- 1 Liquid Stakingの仕組み一覧
- 2 DeFiでのstETH運用
- 3 Lidoでの4重のDeFi報酬
- 4 Convex Financeでの追加報酬
- 5 stETHの報酬がもらえない場合もある
- 6 stETHのステーキング報酬の仕組み
- 7 stETHを構成するノード
- 8 Lidoの手数料とstETH報酬払出し
- 9 まとめ
イーサリアムのステーキングプールプロジェクト”Lido Finance(リドファイナンス)”は、イーサリアム2.0のステーキングにおける最大のシェアを有する一方、stETH及びLidoのステーキング報酬のメカニズムはあまり知られていないと言えるでしょう。本稿ではCurve Finance(カーブファイナンス)やYearn Finance(ヤーンファイナンス)などでETHの流動性マイニング及びイールドファーミングで需要の高いLidoが発行するstETHと、stETHのバリデータ報酬の仕組みについてわかりやすく解説を行います。
元祖ステーキングプールの”Rocketpool”との比較から見るLido Financeの概要については墨汁マガジンVol.709「イーサリアム2.0ステーキングプールLido Financeの概要 Rocketpoolとの違いと利点とは?」にてわかりやすく解説しています。
Liquid Stakingの仕組み一覧
Vol.312「イーサリアムバリデータプール “Rocket Pool”の仕組みとノードオペレーターの報酬(手数料)」
Vol.313「イーサリアム2.0のバリデータプール”Rocket Pool”のリスクとペナルティ対策」
Vol.706「LidoのstETHのペッグが崩れる理由 Curve Financeでデュアル流動性マイニングプールをローンチする利点とは?」
Vol.713「図解で理解するLidoでイーサリアム2.0のステーキング報酬をstETHに反映する仕組み」
Vol.709「イーサリアム2.0ステーキングプールLido Financeの概要 Rocketpoolとの違いと利点とは?」
DeFiでのstETH運用
stETHはLido Financeが掲げる”流動性のあるステーキング(Liquid Staking)”または”ステーキングされている仮想通貨に流動性を(Liquidity for staked assets)”というコンセプトの通り
「イーサリアム2.0のステーキング報酬を得ながらCurve Finance(カーブファイナンス)での流動性マイニング及びイールドファーミング報酬を得たり、Maker DAO(メーカーダオ)やAave(アーベ)でstETHを担保にステーブルコインなどを借り入れすることができる」
という特徴を持ち、DeFiにおけるコンポーザビリティにより大きなアドバンテージを持ちます。
Lidoでの4重のDeFi報酬
例えばETHをLidoを介してイーサリアム2.0のデポジットコントラクトにステーキングした場合に発行されるstETHのステーキング報酬は2022年6月時点で約4%となっていることがわかるでしょう。
出典:Lido Finance – イーサリアム2.0のstETHによるステーキング報酬
さらにそのstETHをステーブルスワップAMMのCurve FiananceのstETHプールで運用すれば、流動性マイニング報酬とイールドファーミング報酬として1.13%のCRVと1.29%のLDOを報酬として得ることができるため、実質4重の報酬を得られるということになるのです。
出典:Curve Finance – Lido FinanceのstETHの流動性マイニング及びイールドファーミング報酬
Convex Financeでの追加報酬
さらにConvex Fianance(コンベックスファイナンス)で運用すればCVX報酬まで得ることができ、5重の報酬となっています。
出典:Convex Finance – stETHプールでのイールドファーミング報酬
CRVブーストアグリゲーターであるConvex Financeについては墨汁マガジンVol.584「Convex Financeとは?CRVブーストアグリゲーターの概要、戦略と仕組み」を参照してください。
stETHの報酬がもらえない場合もある
ですがLidoのstETHの仕組み上、上記でみたようにどのDeFiプロジェクトでもイーサリアム2.0のステーキング報酬を貰えるわけではないことに注意が必要です。運用の仕方次第ではstETHの報酬を自ら破棄していることになるということです。
stETHの報酬の仕組みは
「ステーキング