- 1 アルトコインの存在意義とスケーリング問題
- 1.1 ブロックチェーンのジレンマは既存DBが有利
- 1.2 トリレンマより安易なアルトコイン
- 2 ブロックチェーンはスケーリングが非常に困難
- 3 まとめ
イーサリアムは約5年という長い歳月を経て、CasperやShardingといったスケーリング解決方法をリサーチ、開発をしてきました。2019年に入り、イーサリアム2.0が現実的になってきた今、当初の実装予定とは大幅な変更とはなったものの、ブロックチェーンの特性とスケーリングを考えるとなるべくしてなったというものになっています。本稿ではブロックチェーンの未来と、一般的に理解がされていない”レイヤー”という重要な考え方についてイーサリアム2.0を例として詳しく解説を行います。
アルトコインの存在意義とスケーリング問題
ブロックチェーンと既存のデータベースの違いは、銀行が勘違いしているようにあまり明確に理解されていない傾向があります。
ブロックチェーンのジレンマは既存DBが有利
まず第一前提として、
「スケーリングと分散セキュリティはトレードオフである」
という点です。ビットコインやイーサリアムのような分散しており、非常にセキュリティの高いネットワークは、ブロック伝達問題からもスケーリングやTPS向上は一定値から飽和してきます。そのためアルトコインという考え方が存在するのです。
これはブロック伝達問題からもわかりやすいので、下記を参照してください。
ですが、そこまで無理してブロックチェーンを使用する意味は、開発コストや新しい技術の学習などを考えると、既存のDBを使用する方が早いです。
トリレンマより安易なアルトコイン
ビットコインと別にアルトコインが存在するのは、なにもチューリング不完全なビットコインとは別にイーサリアムのようなチューリング完全なプログラミングが可能なブロックチェーン応用が必要という観点だけではないのです。
例えばビットコインとは別にビットコインキャッシュを見てみるとわかりやすいです。セキュリティ上の分散性や、使用率などを見るとビットコインが圧倒的であり、ビットコインキャッシュを使用するメリットがないのが現状です。ですが、ビットコインもビットコインキャッシュも、それ以外のアルトコインも需要が大小あり、買われているのが事実です。
これはスケーリング目的の”アルトコイン”という観点であるということです。イーサリアム2.0のレポートで紹介した”ブロックチェーンのスケーリングトリレンマ”を解決する一つの方法に、
「スケーリングを諦めてアルトコインを使用する」
というものです。
ですが、アルトコインを使用するということは