- 1 イーサリアムロンドンアップデート
- 2 ロンドンの5つのEIP
- 3 EIP-1559:イーサリアム手数料モデル変更
- 4 EIP-3198:BASEFEEのオペコード追加
- 5 EIP-3529:OPCODEののガス返金変更
- 6 EIP-3541:0xEFではじまるコントラクトのデプロイ拒否
- 7 EIP-3554:ディフィカルティボムを12月1日まで遅延
- 8 まとめ
イーサリアムはロンドンハードフォークにて手数料モデルを変更するEIP-1559の実装を行います。このEIP-1559はガス代高騰の間接的原因となっている”イーサリアムの手数料モデルの欠陥”を修正するためのものであり、さらにETH価格に対する経済的影響を与える大型アップデートであると言えるでしょう。本稿ではEIP-1559の実装される”ロンドンアップデート”の内容について詳しく解説を行います。
EIP-1559をイーサリアムが実装する理由となった手数料モデルの欠陥については墨汁マガジンVol.295「イーサリアムのガス手数料モデルの欠陥と攻撃インセンティブ」を参照してください。
イーサリアムロンドンアップデート
イーサリアムのロンドンアップデートは、コンスタンティノープル以来の大型アップデートと言える重要な実装であり、2021年7月~9月頃にかけての実装を予定しています。ロンドンアップデートのEIPは主にEIP-1559をベースとしたものであり、ディフィカルティボムの遅延などが含まれます。その他のEVMの調整EIPは上海(シャンハイ)アップデートで実装することにし、EIP-1559という大幅な変更に集中することが目的です。
ロンドンの5つのEIP
イーサリアムのロンドンアップデートに含まれるEIPは最終的にEIP-1559を含めて下記5つとなりました。
EIP-1559:イーサリアムの手数料モデル変更
EIP-3198:BASEFEEのオペコード追加
EIP-3529:OPCODEののガス返金変更
EIP-3541:0xEFではじまるコントラクトのデプロイ拒否
EIP-3554:ディフィカルティボムを12月1日まで遅延
となっており、2021年6月時点でイーサリアムクライアントのGethはすべてマージ済みであり、他のクライアントの実装待ちとなっています。順を追ってみてみましょう。
EIP-1559:イーサリアム手数料モデル変更
EIP-1559はロンドンでの実装提案をされてから注目されるようになりましたが、イーサリアムには現時点で最も重要なアップデートとなる”手数料モデルの変更”を行うものです。これはビットコインが採用している”ブロックのオークション”方式から、手数料をバーン(焼却)する方式に変更するというものです。
EIP-1559での手数料モデルは主に下記2つの
Base Fee(基本手数料):バーンされるETH
Priority Fee(優先手数料):マイナーに対するチップ
です。このBase Feeはすべてバーンされるのが特徴であり、さらに