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墨汁マガジンVol.855「イーサリアムファイナリティ事件のバリデータへの影響 Inactivity Leakによるペナルティを理解する」

目次
  • 1 イーサリアムCasper FFGの解説一覧
  • 2 イーサリアムクライアントは一時修正版を公開
  • 3 イーサリアムバリデータ側に何が起きたのか?
  • 4 バリデータの受けたペナルティ
  • 5 実は2つペナルティがある”Inactivity Leak”
  • 6 バリデータのスコア
  • 7 バリデータが受けるペナルティ
  • 8 まとめ

イーサリアムがBeacon Chain(ビーコンチェーン)をローンチして初の大きなもんだいとなった2023年5月12日から13日にかけてCasper FFGのコンセンサスを得られずにファイナライズできない問題は多くのバリデータとDeFiに影響を与えました。

本稿ではイーサリアムのCasper FFGの仕組みから今回のファイナリティ事件でバリデータにどのような影響を与えたのかについてわかりやすく解説を行います。ファイナリティ事件については墨汁マガジンVol.850「イーサリアムのファイナリティ問題が起きた理由を理解する」を参照してください。

 

イーサリアムCasper FFGの解説一覧

 

Vol.257「イーサリアム2.0 バリデータのペナルティ”Inactivity Leak”でスラッシュされる条件」

Vol.259「イーサリアム2.0 ステーキングペナルティ Partial Slashingとは?」

Vol.398「ETH2バリデータのプロポーザーとアテスター フォークチョイスルールによる合意形成の仕組み」

Vol.399「イーサリアム2.0コミッティ(Committee)とは?ETH2ブロックプロポーザーへのDDoS攻撃問題」

Vol.630「イーサリアム2.0のスラッシャー(Slasher)とは?Casper FFGのペナルティコンセンサス」

Vol.632「イーサリアム2.0のアテステーション(Attestations)とは?Justificationとアルタイルでの報酬形態」

Vol.810「イーサリアムのCasper FFGにおけるバリデータのステーキング報酬を理解する」

Vol.814「イーサリアムのCasper FFGにおけるステーキングでのペナルティ(罰則)の重要性を理解する」

 

イーサリアムクライアントは一時修正版を公開

今回のイーサリアムファイナリティ事件でバグが発見されたコンセンサスクライアント(CL)のPrysmはv4.0.4をTekuはv23.5.0で修正版を公開しており、全バリデータはアップデートをする必要があります。

また問題がなかったNimbusでもv23.5.0でこれらのファイナリティ事件の原因となった問題の対策を講じており、どのクライアントも最新版にアップデートしておくことでメインネットが安定すると言えます。最新のイーサリアムCLクライアントのリリースについて下記を参照してください。

 

Prysm最新リリース:https://github.com/prysmaticlabs/prysm/releases

Lighthouse最新リリース:https://github.com/sigp/lighthouse/releases

Teku最新リリース:https://github.com/ConsenSys/teku/releases

Nimbus最新リリース:https://github.com/status-im/nimbus-eth2/releases

 

イーサリアムバリデータ側に何が起きたのか?

ではバリデータ側で何が起きたのかについてみていきましょう。今回Casper FFGがコンセンサスを得られなかった理由はアテステーションと検証が原因でした。

つまりバリデータは

 

「アテステーションの

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