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墨汁マガジンVol.1166「イーサリアムのPreConfirmation(PreConfs)とは?Beam Chainから劇的に変わる理由を理解する」

目次
  • 1 Beam Chain解説一覧
  • 2 TPSでは解決できない問題
  • 3 PreConfsとは?
  • 4 ビットコインで導入できない理由
  • 5 イーサリアムでPreconfsを導入するために必要なこと
  • 6 Preconfersの役割とコンセンサス
  • 7 Preconfsの仕組み
  • 8 まとめ

イーサリアムは現在のステーキングをベースとしたコンセンサスの移行から5年が経過し、今後10年の開発ロードマップで「PoSからZKへの移行」を予定しており、2025年~2026年にかけてzkEVMの導入を予定しています。

その中でもBeam Chainの開発ロードマップの「FOCIL」を活用した「Preconfs(PreConfirmation)」はステーブルコイン事業の導入増加からみてもイーサリアムにとって爆発的な変化を与えるプロトコルの1部となるのです。本稿ではイーサリアムのFOCILに続きPreConfsについて仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。

 

Beam Chain解説一覧

 

Vol.1114「Vitalikが提案したイーサリアムRISC-Vベースの新世代EVM移行の開発アプローチとzkEVM(zkVMs)を理解する」

Vol.1119「イーサリアムのCL「Beacon Chain」の仕様と役割を理解する」

Vol.1120「イーサリアムのBeam Chainとは?影響とSNARKificationを理解する」

Vol.1126「【図解】イーサリアムの「zkVMs」とは?Proverの加速がもたらすイーサリアムの未来」

Vol.1127「【図解】イーサリアムのBeam Chainで導入される「FOCIL」とは?スケーリングを加速させるPreConfsの前準備」

Vol.1131「【図解】イーサリアムL2のNative Rollup(Based Rollup)とはなにか?」

 

TPSでは解決できない問題

イーサリアムは元のShardingによる並列チェーンのスケーリングから、ArbitrumやOptismim、OP Stackを採用するBaseチェーンなどのL2のRollupチェーンを使用した「Rollup Centric」へとシフトしています。

このイーサリアムL2を中心とすることでイーサリアムエコシステムではソラナのTPSに迫っており、もはやこれまでのイーサリアムの分散におけるセキュリティの高さとTPSとの兼ね合いという問題点は解決したと言えるレベルでしょう。

 

 

一方でTPSでは解決できない問題としては、

 

「今後イーサリアムがステーブルコインのようなDeFiにおける支払いなどまでを包括したマスアダプションとなる時、現状のブロックの取り込みとファイナリティによる確定では遅い」

 

という問題が出てくるのです。

 

PreConfsとは?

イーサリアムのPreConfsとはこれらのRollupの議論において「Native Rollup(Based Rollup)」におけるイーサリアムバリデータがシーケンサーだけでなく、Preconfer(プリコンファー)になることが可能であるというイーサリアムリサーチャーのJustin Drake(ジャスティン・ドレイク)氏の提案からはじまった現状のブロックチェーンにない「ブロックでの取り込み前でのTX確定におけるUX」という新たなスケーリング実装を指します。

このPreConfsというコンセプト自体は

 

「2012年

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