- 1 Beam Chain解説一覧
- 2 TPSでは解決できない問題
- 3 PreConfsとは?
- 4 ビットコインで導入できない理由
- 5 イーサリアムでPreconfsを導入するために必要なこと
- 6 Preconfersの役割とコンセンサス
- 7 Preconfsの仕組み
- 8 まとめ
イーサリアムは現在のステーキングをベースとしたコンセンサスの移行から5年が経過し、今後10年の開発ロードマップで「PoSからZKへの移行」を予定しており、2025年~2026年にかけてzkEVMの導入を予定しています。
その中でもBeam Chainの開発ロードマップの「FOCIL」を活用した「Preconfs(PreConfirmation)」はステーブルコイン事業の導入増加からみてもイーサリアムにとって爆発的な変化を与えるプロトコルの1部となるのです。本稿ではイーサリアムのFOCILに続きPreConfsについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
Beam Chain解説一覧
Vol.1114「Vitalikが提案したイーサリアムRISC-Vベースの新世代EVM移行の開発アプローチとzkEVM(zkVMs)を理解する」
Vol.1119「イーサリアムのCL「Beacon Chain」の仕様と役割を理解する」
Vol.1120「イーサリアムのBeam Chainとは?影響とSNARKificationを理解する」
Vol.1126「【図解】イーサリアムの「zkVMs」とは?Proverの加速がもたらすイーサリアムの未来」
Vol.1127「【図解】イーサリアムのBeam Chainで導入される「FOCIL」とは?スケーリングを加速させるPreConfsの前準備」
TPSでは解決できない問題
イーサリアムは元のShardingによる並列チェーンのスケーリングから、ArbitrumやOptismim、OP Stackを採用するBaseチェーンなどのL2のRollupチェーンを使用した「Rollup Centric」へとシフトしています。
このイーサリアムL2を中心とすることでイーサリアムエコシステムではソラナのTPSに迫っており、もはやこれまでのイーサリアムの分散におけるセキュリティの高さとTPSとの兼ね合いという問題点は解決したと言えるレベルでしょう。
一方でTPSでは解決できない問題としては、
「今後イーサリアムがステーブルコインのようなDeFiにおける支払いなどまでを包括したマスアダプションとなる時、現状のブロックの取り込みとファイナリティによる確定では遅い」
という問題が出てくるのです。
PreConfsとは?
イーサリアムのPreConfsとはこれらのRollupの議論において「Native Rollup(Based Rollup)」におけるイーサリアムバリデータがシーケンサーだけでなく、Preconfer(プリコンファー)になることが可能であるというイーサリアムリサーチャーのJustin Drake(ジャスティン・ドレイク)氏の提案からはじまった現状のブロックチェーンにない「ブロックでの取り込み前でのTX確定におけるUX」という新たなスケーリング実装を指します。
このPreConfsというコンセプト自体は
「2012年
