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墨汁マガジンVol.195「イーサリアム2.0でのバリデータ(Validator)問題 マイニングと比較した場合のインセンティブ」

目次
  • 1 イーサリアム2.0でのバリデーターとは?
  • 2 バリデーターのインセンティブと解決しなければならない問題
  • 3 マイナーとバリデータのエコシステム上の大きな違い
  • 4 利益率のインセンティブ付の難しさ
  • 5 まとめ

イーサリアムの今後として、現在のイーサリアム1.0からイーサリアム2.0への移行を行う途中プロセスとなるイーサリアム1.xとセレニティの2.0を目指して開発が行われています。イーサリアム2.0(以下ETH2.0とする)のキーとなるバリデーター(Validator)は、セキュリティであり、ETHをステーキングするインセンティブを重視する必要があります。

本稿では、今回イーサリアムの発明者Vitalik氏の新たに提案されたバリデーターの報酬率と、バリデーター数の割合をベースに、ETH2.0での解決しないといけない問題点について解説を行います。

 

 

イーサリアム2.0でのバリデーターとは?

現時点でのETH2.0の開発前提では、レガシィチェーン(現在のイーサリアムメインチェーン)はPoSに移行せず、レガシィチェーン上にデプロイされたBeacon Chainを利用してPoSとの整合性を保ちます。

ETH2.0でブロックを新たに生成するにはバリデーターになる必要があり、コンスタンティノープルでテストする予定であったCasper FFGでの1,000~1,500ETHから変更され、32ETHをイーサリアムネットワークにステーキングすることで、バリデーターになることができます。

今回Vitalik氏に提案されたのは、このバリデーターの年間の報酬とバリデーターになるためのインセンティブ、つまりETH2.0での非中央集権経済を考慮するというものです。

出典:https://media.consensys.net/state-of-ethereum-protocol-2-the-beacon-chain-c6b6a9a69129

 

より詳しいBeacon Chainの仕様や基礎技術については下記イーサリアム2.0のレポートを参照してください。

 

バリデーターのインセンティブと解決しなければならない問題

では次に、あまり知られていないBeacon Chainでの問題点について見ていきましょう。上記で紹介した、バリデーターになるための条件であるイーサリアムのステーキング数の32ETHは広く知られており、Casper(PoS)とShardingの組わせにより、Shasperと呼ばれています(デベロッパーはこの呼び方を嫌っている)。

 

 

ですが、このバリデーターは実は大きな問題を解決しなければならないのです。それは、

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