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墨汁マガジンVol.67「ICOをERC20トークで行う条件とコントラクトの特性」

目次

    1.ERC20トークンとICOの現実

    前回に続いて、ここではERC20でのICOとEOSについて解説を行います。

    前回はこちらを参照ください。

    墨汁マガジンVol.66  ICOが資金調達後に成功する確率を分析する手法 

     

    1-1.EOSがおこなったトークン発行のICO

    EOSは、イーサリアム上でERC20のEOSトークンを発行し、ICOを行いました。

    このICOというより、トークンセールと言える1年間という長期の販売は、資金を多く集められるものの、プロジェクトをその間信用するというリスクを追うもので、一般的ではありません。

    またEOSのホワイトペーパーでは「現在販売しているERC20トークンは何の機能も持たない」と記載しており、”資金調達のみ”を行うトークンであるというものでした。

    つまり、

     

    「独自ブロックチェーンの開発には時間がかかるが、ICOのブームが去る前に大量の資金を確保しておきたい」

     

    という形だったわけです。このことから、イーサリアムベースのプロジェクトではなく、イーサリアムで手軽にICOができるというものを利用したものであるということがわかります。

     

    このようなICOの場合、ICOで得たETHは全て売却し、ERC20トークンも売却するという可能性があるため、イーサリアムにとってはマイナスな面しか持たず「イーサリアムにとってのエコシステム上のインセンティブ設計の欠陥である」と私は考えています。

    EOSはEOSブロックチェーンがメインネットローンチ後にERC20トークンからEOSトークンへの移行を行ったため、現在のERC20トークンとして存在しているものは何も価値を持たないものとなっています。

     

     

    1-2.ERC20トークンとは

    次にイーサリアムでのICOはどれだけ簡単に行えるかについてみていきましょう。

    まずERC20トークンを理解する必要があります。

    ERC20とは、特定の機能を前提に追加したトークンの基準のことを指し

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