- 1 DeFiの歴史シリーズ一覧
- 2 そもそもDEXとは?
- 2.1 DEXの先駆け”Shapeshift”
- 2.2 イーサリアム初のDEX”Etherdelta”
- 3 DEX黎明期”ピュアDEX”とは?
- 4 DEXの問題点が浮上
- 5 DEXの流動性問題
- 6 AMMのDEXとしての利点
- 7 まとめ
2019年頃のDeFi黎明期にはビットコインとイーサリアム価格の暴落により市場参加者は非常に少なく、2017年以前のアーリーアダプターがほとんどでした。ですが現在のDeFiの金融基盤はその黎明期に整備され、現在の流動性マイニングやイールドファーミング、Yearn Financeのようなコントラクト投資信託へと発展しており、DeFiを理解するのに重要な歴史であると言えるでしょう。
本稿ではDeFiの誕生きっかけであるステーブルコインの歴史に続き、DeFiの黎明期を構築したDEXの発展について解説を行います。ステーブルコインの誕生については墨汁マガジンVol.540「DeFiの歴史Pt.1 ステーブルコインはなぜ生まれた?意外と知らないステーブルコインの歴史」を参照してください。
DeFiの歴史シリーズ一覧
DeFiの歴史Pt.1 ステーブルコインはなぜ生まれた?意外と知らないステーブルコインの歴史
DeFiの歴史 Pt.2 DeFiの黎明期 DEXとレンディングを主軸にしたイーサリアム上の金融基盤形成
DeFiの歴史 Pt.3 レンディングで構成するDeFiの環境 借入需要はなぜあるのか?
DeFiの歴史 Pt.4 DeFiが複雑してレゴ化した理由とその”シンギュラリティ”」
そもそもDEXとは?
そもそもDEXとはDecentralised Exchangeの略で、Binanceなどの仮想通貨取引所のようなどこかの企業が運営しているサービスではなく、イーサリアム上のコントラクトで売買をやり取りする仮想通貨取引所を指します。このDEXという構想は古くからあり、仮想通貨取引所にETHやERC20トークンをデポジットすることなく売買できるかどうかに焦点が当てられていました。
DEXの先駆け”Shapeshift”
DEXは主にイーサリアム上のコントラクトを利用することを指しますが、このようなデポジットしない”ノンカストディアル型”と呼び、イーサリアム上ではないもののShapeshiftというスワップ取引所が2015年6月にローンチしました。このShapeshiftは企業によるものでしたがビットコインなどの仮想通貨のデポジットが不要なDEXの先駆けであったと言えるでしょう。
一方でShapeshiftは2016年4月にハッキングを受けており、ウォレットから496BTC、5800ETH、1900ETHが盗まれたという過去があります。このハッキングは仮想通貨取引所のハッキングと同様であり、被害はShapeshift側のものだけとなりますが、コントラクト上のDEXの必要性がわかるでしょう。
イーサリアム初のDEX”Etherdelta”
その後2016年8月にイーサリアム初のDEXと見られるEtherdeltaがローンチ。コントラクト