- 1 SECの目的と管轄
- 2 証券定義とは?
- 3 ハウィーテスト(Howey test)の重要性
- 4 仮想通貨のHowey Test
- 5 ステーブルコインは証券か?
- 6 まとめ
FTX破綻後に米証券取引委員会(SEC)はICOや仮想通貨レンディングのみならず、KrakenのステーキングサービスやBinanceのBUSDのようなステーブルコインと仮想通貨の重要インフラをほぼ全て”証券”と定義しています。
SECは今後より訴訟を仮想通貨ビジネスの広範囲を対象にしていくと見られ、仮想通貨投資家はその判断基準と管轄の広さを理解しておく必要があるでしょう。本稿ではSECがこれまでに行ってきた仮想通貨の証券の判断基準についてわかりやすく解説を行います。
リップル社のXRPが証券としてSECによる訴訟をされている件についてはリサーチレポート「暴かれたリップル社の闇 SECの訴状から見る投資家が知るべきリップルとXRPの歴史」を参照してください。
SECの目的と管轄
SECとは”U.S. Securities and Exchange Commission”の略で、1929年のウォール・ストリートクラッシュの結果で設立された米国独立政府機関の1つです。主なSECの目的は”市場操作の防止”とされていますが、近年では「一般投資家保護」を念頭に取締を行っていることで知られていますが他にも
・公正の維持
・秩序があり効率的な市場
・資本形成の促進
を主なミッションとしているのです。上記を達成するためにSECは上場企業に対しての訴訟や規制下における企業の年間レポートの提出を執行したり、上場審議など証券に関する広範囲の管轄を持ちます。
すなわち各州における規制当局と異なり、
「SECは米国全体に管轄を持つため仮想通貨の事実上の米規制当局」
ということになるのです。
証券定義とは?
そもそも証券とは「財産における権利や義務を表したもの」ですが、SECはどのようなものが証券として定義されるのでしょうか?米国における証券(Security)の定義は