- 1 Beam Chain解説一覧
- 2 ステーブルコインビジネスの導入加速
- 3 加速するステーブルコイン決済合戦
- 4 ステーブルコイン決済を実現するための課題
- 5 イーサリアムのBeam Chainが解決する
- 6 Preconfsの重要性
- 7 イーサリアムの将来性が飛躍的に伸びる
- 8 まとめ
イーサリアムが確立したDeFi(分散金融)の要といえるステーブルコインはテザー社のUSDTから2018年ローンチのサークル社のUSDC、さらには2024年から2025年にかけてPayPalなどの複数の最大手決済企業などがこぞってローンチを行っています。
本稿ではイーサリアムの今後の開発ロードマップBeam ChainとDeFiの要ステーブルコインビジネスの増加がイーサリアムを1万ドル以上に押し上げる理由について仮想通貨(暗号資産)投資家向けにわかりやすく解説を行います。
Beam Chain解説一覧
Vol.1114「Vitalikが提案したイーサリアムRISC-Vベースの新世代EVM移行の開発アプローチとzkEVM(zkVMs)を理解する」
Vol.1119「イーサリアムのCL「Beacon Chain」の仕様と役割を理解する」
Vol.1120「イーサリアムのBeam Chainとは?影響とSNARKificationを理解する」
Vol.1126「【図解】イーサリアムの「zkVMs」とは?Proverの加速がもたらすイーサリアムの未来」
Vol.1127「【図解】イーサリアムのBeam Chainで導入される「FOCIL」とは?スケーリングを加速させるPreConfsの前準備」
Vol.1131「【図解】イーサリアムL2のNative Rollup(Based Rollup)とはなにか?」
Vol. 1166「イーサリアムのPreConfirmation(PreConfs)とは?Beam Chainから劇的に変わる理由を理解する」
ステーブルコインビジネスの導入加速
イーサリアム上で2018年にローンチしたステーブルコイン「USDC」を発行するサークルのNASDAQ上場、さらには仮想通貨推進派のドナルド・トランプ大統領の「ステーブルコインによるドル支配の強化」という政策により、ステーブルコインビジネスへの参入が加速しています。
本来のステーブルコインはリップル社などが模索していた海外送金という需要ではなく、DeFiにおける
1.Aaveなどでの借入/貸付
2.HyperliquidなどのパーペチュアルDEX
3.Curve FinanceやUniswapなどのAMM需要
などが主流でした。
一方で2024年~2025年にかけてはこの動向がトランプ大統領の2024年11月大統領選勝利より変化してきており、SWIFTを脅かすレベルでの決済や送金網となる可能性が多くのビジネス導入により加速していると言えるでしょう。
ステーブルコインビジネスについては墨汁マガジンVol.1106「USDCのCircleはなぜIPOをどうしても行いたかったのか?ステーブルコインビジネスを理解する」を参照してください。
加速するステーブルコイン決済合戦
またこれらの動向に伴いサークル社は自己利益を伸ばすために独自のEVMチェーン「Arc」を新たに発表、テザー社も同様にStableを発表しており、Stripeが続いてEVMチェーンをローンチ予定となっているのです。
No | 会社名 | ステーブルコイン | 独自チェーン | チェーン |
---|---|---|---|---|
1 | サークル | $USDC | Arc | EVMチェーン |
2 | テザー | $USDT | Stable | EVMチェーン |
3 | Stripe | N/A | Tempo | EVMチェーン |
4 | PayPal | $PYUSD | N/A | N/A |
一方でこれらは古い形式のEVMチェーン、すなわちイーサリアムエコシステムの一部ではあるものの、決済における利便性はこれまでのイーサリアムと変わらず、自社利益のためのEVMチェーンである一方でスケーリングの問題を抱えているということが言えるでしょう。
またこれらのチェーンは基本的には中央集権となると考えられ、マネーロンダリングや対テロなどの金融犯罪を抑止するためにこれまでのブラックリスト機能をより強化されることが予測できるのです。
ステーブルコイン決済を実現するための課題
一方で課題となるのがチェーンのファイナリティとPreConfermationの課題です。というのも決済を行うということは
「そのチェーン