- 1 イーサリアムCasper FFGの解説一覧
- 2 ペナルティは必要なインセンティブ
- 3 2023年2月におけるETHステーキングペナルティ
- 4 ペナルティ:Casper FFGの合意形成阻害
- 5 ペナルティ:バリデータの違反行動
- 6 ペナルティ:バリデータとしての行動放棄
- 7 まとめ
イーサリアムのProof of Stake(プルーフ・オブ・ステーク)であるCasper FFGへの完全移行に伴い、イーサリアムのコンセンサスアルゴリズムでは今までににない「ブロック生成を行うバリデータへのペナルティ」が追加されています。
一方でCasper FFGはコンセンサスアルゴリズムにおいてビットコインや過去のマイニングを必要としたイーサリアムと異なり非常に複雑といえるでしょう。本稿ではバリデータのステーキング報酬辺に続き、非エンジニア向けにイーサリアムのペナルティについてわかりやすく解説を行います。
イーサリアムCasper FFGの解説一覧
Vol.257「イーサリアム2.0 バリデータのペナルティ”Inactivity Leak”でスラッシュされる条件」
Vol.259「イーサリアム2.0 ステーキングペナルティ Partial Slashingとは?」
Vol.398「ETH2バリデータのプロポーザーとアテスター フォークチョイスルールによる合意形成の仕組み」
Vol.399「イーサリアム2.0コミッティ(Committee)とは?ETH2ブロックプロポーザーへのDDoS攻撃問題」
Vol.630「イーサリアム2.0のスラッシャー(Slasher)とは?Casper FFGのペナルティコンセンサス」
Vol.632「イーサリアム2.0のアテステーション(Attestations)とは?Justificationとアルタイルでの報酬形態」
ペナルティは必要なインセンティブ
イーサリアムのCasper FFGにおけるペナルティは
「バリデータがイーサリアムネットワークに対して誠実な行動を取るためのインセンティブ」
として必要なのです。
実際にビットコインではマイナーが意図的に空のブロックを生成したり、コンセンサスに参加しないという例が見られており、EIP-1559の導入を機にバリデータ(マイナー)が誠実な行動を取るインセンティブを与える設計をしていくということになり、今後のスタンダードとなるでしょう。
ビットコインの手数料モデルの欠陥については墨汁マガジンVol.295「イーサリアムのガス手数料モデルの欠陥と攻撃インセンティブ」を参照してください。
2023年2月におけるETHステーキングペナルティ
Casper FFGは開発段階を重ねるごとにペナルティが追加される予定となっていますが、現在のペナルティ対象は
1.Casper FFGの合意形成の停止
2.Casper FFG