- 1 イーサリアムCasper FFGの解説一覧
- 2 CasperのPartial slashingとは?
- 3 スラッシュペナルティの計算
- 4 ペナルティを回避する対策は可能か?
- 4.1 ETH2バリデータノードの維持問題
- 4.2 バリデータを常にオンラインに保つ対策
- 5 まとめ
イーサリアム2.0のバリデータには、前回解説した”Inactivity Leak”とは別にPartial Slashingというバリデータのステーキングに対するペナルティが存在します。イーサリアム1.0(現在のイーサリアムチェーン)でのマイニングでは、マイナーに対する”罰金”はなかったものの、PoSにおいてイーサリアムチェーンを誠実に保つにはこのようなペナルティが必要となります。
本稿ではInactivity Leakに続き、Partial Slashingとこれらのペナルティを回避対策などについて解説を行います。
イーサリアムCasper FFGの解説一覧
Vol.257「イーサリアム2.0 バリデータのペナルティ”Inactivity Leak”でスラッシュされる条件」
Vol.259「イーサリアム2.0 ステーキングペナルティ Partial Slashingとは?」
Vol.398「ETH2バリデータのプロポーザーとアテスター フォークチョイスルールによる合意形成の仕組み」
Vol.399「イーサリアム2.0コミッティ(Committee)とは?ETH2ブロックプロポーザーへのDDoS攻撃問題」
Vol.630「イーサリアム2.0のスラッシャー(Slasher)とは?Casper FFGのペナルティコンセンサス」
Vol.632「イーサリアム2.0のアテステーション(Attestations)とは?Justificationとアルタイルでの報酬形態」
CasperのPartial slashingとは?
Partial Slashingは、俗に言われていたスラッシャープロトコルです。悪意のあるバリデータがスラッシュプロトコルに違反した時、デポジットしていたETHを徴収することで、バリデータによる不正を防ぎます。
ですが、Partial Slashingにはそのバリデータに悪意があるものなのか、そうでないかによってペナルティの度合いを調整します。例えば、1つのShard Chainを