- 1 1.The DAOフォークに対する論点の誤解
- 2 2.イーサリアムの不変条件とEOSやNEOとの明確な違い
- 3 3.トラストレス(Trustless)の真の意味
- 3.1 3-1.SoVとトラスト
- 3.2 3-2.トラストすることの非常に危険なリスク
- 4 4.まとめ
イーサリアムの歴史とイーサリアムクラシックの存在意義における解説Vol3となります。イーサリアムクラシックのアトランティス実装から、The DAOとDAOについて解説してきたので、前提知識として下記2つのマガジンを参照してください。
Vol.184 イーサリアムクラシックのアトランティスとスプリアスドラゴン
Vol.186 DAOとThe DAOの仕組み DAOは何がすごいのか?
1.The DAOフォークに対する論点の誤解
イーサリアムクラシックの誕生した経緯は詳しく知られていないのが現状です。イーサリアムクラシックはイーサリアムが破棄した元チェーンであり、ホームステッド時の実装のときにイーサリアムネットワークからフォークしました。ディフィカルティはイーサリアムネットワークのままであるので、マイニングするにしてもハッシュレートが10分の1以下であったイーサリアムクラシックは、当初ブロック生成に相当の時間を割く必要があり、ビットコインキャッシュと同様でノードの接続問題などもありました。
ではそもそもの分裂原因はどうだったのかというと、The DAOハックで盗まれたETHが当時の発行量全体の10%を越えていたことやイーサリアムファンデーションのメンバーの多くが投資していたということでの”救済を目的としたハードフォーク”が問題点です。
ですが、この問題点は”ハードフォークをしたから”という論点ではなく、”イーサリアムの不変条件を変更した”というところにあるのです。
The DAOフォークは俗にみるフォークに対する不服では正確ではなく、不変条件の変更によるイーサリアムそのものの意義が変わることが問題だった
Check
2.イーサリアムの不変条件とEOSやNEOとの明確な違い
そもそもイーサリアムがEOSやNEO、Rippleといった分散性を捨て、スケーリングに振ったネットワークと違うところは、”コントラクトをトラストレスで使用できるためのブロックチェーン”というところです。
単一のトランザクションを誰でも検証することができるDMMSにおいて、ETH価格がそのままチェーンの改ざん可能性が事実上の不可能となります。さらに、イーサリアムのスマートコントラクトは一度デプロイすると変更できない(アップデートする方法はある)という点、コードはパブリックに公開されるという透明性により、誰もがコード監査をすることができることでトラストレスに使用できるのです。
つまり、イーサリアムの不変条件は
1.DMMSかつノード制限がない
2.コントラクトはデプロイしたら変更できない
3.コントラクトコードはパブリックに公開される
ということです。これに対してEOSは、