- 1 イーサリアムShapella(シャペラ)実装完了
- 2 バリデータ報酬引出しと32ETH全額引出し
- 3 ETHバリデータの0x00から0x01の変更方法
- 4 どの手順でETH出金先を登録すべきか?
- 5 マルチバリデータの引出し設定
- 6 まとめ
イーサリアムはShapella(シャペラまたは上海)アップデートを4月13日に予定通り実装を完了しました。これによりEIP-4895が導入され、32ETHをステーキングする際に引出しができないという実装上の欠点を解消し、32ETH及びバリデータ報酬としてBeacon Chain上で付与されたETHを引き出すことが可能となりました。
本稿ではこのステーキングされた32ETHの引出しに必要な変更点と実際のEIP-4895で提案されたときの実装の変更、Withdrawl Credientialの0x00と0x01の変更がどうなったのかについてわかりやすく解説を行います。Withdrawl Credientialについては墨汁マガジンVol.811「イーサリアムの32ETH引出しWithdrawal Credentialsの設定と現状 0x00と0x01とは?」を参照してください。
イーサリアムShapella(シャペラ)実装完了
イーサリアムは日本時間4月13日、Epoch194048を迎えたことでShapella(シャペラ)アップデートを無事実装しました。
このShapellaでは
「ステーキングしていた32ETHを引出しすることができるEIP-4895が実装され、イーサリアムステーキングのローンチ約2年のロック期間を経て全てのETHが引出しできるようになった」
という大型アップデートとなっています。
CLクライアントのLighthouseでCPU利用過多のバグが報告されるなどで、Shapellaアップデート時に2.6%のバリデータがオフラインにはなっているものの、90%以上のオンライン率を維持していることから実装は成功と言えるでしょう。
バリデータ報酬引出しと32ETH全額引出し
EIP-4895は”Beacon chain push”といい、イーサリアムのコンセンサスレイヤー(CL)である”Beacon Chain(ビーコンチェーン)”からEVMが動いている実行レイヤー(EL)であるETH1エンジン側へステーキングされたETHを引き出すという実装です。
EIP-4895で挙げられていた引出し実装の問題点が変更されており
「部分引出しとなるParital Withdrawl