目次
- 1 EIP-1559とは?
- 2 Base FeeとPriority Fee
- 3 マイナーによる攻撃防止
- 4 マイナーの実際の攻撃事例
- 5 ガス代の高騰抑制
- 6 Base Feeの算出
- 7 ETH価格への影響
- 8 まとめ
イーサリアムのロンドンアップデートでは、手数料モデルを変更するEIP-1559の実装が注目されています。EIP-1559では手数料として支払われたETHがバーンされるため、ETH価格とガス代に影響を与えます。本稿ではEIP-1559とETH価格への影響について詳しく解説を行います。ロンドンアップデートの最新のEIPとその影響については墨汁マガジンVol.566「イーサリアムロンドンアップデートの5つの重要なEIPの内容と影響を理解する」を参照してください。
EIP-1559とは?
EIP-1559とはイーサリアムの改善提案であるEIPの1つであり、イーサリアムの手数料モデルを変更する提案です。イーサリアムはこのEIP-1559のような変更を実装する場合、1つの変更で複数のプラス要因を考えます。例えばEIP-1559では
・Base FeeによるETHのバーンでデフレ
・マイナーによるネットワーク攻撃を防止
・ガス代の高騰抑制
などの影響があります。順を追ってみていきましょう。
Base FeeとPriority Fee
EIP-1559ではバーンされるBase Feeとマイナーに対するチップとなるPriority Fee2つの手数料が存在します。Base Feeはバーン、つまり市場供給量のETHから除外されて誰も使うことができなくなるため、ETHの市場供給量が減っていくことになります。
下記イーサリアム手数料チャートでは平均して1万~1.5万ETHが手数料として使用されているため、これらをすべてBase Feeとしてバーンする場合、1日で約30億~45億円に相当することになります。
出典:Etherscan – 1日に使用されるイーサリアムのトランザクション手数料
対して実際にバーンされるETHは