義とは?Howey Testから見るステーブルコイン」を参照してください。
SBV破綻によりUSDCのペッグが崩壊
USDCはCircle(サークル社)と米最大手仮想通貨取引所(Coinbase)が共同で発行するステーブルコインの1つであり、唯一といっていい規制された法定通貨担保のステーブルコインとして知られています。
USDCを発行する際に裏付けとなるドルは銀行や債券で構成されており、ドルを預けていた提携銀行の1つであるシリコンバレー銀行(Silicon Valley Bank=SVB)に預金をしていたのです。シリコンバレー銀行はFTXと同様に顧客の資金引き出しによる流動性枯渇により、損失を計上してでも流動性を確保する必要があり、結果として取り付け騒ぎとなったのです。
CircleはUSDCの裏付けドルの”33億ドル”がシリコンバレー銀行内にある状態であると発表、1:1の価値を保証するこの裏付けドルが破綻で毀損される懸念からUSDCのペッグが崩壊、一時1USDC=0.9ドルを割る展開となってしまいました。
シリコンバレー銀行の破綻理由
シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻はある種Circle社が現在抱えているリスクと似ているとも言え、USDCのリスク評価を考え直さなければいけません。
今回シリコンバレー銀行がSilvergate銀行(シルバーゲート銀行)と同様の取り付け騒ぎを起こした理由として
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