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墨汁マガジンVol.774「イーサリアムのステーキング報酬を高めるMEV-Boostとは?仕組みからみるリスク」

目次
  • 1 イーサリアムのブロックは約9割がMEV-Boostで提案
  • 2 MEV-Boostとは?
  • 3 MEV-Boostの仕組み
  • 4 MEV-Boostにリスクはあるのか?
  • 5 まとめ

イーサリアムのマージ(The Merge)後、マイナーが生成していたブロックは32ETHをステーキングしたバリデータへと変更され、ステーキングしているバリデータは誰もが平等にブロック提案をBeacon Chainにする機会を得ることができるようになりました。そこで今注目されているのがFlashbotsなどが提供する「MEV-Boost」であり、実に9割近いブロックがMEV-Boostで提案されているのです。

本稿ではイーサリアムのMEV-Boostについて非エンジニア向けにわかりやすく解説を行います。MEVに関しては墨汁マガジンVol.582「MEVとは?図解で理解するイーサリアムDeFiのMEV問題」を参照してください。

 

イーサリアムのブロックは約9割がMEV-Boostで提案

マージ後のイーサリアム2.0におけるCasper FFGでは、バリデータがRandomness Beaconによってランダムに選出され、プロポーザーとしてBeacon Chainにブロックを提案(生成)することができます。

2022年11月、このプロポーザーが提案したブロックの87.14%、つまり約9割に当たるブロックがMEV-Boost経由で行われているのです。また元祖MEV問題の対策プロジェクトである”Flashbots”が提供するMEV-Boostが8割を締めており、その他にはBloXroute Max ProfitやEden、Blocknativeが大半となっています。

 

出典:Mevboost – MEV-Boost経由でイーサリアムに提案されているブロックの割合

 

Flashbotsについては墨汁マガジンVol.588「図解で理解するFlashbotsの仕組み MEVを得つつDeFiのフロントランニングとガス高騰を抑制」にてわかりやすく解説しています。

 

MEV-Boostとは?

MEV-BoostとはFlashbotsが開発したバリデータとイーサリアムプロトコル間に入る”ミドルウェア”で、PBS(プロポーザー/ビルダーセパレーション)をイーサリアムのProof of Stakeである”Caspuer FFG”で提供しているのです。

要はMEV-Boostとは

 

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