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墨汁マガジンVol.268「中国人投資家がUSDT(テザー)を本当に使用しているのかを分析」

目次
  • 1 Tether公式からUSDTを発行するには?
  • 2 中国人がUSDTを売買するには?
  • 3 テザーは中国人にとって利便性が高いのか?
  • 4 まとめ

前回に続いて、中国人投資家ビットコインやイーサリアムを売買するために実際にUSDTを使用しているのか?について見ていきましょう。

まずTether Lmitedについて見ていきます。TetherはBitfinexの親会社iFinexに買収され、香港ベースの企業かつオフィスはスイスにあるとしていますが、Tetherの公式ページには会社の所在地などは一切明記がなく、非常に不明瞭なことがわかります。

ですがここで一つわかることは、中国人がUSDTを直接Tetherから発行するには、年間最高でも250万円までしかできないということになります。なぜなら、香港と中国本土間の送金は海外送金と同様で、500万円の制限が課せられるためです。

 

現在のビットコインと中国の大きな関係性については下記を参照してください。

 

Tether公式からUSDTを発行するには?

またTetherの公式で銀行口座からUSDTを発行するには、非常に手間のかかるKYCが必要となります。まずパスポートなどの政府が発行するIDでのKYCは普通ですが、Tetherの場合には3ヶ月未満の税金などの支払の証明する書類による「Proof of residency」が必要であり、中国国内に住んでいること自体を証明。

さらに、銀行取引証明書も必要となります。この証明書は、日本のパスポートにより海外で観光VISAが自動発行されるものとは違い、学生VISAや労働を前提にした長期VISAなどを発行する際に必要となる証明書で、自身の資金力を証明するものとなっています。

つまり、TetherのKYCは異常と言っていいほど厳しいものであり、年内に送金して人民元に戻すことを前提に考えれば250万円前後までしかUSDTを発行できず、使用されないと言えるでしょう。故に、Tetherのアカウント発行から自身でUSDTを発行するということは殆どないと言えます。

 

出典:https://tether.to/

 

中国人がUSDTを売買するには?

では実際に中国人投資家がどのようにしてUSDTを使用し、海外への入出金制限を回避しているかについてみていきましょう。

前回解説したように、

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