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墨汁マガジンVol.820「Binance USの使途不明金の問題点はどこか?仮想通貨への今後の影響」

目次
  • 1 Binanceの巨額の使途不明金
  • 2 Binance USの問題点
  • 3 Merit Peak Ltd(メリットピーク社)の実態
  • 4 規制回避報道は事実か?
  • 5 厳しい追求を受けるのか?
  • 6 まとめ

仮想通貨最大手取引所のBinance(バイナンス)は2022年に日本の仮想通貨取引所を買収して正式に規制下でのサービス提供を開始しましたが、その前に市場規模の大きなアメリカに2019年9月に進出しています。一方でBinanceは米国の規制逃れをして利益を出そうとしたというフォーブスの報道や、過去のコンプライアンス違反における司法省の調査など規制当局との刑事訴訟などの問題を抱えている状態です。

本稿ではこれらの状態からさらにロイターから行われた「Binance USの巨額の使途不明金報道」の問題点と今後の影響についてわかりやすく解説を行います。仮想通貨業界における米国の規制プレッシャーについては墨汁マガジンVol.817「FTX破綻後に激化する仮想通貨業界への規制プレッシャーの大きな影響」を参照してください。

Binanceの巨額の使途不明金

ロイターによるとBinanceは2019年の米国に正式に進出後の約1年後となる2020年末から2021年にかけて銀行の履歴から4億ドル(535億円)を不明にSilvergate Bank(シルバーゲートバンク)を介して送金していたと報道。

さらにこの使途不明金がBinance.com(バイナンスグローバル)のCEO、CZことチャンポン・ジャオ(Changpeng Zhao)氏が経営者として名前が記載されているMerit Peak Ltd(メリットピーク社)へと送金されており、顧客資産が含まれているのか、CZがBinance USの銀行アカウントにアクセスできたのかという疑問が浮上しているのです。

またここでおおきな問題となっているのは

 

「当時のBinance USのCEO、キャサリン・コーリー(Catherine Coley)氏はこの巨額送金を認識しておらず、シルバーゲートの1日の出金額のリミットに達しており、財務責任者スーザン・リー(Susan Li)氏に説明を求めたが詳しい回答を得られなかった」

 

という点です。

さらにこの説明を求めた直後にCEOを突如退任させられており、非常に闇が深い問題となっていることがわかるでしょう。

 

Binance USの問題点

Binance USはこの報道に対して公式声明を発表。Binance USの銀行口座は従業員しかアクセスできず、FTXのような顧客資産の使い込みはしていないと否定しています。

 

ここでの問題点は

 

「Binance

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