- 1 DeFiとフロントランニング問題の解説一覧
- 2 ビットコインの手数料モデル
- 3 イーサリアムのガスモデルの問題
- 4 マイナーは定期的なネットワーク攻撃を仕掛ける
- 5 まとめ
イーサリアムのガス手数料モデルは、ビットコインと同様のモデルを採用しています。これは、ビットコインのPoWモデルを参考にして作られていますが、プロトコルの相違により、イーサリアムには適さないと言えるでしょう。イーサリアムはブロックチェーンにおいて、最も使用されているコントラクトプラットフォームであり、その非中央集権でトラストレスなコントラクトは多くの企業が採用しています。
現在のイーサリアムのレガシーチェーンはState Rentが未だに実装されていないことからステート攻撃をしかけたり、そもそものガスモデルの問題をついてネットワーク攻撃をしかけてきたりします。State Rentにより2016年のトランザクションスパム攻撃などの結果は解消できるものの、現在のガスモデルには大きな問題があり、イーサリアムは解決する必要があるのです。
State Rentについては下記を参照してください
DeFiとフロントランニング問題の解説一覧
Vol.295「イーサリアムのガス手数料モデルの欠陥と攻撃インセンティブ」
Vol.518「イーサリアムDeFiのフロントランニング問題とは?なぜフロントランニングが起きるのか」
Vol.582「MEVとは?図解で理解するイーサリアムDeFiのMEV問題」Vol.588「図解で理解するFlashbotsの仕組み MEVを得つつDeFiのフロントランニングとガス高騰を抑制」
Vol.589「Flashbotsがイーサリアムガス代の下落に影響しない場合のシナリオと理由」
ビットコインの手数料モデル
ビットコインにおいて、トランザクション手数料は簡単に言えばオークション制であると言えます。マイナーは通常より多くの収益を得たいため、高い手数料を設定したトランザクションを順番にブロックへ取り込みます。つまり送金需要が増えると、ブロックの空き容量をより高いBTCで買うことにより、優先的に送金をしようとするということです。
これは1MBのブロックサイズ制限から見ると問題点の用に見えますが、ビットコインのプロトコル上このオークション形式はある程度許容しなければならいということになります。対してイーサリアムはガスとしてネィティブトークンのETHを使用し、プロトコルの相違からこのオークション形式は適さないのです。ここで重要となるのはビットコインの